ロボットは壊れやすい? メンテナンスの必要性と確認事項を解説

ロボットは壊れやすい? メンテナンスの必要性と確認事項を解説
banner_01

産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです [◎△◎]

今回は、産業用ロボットのメンテナンスの必要性について解説していきたいと思います。丁寧に扱っているつもりでも、機械なのでどうしても経年劣化は起こります。ただ単に掃除を行って長持ちさせるだけでなく、定期的なメンテナンスを行うことが、未然に事故を防止することに繋がります。工場の安全・保全を担保するためにもロボットのメンテナンスは必須だと言えるでしょう。

メンテナンスが必要な理由

そもそも何故ロボットにはメンテナンスが必要なのかを考えてみましょう。メンテナンスを行うにあたり、その必要性をしっかりと理解しているのとしていないのでは、大きく意味が違ってきます。ここではメンテナンスが必要な理由をいくつか紹介します。

労働安全衛生法により義務化されている

そもそもロボットのメンテナンスというのは、労働安全衛生法第28条第1項の観点から法律で義務化されています。産業用ロボットを稼働させる以上は、例外なくこの義務を遵守する必要があるのです。

従業員の安全を守る

産業用ロボットによる事故は、1度でも起これば致命的なものになりやすく、そのため従業員の安全を確保するうえでロボットのメンテナンスは欠かせません。日々のメンテナンスをしっかりと行うことで、従業員が安心して働ける環境を維持することに繋がるのです。

ロボットの状態を把握する

機械である以上は、必ず故障は起こるもの。日頃からメンテナンスを行うことで、いざ故障したときに原因を特定しやすくなります。また、故障内容によっては事前に予兆を検知することもできますので、メンテナンスを通して日頃からロボットの状態を把握しておくことはとても重要になります。

制御装置(サーボ)のエラーが起きる

何度も同じ動作を繰り返す産業用ロボットは、どんどんサーボに摩耗が発生してしまいます。モーターに負荷がかかりすぎて、熱を放ち、同時に速度が下がって、決められた動作からずれてしまう場合もあります。サーボエラーは、メンテナンス不良によって起こりますが、逆に言うとメンテナンスすることで早期にも発見できます。

高速の繰り返し動作によって性能が低下して、位置ずれを起こすようになると、不良のサインです。早く見つけないと、生産ラインの異常率が大きくなってしまいます。

断線

産業用ロボットは有線のロボットなので、ケーブルが付いています。そのケーブルが断線することで、切れて通信できなくなり、故障の原因となってしまいます。そんなに切れやすいケーブルではないのですが、衝撃が与えられたり、負荷が強かったり、引きずられたりすると、いっきに断線してしまいます。

断線すると、工場の生産ラインが止まってしまい、生産も出荷もできなくなります。そうなると売り上げが止まって、会社の経営に大ダメージです。また、事故の元ですし、火災が起きてしまう可能性もあります。工場での火災は最も恐ろしいものなので、断線は起こらないよう銅線内部の状態にも気を付けなければなりません。

ロボットアームの経年劣化

ロボットアームは長年使うことで内部のギアが摩耗して、経年劣化が起きます。グリースを塗っていますが、ちょっとずつ乾燥したり、熱で劣化したりすると、摩耗はますます起こりやすくなります。ロボットアームの部分は特に劣化しやすく、大きな音が出るようになったり、作業ができなくなったり、製品を傷めてしまったりと、品質や環境面で弊害がでます。

メンテナンスは絶対に行いましょう

労働安全衛生の観点からも、メンテナンスは絶対に実施する必要があります。法律でも定められていますし、事故や火災を防ぐためにも、メンテナンスは必須です。始業前点検、法定点検をきちんとクリアし、ルーティンでこなす感覚でやらないようにしなければなりません。

<メンテナンスの間隔>

●毎朝、始業前に実施

●毎晩、終業後に実施

●週末に実施

●月末に実施

●半年に一度実施

があります。メンテナンスはやってやりすぎることはありませんので、安全性を入念にチェックしていく必要があります。

<チェック事項>

●ボルトのゆるみ

●異常音

●作業の位置ずれ

など、基本的な部分をチェックします。

<メンテナンスの範囲>

●マニピュレーターの動作

●非常装置

●アームのボルト

●電源の異常と振動

●ファンの回転

●グリース漏れ

1か所でも、点検時に何か異常を感じるのであれば、すぐさま全工程をストップしてメンテナンスしなければなりません。産業用ロボットが事故を起こすと、起きる被害が甚大ですので、ちょっとした異常でも無視しない方が無難です。

毎日、日々小さく点検して、小さな異音・異常をみのがさず、少しずつ補修していきましょう。手間がかかって面倒かもしれませんが、産業用ロボットで手間を惜しむと、結果として大きな事故が起きてしまいます。

点検は、専門業者にも依頼を!

そして、メンテナンスをする際に、本体、パーツ、アームを点検し、アームの部分は自分たちでもグリースや摩耗をチェックできますが、本体やパーツは精密機器ですので、専門家に依頼するのが一番です。

製作を依頼したロボットメーカー、ロボットSIerに依頼して、半年に一度はオーバーホールしてもらいましょう。毎日、メーカーを呼ぶ必要はないですが、産業用ロボットの導入時に、点検の頻度をメーカー側と話し合っておくのがいいでしょう。

最後に

メンテナンスは、日常の一環でありながら、緊張感を持って取り組む必要がある業務です。ルーティンにならないようにしながら、非常停止できるか、ボルトのゆるみはないか、電源オンの後の異常音、異常振動、そして回転やグリースに異常がないか、チェックしていきます。

無料で、有料級の限定コンテンツを配信中!
メールマガジン「製造DX.com-Plus」の登録はこちらから

製造DX.comでは、製造現場の生産性向上に役立つ先進的な情報を発信するメールマガジン「製造DX.com-Plus」を配信しています。メールマガジン読者限定の情報を配信しておりますので、ぜひご登録ください!

運営会社について

製造DX.comを運営する株式会社ファースト・オートメーションは製造業に特化した生成AI「SPESILL(スペシル)」を提供しています。製造DX.comでは生成AIに関する研究開発の成果を投稿しています。

banner_01
記事一覧
広告

関連記事

の最新情報をお届け

厳選した記事を定期配信
キャンペーン情報などをいち早く確認