こんにちは。
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。
今回は、ロボットタイプに対してのメリットデメリットをまとめていきます。
以前コラムで、ロボットの種類についてお話しました。まだご覧になっていない方は、一度目を通していただけると今回の内容がより分かりやすいと思います。
『 産業用ロボットの種類 』(内部リンク)
主流となっている垂直多関節ロボットをはじめ、現在流通しているロボットは、大きく4つに分類できます。
では、見ていきましょう。
もくじ
垂直多関節ロボット
一般的にロボットアームと呼ばれているロボットです。色んな工程に導入でき、3次元的に稼働することが魅力の1つです。
軸数:4~7軸
【メリット】
・軸が多いため、可動範囲等の自由度が高い
・汎用性が高く、搬送から溶接や組み立てまで幅広い工程に導入可能
【デメリット】
・直交型などに比べて機械剛性が低い
・高速で動かした場合にオーバーシュートや振動が発生しやすい
・正確なティーチングを行う必要がある
技術競争が行われており、各メーカーが軽量化、小型化を図っており、安全柵を必要としない協働ロボットも流通しています。
工場、倉庫内の稼働率の向上は勿論ですが、昨今では、雇用者(作業者)に対しての安全をより問われるようになってきました。
3K(きつい、きたない、危険)の工程に関してもメスを入れることができます。
デメリットの補足として、日本のSierは高い制御技術を持っているため、ティーチングや高速動作時に関してのデメリットはクリアしているといえるでしょう。
・水平多関節ロボット
先端部が水平方向に移動するのが特徴の1つで、部品を押し込む動作に適しており、基板等への部品配置工程に導入されています。
軸数:4軸
【メリット】
・高速での搬送が可能
・4軸構成なので上下の剛性が高い
・操作がしやすい
・垂直多関節ロボットに比べ低コスト
・占領面積が小さい
【デメリット】
・垂直多関節ロボットに比べ自由度が低い
・高い精度要求には少し不向き
導入工程によっては、デメリットの影響を受けず使用することができるため、特定の条件下では非常に魅力的なタイプだと思います。
また、精度についても手作業と比較すると十分高い精度を持っています。
・パラレルリンクロボット
ゲンコツロボットとも呼ばれ、他の多関節ロボットの機構とは異なり、複数の関節で最終出力を制御しています。
軸数:4~6軸
【メリット】
・精度が高い
・慣性荷重を受けづらいため、高速で動作が可能
・操作がしやすい
・占領面積が小さい
【デメリット】
・自由度が低いため、汎用性が低い
・重量物の搬送、ハンドリングができない
・機構が複雑なため高コスト
高コストかつ、低自由度ということもあり、他のロボットと比較すると普及率は低くなってしまいますが、軽量物のピック&プレースは全タイプの中でも精度、速度ともにトップクラスです。
適切な工程に導入すれば、より大きな成果をあげてくれます。
・直交ロボット
他のロボットに比べ非常にシンプルな構造であるのが特徴であり、2~3の直交スライド軸で構成されてます。
軸数:4軸
【メリット】
・構造がシンプルなので設計しやすい
・ブレが少ないため、高精度
・低コスト
・操作がしやすい
・安全性が高い
【デメリット】
・自由度が低いため、汎用性が低い
・作業範囲に対して、設置範囲が大きい
他のロボットの自由度を補足するため、直交ロボットを組み合わせて導入する事例が多くみられます。
直交方向にしか動作しないため、事故の心配が少なく、比較的メンテナンス性も優れています。
まとめ
産業用ロボットは、主に製造業で使われますが、今後はサービス業や第一次産業や食品業界にも増えていくと見通されています。今とても伸びている業種であり、人手不足が進む中、ますます産業用ロボットの需要は増すばかりです。
溶接、組立、仕分けといったモノづくりだけでなく、運搬でも利用されており、もはや産業用ロボットなしの製造は考えられないでしょう。人間の仕事を奪うという意見もあるかもしれませんが、人はよりクリエイティブな仕事に従事すればよく、全体の生産性を高めていく方向にシフトすれば、問題ありません。
製造にはさまざまな作業が存在しますが、人間がひとりですべて対応するのは困難ですし、習熟に時間がかかります。しかしロボットであれば多く対応できるので、たくさんの現場で使われています。正確に、24時間フル稼働で、中には自分で自分の故障を検出できる産業用ロボットまで登場しています。
昨今は特にAIが進んでいますので、ますますロボットは進化しています。
・産業用ロボットのお問い合わせは製造DX.comまで
製造DX.comでは、今後も産業用ロボットにまつわるさまざまな情報を発信し、みなさまのお役に立ちます。
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