こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
最近、「協働ロボットの人気がうなぎ登りらしい」と聞いたのですが・・・
ロボイヌの人気がうなぎ登りになるのはいつですか?
協働ロボットには、必要とされる理由があります。
ロボイヌには必要とされる理由が・・・見当たらないかも。
2013年12月のロボットに関する安全基準の規制緩和以降、協働ロボットを導入する製造業や運送業が増えています。正に協働ロボットの人気がうなぎ登りと言っても良いでしょう。しかし、どうして協働ロボットが必要とされているのでしょうか?その背景について考えてみましょう。
そこで本記事では、次の2点について詳しく解説しました。
- なぜ協働ロボットが必要とされているのか
- 協働ロボットの活用が期待される用途
上記の2点が理解できると、今抱えている課題解決のヒントにもなるかもしれません。もし、何らかの課題を抱えているということであれば、ぜひこの記事を最後まで御覧ください。
もくじ
協働ロボットが必要とされる背景!少子高齢化が最大の要因?
冒頭でも述べましたが、協働ロボットの導入は年々増えているという印象を受けます。当然、協働ロボットが必要とされているから導入が増えているのですが、それはどうしてでしょうか?
協働ロボットが必要とされる背景としては、下記のような点が考えられます。
- 少子高齢化と人手不足
- 安全性の確保
- 導入費用の安さ
- 多品種少量生産・変種変量生産
- 人と同じ作業ができる手(繊細に物を把持できる)
- ロボットの小型軽量化が必要
それでは、それぞれについてもう少し詳しく解説しましょう。
少子高齢化と人手不足で協働ロボットの需要拡大!
現在、製造業のみならず様々な業界で人手不足となっています。人手不足をどのように補い、生産性を高めるのかという課題に対する一つの答えが協働ロボットの導入でしょう。
人手不足の最も大きな原因は生産年齢人口の減少です。上のグラフを参照してください。このグラフは2019年までの人口の推移を表しています。グラフでは15歳から64歳の人口が1995年頃をピークにして緩やかに減少していることがわかるでしょう。
グラフを見ると2020年以降についてもある程度予測できますが、残念ながら労働人口は減少し続けます。つまり、今後ますます人手不足となることは間違いありません。
また、製造業と言えば3Kのイメージが強く、そのイメージが雇用の妨げとなっているのも事実です。3Kとは「汚い」「きつい」「危険」の3つを指します。3Kのイメージがある為、求人募集をしても反応が悪くなかなか良い人材を確保できない状況です。
また、イメージだけではなく、実際の作業が3Kそのものということも少なくありません。せっかく確保できた人材も仕事がきつければ、離職率が高くなってしまいます。
しかし、「汚い」「きつい」「危険」という作業をロボットに任せることができれば、作業環境は劇的に改善可能。そして、その為に利用できるのが協働ロボットです。
つまり、人手不足の解消には協働ロボットの導入が必要不可欠と言えます。
協働ロボットは安全面と導入費のメリットが大きい
協働ロボットが必要とされる背景として、安全面と費用面でのメリットが考えられます。
従来の産業用ロボットは、安全確保のために安全柵が必要でした。安全柵を作るには、必要以上の設置面積が必要となります。したがって、産業ロボットにおける安全確保はロボット導入の大きな障壁となっていたことは間違いありません。
しかし、協働ロボットは安全確保が比較的容易であり、小さな面積があれば設置も可能です。協働ロボットの安全基準に関しては、別記事にて詳しく解説しています。詳細は下記をご覧ください。
>>産業用ロボットと協働ロボットの違い!安全基準の緩和で導入増加
人と一緒に安全な作業ができるのが協働ロボット。その安全性能は過度な力が加わらない構造になっているなど様々な工夫がされています。安全基準の緩和と安全技術の向上により、今後は更に安全なロボットとなっていくでしょう。
また、安全面だけでなく費用面においても協働ロボットはメリットがあります。
協働ロボットは安全性に優れ、導入費用を抑えられるということで、導入する企業がますます増加中です。しかし、それだけではありません。生産性という点においても大きなメリットがあります。
協働ロボットは多品種少量生産・変種変量生産に必要
近年の製造業界では多品種少量生産に加え、変種変量生産が主流となってきています。しかし、多品種少量生産・変種変量生産には従来の産業用ロボットでは対応ができません。
そこで必要とされるのが、様々なシーンに柔軟な対応ができる協働ロボットです。
前述した通り、協働ロボットは安全対策が簡単という特徴があります。つまり、安全柵が不要なので、レイアウト変更も難しくありません。
したがって、下記のような問題を抱えている生産ラインにおいては協働ロボットの利用が最適でしょう。
- 工場のレイアウトが頻繁に変わる
- 生産数の変動が大きい
近年の製造業界の変化に対応しなければならないということで、協働ロボットが必要とされています。
人と同じ繊細な作業を必要とするなら協働ロボット!
製造業においては、繊細な作業を必要とする工程も多々あります。しかし、従来の産業用ロボットは人と同じような繊細な動きが苦手でした。そこで必要とされるようになったのが、繊細な作業ができる協働ロボットです。
人の手は五感を使った繊細な動きができます。たとえば柔らかいものを掴んだり、滑りやすいものを掴んだりといった作業も簡単にできるでしょう。そして、これらの作業を高い精度で可能にしたのが、協働ロボットです。
協働ロボットはロボットハンド(エンドエフェクタとも呼ばれる)の素材や形状、関節などに様々な工夫を凝らして製造されています。
また、協働ロボットの制御には精密動作が可能なサーボモーターや画像センサ、力覚センサなどを駆使。これにより熟練者の精密作業を再現することも可能です。
製造業においては、熟練者の技術が継承されないことが大きな問題となっています。その問題に一石を投じるのが、協働ロボットと言えるでしょう。
小型軽量化が必要なら協働ロボットを!
協働ロボットは人と一緒に作業をすることが前提となります。したがって、人の配置に合わせてロボットのレイアウトを変更しなければなりません。
また、レイアウト変更を考慮すると、設置場所や設置面積が問題となります。小型のロボットが必要される現場において、協働ロボットは最適と言えるでしょう。
たとえばデンソーウェーブの「COBOTTA」。アームを折りたためばA4サイズくらいの大きさになります。重量に関しても女性が一人で簡単に持ち上げられる程度。詳しくは下の動画をご覧ください。
工程の作業内容によっても異なりますが、協働ロボットはかなり小型化してきているのでレイアウトや設置が簡単です。
ところで、協働ロボットはどのような用途で使われることが多いのでしょう?
幅広い用途に対応できる協働ロボット
協働ロボットの導入が進んでいる背景には、用途が幅広いという点も挙げられます。協働ロボットが良く活用されている例は下記のような用途です。
- ハンドリング
- 組み立て工程
- 検査工程
- その他
上記の例はほんの一例。今後、協働ロボットの利用が増えると共に、様々な用途で使われることになることが予測されます。
協働ロボットは前述したように比較的小型のものが活用されるケースが多く、ワークについても小さく軽いものが主です。
また、分野としては自動車部品や電子部品などが多くなっていますが、化学薬品や食品加工などの分野でも活躍しています。たとえば下記は弁当に唐揚げやプチトマトなどの食材を詰めるという作業を協働ロボットが行っている動画です。
上の動画のように、協働ロボットを導入することで人材の足りないところを補うことが可能です。つまり、業種や工程はほとんど関係なく、どのような仕事にも応用できるでしょう。よって、今後ますます様々な分野、様々な用途で使用されることは間違いありません。
最後に
本記事では近年、急激に導入が増えてきた協働ロボットについて解説しました。記事内で取り上げたのは、協働ロボットが必要とされる背景と協働ロボットの用途について。もう一度記事を振り返ってみましょう。
従来の産業用ロボットはロボットの動作が主となり、人はロボットの補助をするというイメージでした。しかし、協働ロボットの場合は逆になります。つまり、人が主となり、協働ロボットが人の動作に合わせて動くというものです。
協働ロボットが必要とされる背景としては、下記のような要因が考えられます。
- 少子高齢化と人手不足
- 安全性の確保
- 導入費用の安さ
- 多品種少量生産・変種変量生産
- 人と同じ作業ができる手(繊細に物を把持できる)
- ロボットの小型軽量化が必要
特に大きな要因としては人手不足解消です。また、安全基準の緩和や導入費用の安さなどの要因も重なり、協働ロボットを導入する企業が増えました。つまり、手軽に安全に導入できる、丁度良いロボットが協働ロボット。
また、協働ロボットの用途は幅が広く、下記はほんの一例です。
- ハンドリング
- 組み立て工程
- 検査工程
- その他
協働ロボットは人材不足を補う用途で利用されます。つまり、どのような工程、どのような作業であっても協働ロボットで補うことが可能です。したがって、今後は協働ロボットの活躍する分野がますます増えるでしょう。
もし、御社の製造ラインで何らかの問題がある場合、協働ロボットによって解決できるかもしれません。
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