こんにちは。
ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
最近の課題はどうすればロボットをあなたのスマホと同じように身近な存在に感じて貰えるかということです。
製造業においては、工場自動化が大きな課題となっています。工場自動化ができるか否かで今後の業績を大きく左右することは間違いありません。工場自動化によって、多くの課題を解決できるのは確かです。
しかし、多くの課題が解決できることはわかっていても、なかなか工場自動化に踏み切れないという場合もあります。その理由は、現段階で工場自動化は完璧ではないから。実は、工場自動化はいくつかの大きな課題を抱えています。
そこで今回は、工場自動化によって解決できる課題を紹介し、更に工場自動化自体が抱える課題について詳しく解説していきましょう。
現段階で工場自動化が抱える問題は、今後の技術開発によって少しずつ解決されていくと思われます。しかし、あなたの職場では大きな問題にならない場合もあるので、ぜひ記事を読んであなたの職場に置き換えてメリットとデメリットを考えてみてください。
そして、そのうえでメリットの方が大きいと感じられたら、工場自動化を検討してみてはいかがでしょうか。
もくじ
工場自動化で解決できる6つの課題
工場自動化を導入することによって、現在製造業が抱えている多くの課題を解決することができます。主に考えられる課題としては、次の6つ。
- 生産性の向上(業績向上)
- 人手不足の解消(労働時間の短縮)
- 従事者の安全確保(危険な作業の削減)
- 生産品質向上
- 多品種対応(型替え時間の短縮)
- 多工程対応(専用機の削減)
これらの課題を解決するには、工場自動化が最適な手段です。特に生産性を向上させながら人手不足を解消させるという画期的な方法と言えます。従業員の労働時間が問題視される昨今では労働力の確保が大きな課題です。また、ロボットはプログラムによって今までは職人が行ってきた工程もカバーすることができるようになりました。その点でも大きなメリットと言えるでしょう。
上記6つの課題についての詳細は下記リンク記事を参考にしてください。
しかし、工場自動化には現段階のテクノロジーでは解決できない課題もあります。では、工場自動化が抱えている課題とはどのようなものでしょうか。
工場自動化で抱える4つの課題!
現段階での工場自動化にはいくつかの課題を抱えています。その中でも大きな課題は次の4点です。
- 導入コストが掛かる
- 故障するリスクがある
- 優秀な人材が必要になる
- 自動化できない作業がある
これらの課題は、今後テクノロジーの進化することによって少しずつ解決していくでしょう。たとえば導入コストや故障リスクなどは数年前と比較すると格段に良くなっています。加工技術や各種ユニットの機能向上によって、今後も改善されていくことは確かです。
それでは、上記4点の課題についてもう少し詳しく見ていきましょう。
工場自動化が抱える導入コストの課題!ロボット以外の費用も必要?
工場自動化の最も大きな課題は導入コストです。実際に工場自動化を検討頂いているお客様でも、導入コストという点で二の足を踏んでいるという印象を強く受けます。導入コストとしては、主に次の3つが挙げられます。
- 産業用ロボット
- 付帯設備(ライン毎)
- 技術者の雇用と育成
工場自動化の中で最も肝となる部分が産業用ロボットの導入でしょう。産業用ロボットは年々機能は向上し、価格についても少しずつ安くなってきているという印象を受けます。しかし、やはり高額であることには間違いありません。
また、工場自動化は産業用ロボットを1台設置すれば完了というわけではなく、付帯設備の設置が必須となります。ロボットのツール(手首より先の部分)に関しては既に様々な物があるので、ある程度は汎用的な部品で対応することが可能です。しかし、付帯設備に関してはライン毎に設計しなければなりません。
ライン毎に独自の設備を設計・制作する必要があるので、どうしても導入コストが大きくなります。また、その際には安全面の確保という点でもコストを見ておかなければなりません。
更に、後述しますが工場自動化を導入するには技術者の雇用と育成も必要となります。その点でも導入コストが必要となるので注意してください。
工場自動化に掛かるコストは産業用ロボットの購入価格やセッティングがメインですが、その他の費用も必要になるという点が重要です。最も大きな課題となるので、導入の際にはよく検討してください。
導入コストに関する詳細は下記リンク記事に記載しています。
しかし、それぞれの設備は導入後にそのまま永久に使用できるというわけではありません。どうしても故障というリスクがあります。
工場自動化における故障という課題!リスクへの対策も必要!
工場自動化には故障リスクも伴います。したがって、正常状態を保つには維持費が掛かるということも大きな課題といえるでしょう。目標はやはりメンテナンスフリーの自動化ラインです。しかし、日々の定期的なメンテナンスをしっかりしていても、機械なので必ず故障することになります。
考えられる故障・メンテナンス内容としては次のようなものがあります。
- 設備・パーツの経年劣化
- 各種配線部分の断線
- 制御装置(サーボ)のエラー
- グリスアップ
- バッテリー交換
特に予測していないような故障が起こる可能性もあるので、メーカーの対応などによっても復旧までに時間が掛かるかもしれません。場合によっては数日間ラインが停止することも。つまり、故障リスクは日々の生産に追われている工場にとっては大きな課題と言えます。
日常のメンテナンスを丁寧に行い、なるべく故障を未然に防ぐことが重要です。メンテナンスに関しては下記リンク記事にて詳しく記載していますので、参考にしてください。
メンテナンスを行うにあたり、メンテナンスができる人材も必要となります。
工場自動化には優秀な人材確保の課題も!
工場自動化を推進するには、生産ラインを把握している人材が必要です。特に前述したようにメンテナンスは非常に重要な課題となっているために怠ることはできません。
しかも、工場自動化にあたり産業用ロボットを導入するケースでは、ロボットのティーチング作業が必要となります。ティーチング作業は、ロボットの動作ポイントや姿勢の向きなどを指定したり、直線動作や各軸動作などの動作条件についても理解しておかなければなりません。
したがって、機械的な分野と電気的な分野の両方にある程度精通している優秀な人材を確保するという課題を抱えることに。解決方法としては、外部からの人材確保の他に社内の人材を育成する方法もあります。
ロボットのティーチング作業に関してはこちらの記事も参考にしてください。
しかし、優秀な人材が確保できたとしても、どうしても自動化できない作業が残る可能性もあります。
現在の工場自動化では自動化できない作業もあるのが課題
工場自動化では、完全自動化を目指すのが当然です。しかし、現状では完全自動化は難しい課題となっています。現状で最も自動化できていない部分は生産ラインの監視です。しかし、監視ということに関しては近年の「見える化」によって大きく前進してきました。
確かに、ラインの監視自体は数値で見ることができるようになり、人の介在が減ってきています。しかし、最終的にメンテナンスを行うのは人であり、その部分に関してはまだまだ課題が山積みと言えるでしょう。
また、従来の職人の技と言われるような分野に関しても自動化が難しい部分が残っています。ロボットが高機能になり、徐々にできないこと自体が無くなりつつありますが、対象物によっては自動化できないことがあるのも事実です。
特に検査工程に関しては、以下のような課題が残されています。
- 検査の対象物に対するカスタマイズが困難
- 多品種少量生産への対応が困難
- 検査精度が未熟な場合がある
今後、AIの発達により、検査工程に関しても自動化が進められる可能性もありますが、現状では自動化が難しいという状況です。検査工程に関しては別記事にて詳しく記載しています。詳細は下記リンク記事を参考にしてください。
最後に
今回は工場自動化が抱える課題ということについて詳しく解説しました。
製造工場が抱える課題を解決するための方法として、工場自動化は最適な方法です。しかし、現状の工場自動化には、それ自体にも課題が残っています。主に次の4点でした。
- 導入コストが掛かる
- 故障するリスクがある
- 優秀な人材が必要になる
- 自動化できない作業がある
導入コストに関しては、省人化などを推進することを考えるとメリットの方が大きいと言えます。しかし、工場自動化を導入しても、最終的には人の介在が必要なのは大きな課題。つまり、今後テクノロジーが大きく進化しなければ、完全自動化は難しいというのが現状です。
工場の完全自動化というのは今後の大きな課題であることは間違いありませんが、ある程度の工場自動化はメリットが多いことも間違いありません。ぜひ、生産ラインの課題を一つ一つ解決していくためにも工場自動化をご検討して頂ければ幸いです。
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