【ロボット導入事例】精度を上げて製品ロス0を目指す、箱詰作業を自動化
- #垂直多関節ロボット
製造DX.comでは工場自動化の事例を紹介しております。参考資料は経済産業省が展開しているロボット事例となりますが、見やすく、わかりやすく、をモットーに初めての方でも問題なくご覧いただける記事制作を行っております。
もくじ
製品数の多さゆえに箱詰めやパレット積みのパターンも多く自動化が困難だった
今回の事例のエンドユーザー様は、事業の1つとして精肉の製造を行っていました。お肉の解体から成型、冷凍、軽量、パック詰め、箱詰め、出荷、これらの全工程を人手により作業を行っており、1製品(1ライン)に対して、30人の作業員を配置していました。上流工程である、解体や成型工程は、非常に複雑な作業かつ、ノウハウが必要な工程だったため、自動化は断念。
しかし、下流工程の箱詰め、パレット積みは自動化の可能性が大いに期待できたため、検討を始めました。今回の工程で一番困難に思われていたポイントは製品数の多さでした。製品数が多いということは、箱詰めやパレット積みのパターンも多くなってしまいます。検討が付かない中、ロボットSIerにご相談。その結果、同様な事例があったため、検討を進めました。
今回の事例の場合は、対象が多品目だったため、パレットチェンジャの導入が必要不可欠でした。パレットチェンジャとはロボットやセンサから信号が送られてきた際、適したパレットを引き当てることができる機器です。今回のシステムの流れは、以下のようになります。
多品目のため、ピッキング時、ビジョンセンサ(画像処理カメラ)で識別し、適切な段ボールの自動送りや、ロボットの制御をすることで34種類16パターンに多品目に対応することが実現しました。
本案件は、弊社が設計したものではないため、具体的な導入費用を掲載することができませんが、効果などとしては下記のようになっています。
大きなロボットシステムではありますが、作業員の削減数が大きく、投資回収も非常に速い内容となりました。
※参考動画は本案件のロボットシステムではありません
ロボットSIerにご依頼する場合、注意していただきたいのが、納期です。勿論、設計の工数やティーチング作業の工数はロボットSIerが管理しているため、短納期交渉は可能です。しかし、ロボット製造に関しては、基本的にメーカーが一律で製造納期を管理しています。
今回の事例の場合、ロボットSIerが納期ベースで検討を進め、普段扱っているロボットメーカーとは別のメーカーのロボットを選定しました。「間に合ったならいいじゃん!」と思うかもしれませんが、決してそういうわけではなく、普段扱っているロボットで100%の力を発揮できるところに対し、普段とは別のロボットになってしまうと、大きさも違いますし、細かな調整も難しくなってしまいます。
「近々人が抜けてしまう」「組織編成が変わってしまう」等、急遽導入をご検討することもあるかと思いますが、余裕を持った納期でロボットSIerの力を最大限に発揮してもらい、お互い心地よくお取引することが大切です。
自動化を行うにあたって知っておくべき事項をまとめた「工場自動化ガイド」を作成しました。これから自動化を行っていきたいと考えている企業様は是非参考にしてみてください。
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