製造業のDX企業10選!国内の成功事例を一挙紹介!
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こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
先日、少し時間があったのでコーヒーでも飲もうかと思い、スターバックスに入ることにしました。いつもはコンビニで100円のコーヒーばかりを飲んでいるので、基本的にスターバックスには行きません。たまに入るスターバックスはいいですね。ご褒美感があるというのでしょうか。
もちろん、コンビニで買える100円のコーヒーも美味しいのですが、雰囲気を楽しむならスターバックスだと実感しました。これこそ体験価値です。コーヒーを飲みながら、スターバックスの会長兼CEOのハワード・シュルツが言っていた言葉を思い出しました。
スターバックスはコーヒーを売っているのではない。体験を売っているのだ。
実は今まで『体験を売る』ということが理解できていなかったのですが、ようやく実感できたという印象です。実は『体験を売る』ということはUXと言われ、これからの製造業が生き残るには必須だと言われています。
そこで本記事では、製造業におけるUXの重要性について解説したいと思います。具体的には
という3点について見ていきましょう。
モノを売る時代はもう古く、今は体験価値を売るUXの時代なのです。今後の生き残りを掛けて、UXに取り組みましょう。
もくじ
UXとは、「User eXperience」のことを指します。日本語に訳すとユーザー体験。つまり、ユーザーの体験を通じて『価値』を提供するという意味になります。
そもそも「価値」って何だろう?
販売側が勝手に決めてるのかな?
製品やサービスの「価値」はどのように決まるものなのかを考えてみましょう。製品やサービスの価格については、企業側が決めるものです。しかし、その価格は何の根拠もなく決定されるものではありません。
たとえばヤフオクなどのオークションを見てもわかるように、同じような商品が出品されている場合、それぞれの価格はある程度似通った金額に落ち着きます。つまり、製品やサービスの本当の「価値」は顧客側が決めるということです。
しかし、近年は商品やサービスの価値が変わりつつあります。どのように変わってきたのでしょうか。
製品やサービスの価値はユーザーの体験を通じて決まる時代になりました。
たとえば、インスタ映えという言葉が流行ったのをご存じでしょうか。これは商品単体の価値ではなく、ユーザーが写真を撮影しInstagramに投稿することによって価値が決まるというものです。また、投稿した写真が多くの人に共有されることで、更に価値は向上するというイメージでしょう。つまり、これこそがUXです。
冒頭でスターバックスについても触れましたが、スターバックスの価値についても同様にUXと言えます。残念ながら、スターバックスのコーヒー自体にはそれ程大きな価値はありません。スターバックスという店舗に行き、雰囲気を味わうことによって本来の体験価値というものが生み出されます。
サービス業の場合はUXが重要というのはよくわかったけど・・・
製造業におけるUXについてはイマイチわからないなぁ。製造業でもUXは重要なの?
経済のデジタル化などを特徴とするインダストリー4.0(第四次産業革命)の中で、消費者の感じる価値というものに大きな変化が見られるようになりました。インダストリー4.0に関しては製造業が抱える課題ということで以前の記事に書きましたので、参考にしてください。
>>日本の製造業が抱える7つの課題!自動化とDX化がカギ!
実は、消費者の価値観は次のように『1→3』へと変化してきています。
つまり、現在は製造業側から顧客への体験を提供することによって価値を感じるUXという時代です。
どうして価値観が変化したのかな?
高度成長期だった日本では、世の中にモノがありませんでした。したがって、大量生産すれば商品が売れるという時代だったのです。この時代はとにかくモノを所有することに価値を感じていたことになります。
しかし、次第に世の中にモノが溢れる時代になりました。すると、企業は他社製品よりも少しでも良い商品を作ることに尽力します。そして、顧客は機能的価値が高い商品を求めて購入しました。つまり、機能の利用という状態です。
そして現在はUXに価値を見出す時代になっています。
その商品を所有し、使用する意味が重要となりました。つまり、体験価値、UXです。機能的価値は商品の仕様によって決まります。しかし、近年は商品の機能的価値による差別化が難しくなってきました。また、製造業全体が東南アジア諸国に工場を持ち、商品自体の価格も安く提供できるようになっているので、価格で勝負をすることも困難です。
したがって、商品のスペックという点では大きな差別化は無理な状況。確かに、より良い製品を開発することが製造業の使命かもしれません。しかし、現在はどれだけ良い製品を作るかということよりも、体験価値・UXの方が重要になってきました。
つまり、その商品を顧客が実際に体験してみてどのような価値を感じることができるかということを重要視します。その商品を使うことによって得られる未来の姿が想像できるような商品でなければ価値を感じてもらうことができません。
製造業がUXに取り組む戦略としては下記の3点を検討する必要があります。
そして、最終的に重要なことは、どのような体験価値を顧客に届けるかということです。そのためには製品設計の段階ではなく、会社の方針から見直す必要があるでしょう。既に出来上がっている商品を使ってどのように体験価値を見出すかということは困難なため、社の方針や市場のリサーチ段階から検討する必要があります。
具体的にはどのような手順でUXに取り組めば良いのでしょう?
製造業において、UXに取り組むには次の6つの手順を踏む必要があります。
では、それぞれについて詳しく解説していきましょう。
まずは目的設定をする必要があります。UXを向上することで、最終的にどのようなことを実現したいのかということを決めましょう。また、目的を設定する場合には小さなことでも良いので数値で状態を捉えられるようにするのがおすすめです。
たとえば、商品のリピート購入やブランディングなどを目的として設定することが考えられます。
UX向上の目的を設定したら、次は市場調査を行います。ユーザーの調査とユーザーのニーズを把握しなければなりません。
ペルソナ(persona)とは、人格のことです。つまり、対象となる商品を実際に使用する人物像ということになります。どのような人が、どのようなシチュエーションで商品を使うのかということを細かく設定してください。
ただし、想像だけでペルソナ設定をしても意味がありません。前述のユーザー調査に基いて対象となる人物像を決める必要があります。
たとえば、以下のような項目です。
できる限り細かく設定することで、その商品を利用するユーザーが明確になります。ペルソナが明確になることで、実際の商品の体験状況についても設定することが可能です。
ペルソナが決まれば、そのペルソナの体験を想定して商品設計ができる状態にしなければなりません。そのために、商品を使用してどのような体験をするのかを分析します。具体的には下記についての検討が必要です。
上記の項目を検討したら、時系列でマップ化するのがおすすめ。UXに必要なことは、どのように体験価値を高めるかということです。分析結果を元にユーザー体験を想定しましょう。
ユーザー体験が設計できれば、そのユーザー体験を開発商品に落とし込むことが必要です。まずは商品の設計を行い、何度かの試作を繰り返して問題点を洗い出しましょう。設計から実装を経て理想的なUXへと近付けることができます。
最終的には商品の評価を行います。商品を作っても実際にユーザーが利用してみると・・・
ちょっとイメージと違うかな・・・
というところが必ずあるはずです。最初からユーザーの求める商品を提供できるということは難しいでしょう。したがって、理想的なUXを実現するまでには何度かの試作を経てユーザーの反応を確認することが必要となります。
具体的には以下のようなPDCAを繰り返さなければなりません。
PDCAを繰り返すことで理想と現実をすり合わせ、最終的に理想的なUXを実現できるようにしましょう。
本記事では製造業におけるUXの重要性ということについて詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
具体的に解説したのは下記の3点です。
UXとはユーザー体験のことです。UXはデザインの現場でよく利用される言葉ですが、製造業においても同様。「製造者目線」ではなく「顧客目線」での商品開発をしなければ、今後は生き残ることは難しいでしょう。つまり、製造業においてはUXが重要です。
モノの価値は「所有」から「機能の利用」へと変化し、モノが溢れる現在では「体験価値」が最も重要となっています。機能での差別化が非常に難しくなってきている状況においては、ユーザーに体験して貰い、そこに価値を見出すUXこそが重要ということです。
UXを実現する手順としては以下のようになります。
UXで最も重要なのはユーザーとのズレを無くしていくことでしょう。そのためには市場調査を怠らず、PDCAを繰り返さなければなりません。日本の製造業を元気にするためにも、UXの向上に勤めましょう。
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