ロボット導入における3種類の仕様書作成!参考例でラクラク完成!
- #仕様書
こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
近頃は色んなところでAIという言葉を耳にするようになりました。製造DX.comは仕事柄、かなり前からAIについての知識はあったのですが、そんな私でもここ数年のAIの進化には驚かされています。もしかするとあなたも、『AIが更に進化して人間の仕事が無くなっていく』という話を何度も聞いて不安に感じているかもしれませんね。
しかし、今のところ、人間のできる仕事とAIのできる仕事はくっきり別れてきてるような印象です。したがって、AIが目にも留まらぬ速さで進化したとしても、人間の仕事が無くなるということはないでしょう。ただし、AIの発展は製造工場に大きな影響を与えています。今後はAIによって工場内での人の働き方も、ますます変化していくでしょう。
そこで今回は、AIを駆使した工場自動化の本質とは何かということについて考えてみたいと思います。この記事では、まずAIとはどのようなものかという基本的な部分をおさらいし、更に工場自動化にどのような影響があるのかという点について詳しく解説していきましょう。
工場自動化とAIは切っても切れない関係です。AIなんて関係ないと思わず、この機会に考えてみてはいかがでしょうか。きっと近い将来、あなたの職場でもAIが大活躍することになります。その時のためにも、ぜひ記事を最後まで御覧ください。
もくじ
今更説明するまでもないかもしれませんが、AIとは人工知能のことです。英語では「Artificial Intelligence」と表します。
まずはAIとは何かということについて、AIの歴史からおさらいしていきましょう。そのうえで、AIがどのようなことに利用できるのかということについて解説したいと思います。
実はAIという言葉が作られたのは1956年。つまり、1956年にはAIが考案され、研究されていたことになります。1956年というと、戦争が終わり、日本がようやく国連に加盟した年です。かなり昔の話という印象を受けるのではないでしょうか。
その後もAIの研究は続けられましたが、大きく分けると次の3つの段階になります。
第1次では主に推論と探索ができました。たとえば、少し弱いオセロゲームのイメージ。人間の知識と経験に勝つことができなかった時代です。当時のAIは、オセロゲームでコンピュータに勝ったからと言ってもそれ程自慢できなかったくらいのレベルでしょう。
第2次の時代には「エキスパートシステム」というものが考え出されました。つまり、専門家の知識と経験を機械に学習させていくという方法です。機械学習によってAIはかなり進化したのは確かです。しかし、専門家の知識に頼っていたことで、イレギュラーな場合に対応できないという欠点がありました。
そして、上記の欠点を克服したのが第3次です。第3次で考え出されたのがディープ・ラーニング。これは人間の脳と同じ様に何層にもなったニューラル・ネットワークを形成して学習していくという方法です。これにより、AIは劇的に進化し、驚異的な正確性を持つことになりました。
それでは、現在のAIでどのようなことができるのかということについて考えてみましょう。
現在のAIは残念ながら人間のように何でもできるというわけではありません。では、AIではどのようなことができるのでしょうか。
AIは情報の入力から出力までの間に、「識別」「予測」「実行」の3つの段階があります。それぞれの具体的な内容について下表にまとめました。
1.識別 | 2.予測 | 3.実行 |
音声認識 画像認識 動画認識 言語認識 | 数値予測 マッチング 意図を予測 ニーズを予測 | 表現を作成する デザインを作成する 行動を最適化する 作業を自動化する |
近年ではスマートフォンでも音声認識や画像認識が簡単にできる時代なので、身近な存在に感じるのではないでしょうか。音声を認識して実際に文字にするなどは、AIを駆使することで高精度になりました。
また、AIでは様々なことの正確な予測が可能です。たとえば、YouTubeの動画を見ていると、「あなたにおすすめ」という感じで気になる動画が表示されることがあります。ネットショッピングに関しても同様に、あなたの欲しそうな商品を予測しておすすめされるということを体験されているのではないでしょうか。
これらは全てAIによる予測です。このようなことが容易にできるのなら、工場自動化にも利用が可能であることは想像に容易いでしょう。
製造業や工場において、AIを使って解決したい課題として主に次の3点が挙げられます。
そして、これらの課題はAIを駆使して工場を自動化することで改善が可能です。それではまず、品質向上について考えてみましょう。
製造工場が抱える品質上の課題として、次の3つが考えられます。
それぞれに対してAIを駆使した工場自動化が有効です。
まず、不良品や異物混入については、AIによって解析することで大幅に改善できます。たとえばセンサーや画像認識によって作業員の工程・行動をモニタリングし、予定通りの作業が行われなかったと判断した場合には異常と見なすことが可能です。また、作業の工程を逐一記録することで、不良品発生などの予測も可能となります。
更に、工程自体を自動化によって省人化することも可能です。工場自動化は、産業用ロボットが人間の代わりに作業を行うので製造品質が安定し、異物混入の確率も激減します。
それだけでなく、AI技術を利用して検査業務の省人化を実現すれば、品質向上と同時にコスト削減も可能です。これまで、検査工程の自動化は難しいとされてきましたが、AI技術の発展によって様々な形状の検査も行えるようになりました。
実際にAI技術を導入したことで30%のコスト削減を実現した例について別記事に掲載しています。詳細は下記リンク記事を参考にしてください。
>>AI技術を駆使しコストを30%削減!自動外観検査システム!ーロボット導入事例26
AIを駆使することによって生産性が大幅にアップします。
たとえば、外国人労働者を雇っている場合について考えてみましょう。外国人労働者の場合はコミュニケーションロスによって生産性が落ちることが多いので、AIを導入することで生産性がアップします。また、AIは言語認識と解析も可能なので、外国人労働者だけでなく海外工場とのコミュニケーションロスという点でも課題解決が可能です。
更に、工場自動化を導入することで、外国人労働者とのコミュニケーションロスに加え、省人化も図れるので一石二鳥と言えます。
工場自動化には設備の故障が発生しますが、その点においてもAI技術が大きく貢献します。設備の故障をいち早く予測し、大きな故障を未然に防ぐことも可能です。ヒューマンエラーや設備の故障は生産速度の低下にも繋がるので、それらの原因を排除することができれば生産性は大きく向上するでしょう。
では、言語以外の例についても考えてみましょう。製造工場の作業は習熟度の差によって生産性が大きく異ることもあります。しかし、AIを駆使した工場自動化を導入することで、習熟度の差という課題についても解決が可能です。
たとえば、前述の検査工程についても人が検査を行う場合には知識と経験が必要でした。しかし、AIによって多くの問題は解決しています。また、検査工程以外では溶接工程なども熟練技能が必要な工程です。しかし、近年はAIを駆使した自動化によって生産性が向上している事業所が増えてきました。
したがって、上記の話を総合的に考えると、AIを駆使した工場自動化によって様々な工程で生産性が大幅に向上すると言えます。
製造工場では、残念ながらしばしば事故が発生します。中には労災に繋がるものや人身事故の可能性も。それらの事故の原因を調べると、ほとんどがヒューマンエラー。その中でも工場内で発生している死亡事故の3分の1は装置への巻き込まれ事故によるものというデータがあります。
しかし、AIによる工場自動化を導入することで、ヒューマンエラーは劇的に減らすことが可能となります。たとえば、危険な場所での作業や作業自体が危険な場合にはロボットを導入することで解決可能です。
更に、作業員の行動をモニタリングし、AIによって解析することで事故発生の予測も可能。AIが事故抑制に大きく貢献することは間違いありません。
今回はAIを駆使した工場自動化ということについて詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
AIとは1950年代から研究が始まった人工知能のことで、現在は第3次AIブームとなっています。現在の人工知能はある分野に関しての予測という点では極めて正確なので、工場自動化には最適です。
具体的には、センサーや画像処理装置からの入力を音声認識・画像認識などの識別、数値予測・マッチングなどの予測、行動最適化・自動化などの実行という3つの段階を経て出力します。
また、AIを駆使した工場自動化によって、主に次の3つの課題を解決することが可能です。
既に世界各国の生産工場ではAIを駆使した自動化が導入されつつあります。この流れは、日本国内でも今後ますます進んでいくでしょう。
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