メタバースがもたらす製造業への影響!AR・VRとの違いは?
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こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
スマート家電のカタログなどを見ていると本当に驚きませんか?
IoTってこんなに便利なの?
便利すぎて工夫次第で製造DX.comもサボれそう・・・
今ではスマートスピーカーや空気清浄機などの家電、コンセント、照明などがIoTでインターネットに接続されることが当たり前です。便利に使えるのは良いと思いますが、カーテンの開閉やドアのロックまでもがIoTになってきているのには驚きました。
以前もIoTについては「スマートホーム」ということでコラムに記載していますが、更に時代が進化したという印象です。
>>IoTを活用したスマートホームで家事代行も可能に?家庭用ロボットの発展に注目!
あなたも家庭用のIoTについての話題は色々なところで目にするのではないでしょうか。しかし、製造業界のIoTについては、家電のIoTに比べると情報も少なく、遅れているような印象を受けるかもしれません。
実は世間にはあまり知られていないだけで、製造業の中では既にIoTによる業務改善を成功させている事例も多くあります。そこで本記事では、IoTに関する下記3点について解説しました。
製造業もIoTを導入することで、今抱えている課題が解決できるかもしれません。ぜひ記事を最後まで読んで、IoTを導入すべきか否かの判断をしてみてください。
もくじ
製造業にIoTを導入する3つのメリット
日常生活において、IoTが便利だということは誰もが知るところです。そして、製造業においてもIoTを利用することで多くのメリットが得られることは何となくイメージできるのではないでしょうか。
しかし、現在のIoTはまだ過渡期です。以前の記事にも掲載していますが、IoTは統一された規格が無いというデメリットもあります。通信はインターネットを利用しますが、それぞれのデータ内容に関してはメーカーが独自の規格でのやり取りを行ってるので汎用性がありません。
IoTに関する詳細は下記の記事を参考にしてください。
>>IoTを導入したら工場や倉庫がどうよくなる?品質が向上できるそのわけとは?
実は、IoTには上記のようなデメリットがあっても導入するだけのメリットがあります。具体的なメリットとしては主に次の3点です。
これらのメリットによって、従業員のモチベーションアップ、工場全体のモチベーションアップに繋がることは間違いありません。それでは、それぞれのメリットについて詳しく解説していきましょう。
近年、製造現場での「見える化」という言葉をよく聞くようになりました。これは、問題の所在を明らかにして、誰もが見えるようにするということです。実は昨今のIoT導入によって、製造業での「見える化」は急激に進んでいます。
「見える化」という言葉自体は以前からありましたが、アナログの時代だったので上手く活用することができませんでした。しかし、IoTによってデジタルデータが取得できるようになった現在では、製造現場の状況をデータとして可視化することができます。
デジタルデータを取得できることで、簡単に可視化しやすいレポートを作成することもでき、生産効率も大幅に向上したという報告もあります。たとえば下の動画はオムロン草津工場でのIoT導入事例ですが、生産性が約30%向上したという結果が出ています。
製造業の大きな課題と言えば「装置の故障」です。製造ラインの装置が故障することによって、製品が製造できないという状況が発生します。しかし、IoTを導入することで装置の故障予知が可能。故障予知ができれば、製造ラインの停止期間も大幅に削減することができます。
どうして装置の故障するところがわかるの?
製造ラインの装置には多くのセンサによって様々な情報を得ることが可能です。中でも下記の3つのデータは装置の故障と密接な関係があります。
上記のセンサを常時監視し、通常とは異なる状態を検出すれば故障の兆候と言えます。温度が上がったり、通常より大きな振動を検出するということは、故障する直前の状態なのかもしれません。そして、異常を検出した場合には、できる限り早く原因を追求します。
装置が故障してからの対処ではどうしても後手に回ってしまい、修繕作業にも時間が掛かるでしょう。その点、故障予知をすることで、未然の修理か可能です。結果として、コスト削減、機会損失の回避に繋がります。
故障予知と同じく、IoTを導入することで品質管理が容易になります。なぜなら、センサやカメラなどの画像検査の結果をIoTによって細かく解析、管理することができるからです。その結果、製品の品質が向上します。
たとえば、製品のキズや汚れなどの製品品質に関して細かな基準を設定し、カメラやセンサのデータを取得して解析することで品質が保証されます。これは今まで職人の経験や勘に頼っていた工程です。しかし、IoTを導入することで、職人以上の精度で検査をすることも可能となります。
製造業は品質が命と言っても過言ではありませんが、製造工場にIoTを導入することで高い品質を維持することが可能です。
しかし、残念ながら日本国内の製造業においてはIoTが活用されているとは言い難い状況。それはどうしてでしょうか。
どうして日本の製造業ではIoTが活用されてないの?
日本国内の製造業においてIoTの活用が遅れている原因としては、主に次の3つが考えられます。
では、それぞれについてもう少し詳しく見ていきましょう。
製造業がIoTの活用ができない理由として、導入コストの問題があります。
やはり既存の製造ラインがあった場合でも、装置の改造やシステム関連の費用が必要です。それが数万円程度なら失敗しても大きな痛手とはなりません。しかし、IoTの導入コストはどうしても高くなるという印象です。
IoTの導入に関しては単純に金額だけの問題ではなく、費用対効果が不明確というところもあります。残念ながら結果が不明確なことに予算を充てるのは難しいでしょう。
費用って、具体的にはどんなものがあるのでしょう?
では、どのような費用が必要なのか見ていきましょう。IoT導入時に必要な費用としては、下記になります。
特に大きいのが人件費でしょう。この件に関しては、更に検討が必要です。
製造ラインにIoTを導入するのにかかる費用の中に、「開発・運用にかかる人件費」があります。しかし、人員という点では費用だけの問題ではありません。人材の確保という点も大きな問題です。
IoTを導入する場合、運用するための知識が必要となります。IoT導入前には必要の無かった知識を身に着けなければならないので、時間を掛けて学習を行わなければなりません。また、社内の人材を育成しない場合には、外部に委託する必要があります。
また、製造現場の負担も増える可能性があります。
製造現場にIoTを導入する場合、製造現場での混乱が起こる可能性もあります。製造現場全体が「見える化」することは良いのですが、意外と現場作業員の負担が増えるという印象です。
IoTの最も大きなメリットは製造ライン全体の情報をデジタルデータとして利用が可能という点です。今まではアナログデータだったものがデジタルデータとなり、データ収集自体が簡単になりました。
しかし、問題は収集したデータをどのように解析し、どのように利用するかという点でしょう。
製造業のIoTの活用が遅れている原因として、データうまく活用できないということが挙げられます。製造ラインのビッグデータをどのように活用するのかという目的を明確にしなければ、そこから先へは進めません。ビッグデータの活用については、別記事で詳しく解説しています。下記リンク記事を参考にしてください。
>>ビッグデータを活用した工場自動化とは?
では次に、これらの問題を解決し、IoTを上手く活用している導入例をいくつか紹介しましょう。
経済産業省の「製造業DX取り組み事例集」に掲載されているIoTの導入事例から、下記のような5社について抜粋しました。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
株式会社今野製作所では、事業スタイルを大きく変更したところ、納期遅れなどが発生するという問題が発生しました。オーダーメイド型の個別受注にシフトしたため、生産形態が多様化に対応できなかったそうです。
そこで、IoTを活用して見える化することで、人材不足や改善ポイントを把握。その結果、生産効率を向上させることに成功しました。
沖電気工業株式会社にはいくつかの工場がありますが、その中の2つの工場を仮想的に1つの工場として稼働させる「バーチャル・ワンファクトリー」という取り組みがされています。
対象となっている工場は埼玉県の本庄工場と静岡県の沼津工場です。具体的にはIoTを活用して次の4つに取り組まれました。
沖電気工業の取り組みは、コスト削減や外部環境変化への対応が可能になったという成功例です。
NC工作機械の製造で有名なオークマ株式会社は設計から生産までのあり方を改革するという大きな取り組みをされています。
その中で「IT Plaza」を「ものづくりサービス」として製造業に提供しました。「IT Plaza」は開発リードタイムの短縮を目指す、IoTによりネットワーク化したサービスです。
トヨタ自動車株式会社におけるIoTを活用の特長は工場内のデジタルデータを一元管理している点です。トヨタでは既存の設備や現有データを有効活用し「工場IoT」として、インターフェースの標準化に取り組んでいます。
これにより、「開発」「市場」「工場」をデジタル化で連携するすることが可能となりました。
三菱電機は「eF@ctory」として工場設備IoTで製造現場起点の情報を取得して有効活用することを進めています。
三菱電機と言えば、FA機器が主力製品。自社のFA機器を利用して各機器を連携させることでコスト削減や品質向上に成功しました。
また、三菱電機のFA機器分野とソフトウェアや機器類を提供するパートナー企業との連携によって生産現場の情報とエンジニアリングチェーンのデータとの連携も可能になっています。
本記事では製造業のIoT活用状況について詳しく解説しました。具体的に解説したのは下記の3点です。
まだまだ日本国内の製造業ではIoTを活用できていないという印象ですが、IoTを導入することで多くのメリットを得られます。IoTの活用が遅れている原因を少しずつ取り除き、できる限り早い段階でIoTを導入されることをおすすめします。
また、本記事では既にIoTを導入している製造業の事例として、下記の5社の取り組みを紹介しました。
事例として掲載しているのは大企業ばかりですが、実際は中小企業の方がIoT導入に掛かる費用も少なくなります。身近なところからIoTを活用されてみてはいかがでしょうか。
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