今話題の配膳ロボットについて徹底解説!導入するメリット・デメリット、導入事例、主要メーカーなどを紹介
- #配膳ロボット
こんにちは!産業用ロボットの情報を発信する製造DX.comです![◎△◎]
搬送作業やパレタイズはロボットに代替したほうが良い、と聞いたことありませんか?でも基準ってなんでしょうね・・・。「自動化自動化って言うけど、うちの作業員は体力あるし大丈夫だぞ!」「だれも辛いって言ってないし、離職率も低いしなぁ・・・」実際に作業をしていない管理者の方でも1つの指標として今回お話する情報を頭の片隅に置いていただけると幸いです。
もくじ
人力のみにより取り扱う場合の重量は、当該労働者の体重のおおむね40%以下
上記は厚生労働省より記載されている文章です。
意外と具体的な数字があるんですね!
この数字を使って計算すると、体重70kgの人が扱える重量は・・・
70(体重) * 0.4(係数) = 28(取扱可能重量)
体重70kgの作業者であれば28kgまで一人で扱って良いようです。ただし、上記計算は最大重量55kgまで、成人男性対してのみ適応可能な計算のようです。つまり、体重138kgの40%は55.2kgとなりますが、55kgまで、それ以上の体重の方も勿論、55kgまでの取り扱いとなります。
女子労働者では、さらに“男性が取り扱うことのできる重量”の60%位までとすること
更に上記のようなルールもありました。原文ママですが、これはつまり、『体重*0.4*0.6』ということを意味しているようです・・・。例えば、体重55kgの女性の場合は・・・
55(体重) * 0.4(係数)* 0.6(係数) = 16.8(取扱可能重量)
体重55kgの女性の場合は、16.8kgまで一人で取扱うことができるようです。とはいえ、男性の場合も女性の場合もどんな体勢でどのくらいの大きさのものをどのように持つのか、また作業時間にもよって辛さは変わってくるので一概に上記の計算で判断するのはあまりふさわしくないともいえます。
実際、28kgのものを運ぶのってとても大変ではないですか?取っ手の付いた持ちやすいものならまだ問題ないですが、製品なので搬送のことを100%考慮した形状にはできないかと思います。例えば、太陽光パネル。最近では、発電容量も大きくなり1枚20kg程度のものがあります。しかし、大きさは1800×800[mm2]にもなり、人より大きいです。体勢も勿論悪くなってしまいます。
ということで、実際に少し計算をしてみましょう!
まず、腰で身体を支える部分は脊柱(せきちゅう)のみで、脊柱は身体の中心軸よりずいぶん後ろにあるようです。人間の身体を横から見るとわかる通り、S字に湾曲していますよね、湾曲することにより腹部の重量を支えています。体重70kgの男性が、前かがみになりながら20kgの荷物を持ち上げると仮定します。また、わかりやすいように男性の体重の1/2(35kg)が上半身の重さだと仮定しましょう。そして、てこの原理と仮定して、大まかに腰への負担荷重を出す式*1があったのでそれに基づいて進めていきます。
*1:てこの原理の式より『Fm(腰への荷重)[kg]x5[cm] = (上半身の重さ+荷物の重さ)[kg]x手から腰の距離[cm]
Fm側に『x5[cm]』されているのは、身体の構造上、支点が身体の重心の5cm後方にあるためのようです。
前かがみでものを持つと重心は前方に移動し、支点(腰の脊柱)からの位置は離れていきます。
支点から重心点の距離が例えば30cmしましょう。このとき、上半身の重さ35kgと荷物の重さ20kg、合わせて55(35+20)kgとすると、以下のような式になります。
Fm(腰への荷重)[kg]x5[cm]= 55[kg] x 30[cm] = 330kg
以上の式から、体重70kgの人が前かがみになりながら20kgの重さの荷物を持つと、腰への荷重はおよそ330kgにもなります。一概にこの計算式が正しいとは、言えないですが、式の成り立ちを見てもそこまで間違っている答えではないと思います。
正直に申しますと、人体は専門ではないので正確なことはいえません!!
ですが、私なりの解釈と一般的な数値をもってお話をしていきます。
まず、一般的には、男性は20kg,女性は12kg、とされているようです。
前述で体重70kgの男性が20kgの重さの荷物を持つと『大体330kgくらいの荷重』が腰にかかるという結果が出てきましたね。一般的に椎骨や脊椎骨にある、椎体と呼ばれる部分の耐荷重は健康な人の場合で600kg程度になるそうです。この600kgを正とするのであれば、
安全率=600[kg] / 330[kg] = 1.8
ということになります。安全率1.8であれば、一般的な製品の長期保証が担保できるレベルだと思います。
しかし、人の身体にこの数値をあてはめるのは非常に危険です。人の身体は自由度が高く、均一に力が加わるとは限りません。少し、身体の向きを変えながら荷物を持てば、ねじれによる荷重になったり、荷物の位置関係によって荷重が上振れすることもあります。また、金属や構造用素材のように何十万回もの繰り返し荷重に耐えることはできません。
横になったり、もたれかかることができる環境があれば◎
腰への負担は想像以上に大きいものです。例えば、直立時の腰への負担を100%とすると、前屈して荷物を取るときは200%以上、荷物を取る椅子に座っているときは140%以上にもなります。つまり、休憩で椅子に座ってもらっても腰へのダメージは蓄積し続けるということになります。
結果として、寝転がることのできる環境であれば回復することはできますが、できない場合は、腰への負担は1日中蓄積され続けるということになります。
いかがだったでしょうか?力自慢のあの人も、もしかしたら無理をしているのかもしれませんね・・・。作業員の健康は第一です。力仕事は健康維持が難しく、労働災害にもつながる可能性もあります。
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