【ロボット導入事例】ワークの着脱をロボット化することで24時間無人運転可能に
- #垂直多関節ロボット
製造DX.comでは工場自動化の事例を紹介しております。参考資料は経済産業省が展開しているロボット事例となりますが、見やすく、わかりやすく、をモットーに初めての方でも問題なくご覧いただける記事制作を行っております。
もくじ
裁断数量が増えたことにより、人手によるピックアップ作業に限界がきていた
今回の事例のエンドユーザー様は、事業の1つとして偏光フィルムを取り扱っていました。偏光フィルムとは、特定の方向や特定の波長の光だけを通過させるフィルムです。テレビから携帯電話まで幅広く使われていて、最近では、スマートフォンの需要が高まっていることもあり、小型サイズのフィルムの加工が増えていました。
ロール形態で受入れた1枚の大きなフィルムから『大型フィルムの断裁』、『小型フィルムの断裁』を2つを比較すると『小型フィルムの断裁』のほうがより細かく裁断されるため、時間当たりの断裁数量が増えることが容易に想像できるかと思います。裁断数量が増えたことにより、エンドユーザー様は人手によるピックアップ作業に限界であると判断し、ロボット導入を検討しました。
パラレルリンクロボットはUFOキャッチャーのアームのような形状をしており、各関節がハンド部1点に収束しており、一見1つのものしか掴めないと思われがちですが、条件によってはハンド設計により解消することが可能です。今回は、対象ワークがスマホサイズの偏光フィルムだったため、専用アームの設計により、4枚同時に搬送できるようになりました。これにより、導入コストを格段に削減することを実現しました。
本案件は、弊社が設計したものではないため、具体的な導入費用を掲載することができませんが、効果などとしては下記のようになっています。
今回の場合、前述のシステムを2基導入しているので、実際は倍の効果実績を得られています。
また、カメラによる識別により、傷があるフィルム等の不良品の後工程への流出がなくなったことも大きな効果となりました。
※参考動画は本案件のロボットシステムではありません
いかがだったでしょうか?パラレルリンクロボットは、他のロボットと比較すると高価なため、上手く運用しなければ投資回収に長い年月を費やすこととなります。生産数変わらず、人の代替をするだけという意味でロボットを導入するのであればもっと適したロボットタイプがあるかもしれません。しかし、みなさんも生産効率を上げたいと考えていることと思います。
パラレルリンクロボットは、他のロボットタイプとくらべ、速度が速く、精度が高いのがメリットです。更には、今回の事例のように対象ワークによっては、ハンドを工夫することで、複数同時に搬送することができますそのため、パラレルリンクロボットの長所を最大限に活かすことができます。せっかくロボットを導入するのですから、ぜひ向かい入れるロボットの力をフルパワーで発揮して、大きな成果を得られるようしっかりと導入検討をしていきましょう。
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