【ロボット導入事例】OEM生産の多品種な段ボールに対応するパレタイズシステム
- #パレタイズロボット
製造DX.comでは工場自動化の事例を紹介しております。参考資料は経済産業省が展開しているロボット事例となりますが、見やすく、わかりやすく、をモットーに初めての方でも問題なくご覧いただける記事制作を行っております。
もくじ
ガン加圧が1トン以上であり、既存のロボットがその圧力に耐えられなかった
今回のエンドユーザー様は鉄道車両用の床板部品の製造を行っていました。鉄道車両用とのこともあり、大変大きな製品を扱っていました。そのため、大型の専用機を開発・導入し、ワンサイドスポット溶接法で製造を行ってました。通常のスポット溶接の場合、母材を上下から押さえつけ電流を流し接合します。しかし、ワンサイドスポット溶接はその名の通り片側から押さえつけ溶接する溶接方法です。ロボットが導入されなかった理由としては、ワンサイドスポット溶接で必要なガン加圧が1トン以上であり、既存のロボットがその圧力に耐えられなかったためでした。しかし、従来の製造方法のままでは、大規模なスペースと多額のコストが必要となるため、将来のことを考え、自動化を検討しました。
今回200kg可搬のロボットで門型とサーボガンを制御することにより、加圧力1トンを実現することができました。従来の大型装置が大型になっていた要因として、母材である、大きな床板をハンドリングして、溶接点を固定されているスポットガンへ移動させていました。そのため、大きな母材のがハンドリング中に回転することもあり、広いスペースを必要としていました。ロボットを導入することにより、スライダーを用いて、前後左右上下、全ての方向へアームが移動できるようになり、スポット点へはロボットが移動して向かう仕様になり、スペースを大幅に削減することができました。
本案件は、弊社が設計したものではないため、具体的な導入費用を掲載することができませんが、効果などとしては下記のようになっています。
自動化することにより不良率も従来の1/10まで削減することができました。
※参考動画は本案件のロボットシステムではありません
最近では、溶接作業を自動化している工場が多く、多品種少量生産の場合でも自動化しています。溶接工程のほとんどが定型的な溶接条件を設けており、自社生産でもOEMやODMの場合でも、同様な条件を設けています。そのため、溶接作業そのものが定型化しています。定型作業に落とし込むことができている工程については、ロボットへの代替が非常にしやすく、品質向上も図ることができます。
エクセルシートに任意の溶接点の座標を複数入力することで、ティーチングレスで操作することができるシステムも開発されました。今回の事例の場合、スポット溶接でしたが、アーク溶接やガス溶接が行えるロボットを取り扱っている大手ロボットメーカーも存在します。ぜひ、一度ご覧ください。
自動化を行うにあたって知っておくべき事項をまとめた「工場自動化ガイド」を作成しました。これから自動化を行っていきたいと考えている企業様は是非参考にしてみてください。
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