今回は、世の中でもっとも流通量が多い食品や医療品、化粧品の業界で活躍するロボットの種類についてです。
食品・医薬品・化粧品という、いわゆる品がつく業界、産業のことを三品産業と呼ぶことがあります。
そこでは複雑だけど定型的な動きが多く、ロボットが大活躍できます。
そんなロボットが大活躍できる工程を2つ、さらに必ず知っておきたい情報をお伝えしています!
もくじ
仕分工程
・パラレルリンクロボットでピッキング
ピッキングに最適なロボットは、パラレルリンクロボットです。
パラレルリンクロボットのピッキング速度は”ロボット業界最速”といっても過言はないです。
箱詰めやパッキング工程で専用機を運用している現場では、前段階で綺麗に向きをそろえたり、整列が必要ですよね。
従来は、こうした整列などの仕分工程は、パートの方を中心とした、人が作業を担っていました。
しかし、今や人件費も高騰して人手不足により、工場には仕分けロボットを導入してピッキングすることも増えきました。
ビジョンセンサーが低価格化かつ高性能化したことで、精度の高いロボットが実現し、出荷前段階までロボットでできるようになっています。
パレタイズ(荷積み)工程
・パレタイジングロボットでパレタイズ
パレタイジングロボットはその名の通り、パレタイズに最適な性能を持っています。
軸が少ないため、剛性が高く、重量のあるものをしっかり持ち上げる頑丈なロボットです。
食品や医療品、化粧品の製造においては、自動車や機械とは異なり出荷量も膨大で荷積みもたくさん業務としてあると思います。
従来、パレタイズも人が行っていましたが、荷物が重く、腰も痛めたり、身体的な負荷が高い課題がありました。
重いものを規則的に積み上げるのは、ロボットがもっとも活躍できるところなので、産業用ロボットへの代替が最も効果的です。
人の作業をサポートする
・協働ロボットは人とロボットが助け合う
協働ロボットは安全柵が不要で、作業員がすぐ近くで一緒に作業できる強みがあります。
「作業が複雑で完全自動化は寧ろ非効率だ」といった方に非常におすすめできるロボットです。
上記の2つ、パラレルリンクロボットとパレタイジングロボットは、イメージのつきやすい産業用ロボットではないでしょうか。
一方、協働ロボットは、人と一緒に働き、現場作業をともに行えるロボットであり、安全性に注力したロボットであるといえます。
安全であり、柵も不要で、動きに異常があればすぐさま停止してくれるので、万が一接触があっても事故にはつながりません。
ロボット導入でネックな点が、設置範囲が大きいことと、従来のラインやレイアウトの変更が必要になることです。
協働ロボットは、『安全柵不要、隣で作業してもよい』といった点が非常に強く、従来のレイアウトから大幅な変更なく、作業の一部を自動化することができます。
人とロボットがサポートし合い、複雑な作業を簡略化することができ、初めてロボット導入する方には、半自動化はコスト面的にもハードルが低いといえます。
柔らかい素材を扱う
最近では、柔らかいワークも対応可能
近年、技術の進歩が著しく、例えば、中に液体が入ったパウチや、ちょっとした風圧で動いてしまう薄い紙なんかも正確につかみ取ることができるようになりました。
従来は柔らかい素材はロボットでの動きと合わず、苦手とする作業でしたが、オムレツを作るロボットや、ソースを生地に塗るロボットなど、最大限の衛生に配慮しながら、産業用ロボットの進化が起きています。
食品づくりは、人が複雑な動きをして調理していましたが、自動化を行っていけば、より生産性が高く、品質の高い作業が可能になるので、生産力の向上や品質の向上につながります。
ロボット市場では今、AIを搭載したビジョンカメラで熟練者の動きをトレースし、AIで解析して学習し、ロボットにティーチングして動きを再現する試みを行っています。
非常に難易度が高いですが、実現できれば普及はとてつもなく広がっていくでしょう。
まとめ
食品や医薬品、化粧品の業界は、暮らしを豊かにするために欠かせない業界です。
健康に関しての社会の視線は厳しく、国のガイドラインも守る必要があります。
そのため、従来はなかなかロボット化が進まなかったのですが、各ロボットメーカーの意欲的なチャレンジによって、導入も進んでいます。
産業用ロボットは、今も進化の途上にあり、今後、革新的進化により、各業界が劇的に変わるのではないかと考えています。
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