ロボット導入プロセスって決まってるの?標準プロセスRIPSとは?全体の流れを解説!

こんにちは!産業用ロボットの情報を発信しているROBoINです。[◎△◎]
今回は、ロボット導入プロセスについて説明していきます。
日本のロボットSierが共通認識として運用している標準プロセスのRIPS。導入する方々も今回の記事をご覧になって同じ認識を持つことでよりスマートな導入を実現することができると思います。
以前ざっくりと嚙み砕いてロボット導入の流れをお伝えしました。『 産業用ロボットの導入方法とは?流れを解説!』(内部リンク)
もくじ
RIPSとは?
“Robot system Integration Process Standard” (ロボットシステム インテグレーション 導入プロセス標準)
・ロボットSierが 最適な手順でシステム導入できる工程管理手法
・標準化することにより、作業の見える化、顧客との合意形成を行う
従来、ロボット導入するための標準的な構成プロセスを管理する手法が存在しませんでした。そのため、顧客との合意成形があいまいで、最終確認時等で認識の食い違いによって変更・追加改修などの手戻りが多々発生していました。
その原因としては、ロボットシステムは、自動車のように『本体にオプションモジュールを追加する』だけではなく、ワークを掴むハンドを始め、制御盤やカメラ、導入環境によってはコンベア等の周辺機器が必要であり、構成製品の多さが最も原因でした。
特に『省人化を図りたい』『生産効率を上げたい』等の 目的のみを持った導入経験が少ないエンドユーザー様に対し 、具体的にどのように解決すればよいかの 方策まで提示できていない ことが多々発生していました。
「ちゃんと3Dシミュレーションなどのイメージしやすいものも提示しながら管理しなきゃだめだね」となって、その提示スケジュール含めたものを明確にするため、RIPSが作られました。
なにができる?
主に以下のような内容となっています。
【RIPSでわかること】
・各作業工程の内容
・各作業工程の成果物
・役割分担
本来顧客と同意しておかなければならない事項が明確になっていないため確認漏れが発生し、食い違いが発生したと考え以上の内容構成になりました。
RIPSを活用することで各フェーズごとに確認作業を行い、以下のような作業状況や仕様内容について合意を得ながら作業を進行することができます。
・設計者、依頼者が共同でレビューをすることにより、構築するロボットシステムの共通認識を持つことができる
・仕様定義のタイミングで納入仕様を明確化することによりその後の設計も要件が的確に反映できる
・設計のタイミングで各テスト項目を定義することにより、昨日の考慮漏れや不整合など設計不具合を摘出できる
プロセス体系
具体的な内容は以下のように構成されています。
【工程の内容】
①引合
・商談から提案書(構想イメージ、概算見積もり)の提示※ 事前情報として、エンドユーザー様から要求仕様を提示いただく
②企画構想
・運用イメージ(業務要件、機能要件など)を明確にするとともに、見積仕様書を作成する※ このタイミングで秘密保持契約を行う
③仕様定義
・3Dデータを活用した具体的な運用イメージの提示や導入までのプロジェクト推進方法の検討を行う
④基本設計
・概念設計を行い、システム方針を明確にする。Sier側として最終確認事項を明確にする
⑤詳細設計
・基本設計の内容を深耕し、具体的な定義を行う。出荷前の最終確認事項を明確にする
⑥製造
・各製品の製造を行う
⑦出荷前テスト
・詳細設計で立案した連携動作の検証を行う。製造で単動テストを行ったものを組み合わせて、ユニットとしてのテストを行う。
⑧総合テスト
・実際に導入先に据付け調整したものを動作検証する
⑨ユーザーテスト
・本稼働前に、生産量を減らして実際に製造を行いながら動作確認をする
以上の内容をWモデル型プロセスで定義しています。
最後に
いかがだったでしょうか?
この記事を見て、さらに導入プロセスを具体的にイメージすることができたらうれしいです。
RIPSはロボットSier側が作成したものであって、エンドユーザー様から見るとわかりづらいと思われる点が多々あります。
「そもそも商談時に事前に用意する必要がある要求仕様書って?その内容は?」「フローはいいけど、具体的な導入時期はどうなの?」など、まだまだたくさんの疑問があるかと思います。
ROBoINで近日、導入フローを掲載し、より皆様の疑問を解消できるように強化してまいりますので今しばらくお待ちください。
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