製造業でも採用が進むコンカレント・エンジニアリングとは?その特徴やメリットデメリットなどを紹介
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こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
実は最近、DXに関する問い合わせが多いんですよね・・・
以前、製造業のDX化ということについて記事を掲載しました。DX化を推進しなければ日本国内の企業は多くの損害が発生する可能性があります。したがって、できる限りDX化を進めるべきという内容でした。詳しくは下記のリンクを参考にしてください。
>>製造業のDX化!ITを手段にして「変革」する手順!
DXとは何かということについては、経済産業省のサイトにて以下のように詳しく解説されています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
引用:経済産業省『DX推進ガイドライン』
そこで今回は、実際にDX化に取り組んで成功した事例について紹介しましょう。各企業毎にDX化の特徴があるので、きっと参考になる事例があると思います。ぜひ記事を最後まで読んでDX化を導入する際の参考にしてください。
もくじ
経済産業省がデジタル技術を前提としたビジネスモデル・経営変革に取り組む上場会社を選定されています。今回は選定されている企業の中から製造業10社に絞って取り上げました。それぞれの企業がどのようにDXへの取り組みを行ったかということを紹介しましょう。今回取り上げたのは以下の10社です。
引用:経済産業省『「DX銘柄2021」「DX注目企業2021」を選定しました!』
それでは、それぞれの企業について見ていきましょう。
日立製作所はLumada(ルマーダ)によって現場を動かすサポートをしています。
顧客の現場データとビジネスデータを繋ぐために日立製作所が考え出したIoTプラットフォームがLumadaでした。Lumadaは『Illuminate』と『Data』を結合させた造語だそうです。Lumadaによって顧客が新しい価値を創出するというもの。
IoTによって集めた現場のデータを分析し、価値に変えるというコンセプト。「モノは自ら語らない」と言いますが、Lumadaによって製造業における現場の設備は語ることができます。
日立製作所は実際の製造現場のモノやヒトのデータを分析し、そのデータを組み合わせて現場を動かすことをDXによって実現しました。
清水建設は下記を含む22の企業と協業して建物OS「DX-Core」を開発しました。
建物OSって聞いたことがないのですが、どのようなものでしょう?
建物OSは建物内の様々な機器を連携させて制御するためのシステムです。制御する機器の一例として、次のようなものが挙げられます。
建物内の建築設備やIoTデバイスは「DX-Core」によって各種アプリケーションと容易に連携が可能です。これにより、スマートフォンなどで簡単に建物内の多くの機器を制御することができるようになりました。
清水建設では、DX-Coreと接続可能なハードウェア・アプリケーションを拡充していく予定です。
参考:清水建設(株)建物運用のデジタル変革を支援する建物OS「DX-Core」を商品化
2019年に体系化した「ADX(Asahi Digital Transformation)戦略モデル」を再構成して「AVC(Asahi Value Creation)戦略」としています。
ADX戦略モデルでは、10種類の戦略的なテーマを中心とした戦略マップに沿ってDXへの取り組みが進められてきました。さらに新組織であるVC(Value Creation)室によってDXへの取り組みはより加速することになります。
アサヒGHDでは、AI(人工知能)とVR技術を連動させることによって、高度な商品デザインパッケージ生成を行っています。VRについては別記事にて詳しく解説していますので、下記リンクを参考にしてください。
>>製造業でのAR/VRの導入事例!作業効率・経費削減も可能!
AIとVRを取り入れたことにより、実際に店舗に商品が並んだ状態をイメージして商品デザインが行えます。アサヒGHDでは他にもDXへの取り組みをされ、大きな成果を上げている企業です。
参考: アサヒグループホールディングス株式会社 「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2021」選定
旭化成では、2018年からDXの取り組みを下記のような機能別に取り組まれています。
その結果、旭化成グループ全体で約400件のプロジェクトの中で、開発期間の劇的短縮や革新的な素材開発を実現。中でも人工知能(AI)や統計解析によって素材の研究・開発を効率化に成功されています。
更に、2020年から2021年にかけては機能別DXの基礎固めのステージからDX推進の範囲を拡大する取り組み中です。現在は「DX 経営戦略Vision 2030」として取り組み、今後さらにデジタル技術を活用し、安心・安全・快適なくらしの実現を目指して研究・開発を進めています。
ブリジストングループではDXを促進するために組織作りに力を入れたとのことです。
それと同時にデータサイエンティスト育成研修制度を開設するなど、人材の確保にも力を入れていたとのこと。それにより、2021年5月時点では約900人の高度デジタル人財を確保できています。
ブリヂストングループの最終目標は2050年に定めつつ、現在は独自のDXを推進中です。
特に力を入れたのが高度設計シミュレーションを活用した断トツ商品の開発でした。DXを促進することによって、お客様毎に異なるオペレーションに最適化したタイヤ開発を行っています。
具体的な商品としては、鉱山車両用タイヤ「MasterCore」です。鉱山車両は顧客毎に異なる利用方法となります。ブリヂストングループでは、DXによってその利用方法に応じた設計を行うことができるようになりました。
JFEスチールのDXは、IoT・AI・データサイエンス等の積極的な導入による高度なデータ活用がメインです。その中でも大きな成果を挙げているもにに制御故障復旧支援システム『J-mAIster』があります。JFEスチールでは全製造ラインに『J-mAIster』を導入することで、トラブルの発生時の原因究明が簡単になりました。
また、データサイエンスプロジェクト部ではDX推進拠点として「JFE Digital Transformation Center」を開設しています。これにより、これまで蓄積された工場内の様々なデータを活用できるようになりました。
小松製作所が製造している商品は建機です。そして、小松製作所の建機を利用するのは主に工事現場。実は、工事現場は人が「密」になる現場でもありました。たとえば次のような人員です。
そんな状況を変えるべく、DXに取り組まれました。『現場作業員の数を減らして効率化できないか』というのが大きな目標です。
結果として、下記のようなスマートコンストラクションが可能になりました。
実は小松では2015年1月からスマートコンストラクションに取り組み、現在は更に進化した「DX・スマートコンストラクション」が導入されています。
今後は複数の現場を繋ぐという計画もされています。小松製作所のDXは今後ますます進化していくでしょう。
参考:株式会社小松製作所 DXが進んだ現場は、「密」のない現場だ。
凸版印刷は2020年度にDXへの取り組みとして「DXデザイン事業部」を新設しました。これは全社横断型のDX推進組織です。その中で凸版印刷は多種多様な業界に向けたDX推進サービスを開発・提供しています。たとえば次のようなものです。
また、DXを導入することで業務プロセスの変革や環境整備にも継続的に取り組んでいます。
参考:凸版印刷、「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2021」に選定
ヤマハ発動機と言えば、オートバイやマリン製品、ロボティクス、金融サービスの製造販売が思い浮かびます。実は、ヤマハ発動機では2018年にデジタル戦略部を新設しDX促進にも取り組んできました。
そして現在は2030年に向け、「ART for Human Possibilities」戦略を掲げて取り組んでいます。ARTとは次の3つの言葉の頭文字を取ったものです。
また、全ての製品をコネクトするというビジョンを基に、IoT技術を適用したコネクテッドバイク「NMAX」を世界規模で展開する計画となっています。
参考:ヤマハ発動機株式会社 「デジタルトランスフォーメーション銘柄」への2年連続選定について
トプコンは計測機器の製造などをされている企業です。トプコンの事業領域は『医・食・住』の分野。しかし、これらの分野は残念ながらDX化が遅れている分野と言えます。トプコンの取り組みは、これらの分野におけるそれぞれの課題をDXソリューションで解決でした。それぞれの分野での取り組みは以下の通りです。
参考:株式会社トプコン 「医・食・住」の社会的課題をDXソリューションで解決
今回は製造業の中からDXで成功している10企業について、具体的な事例を紹介しました。紹介したのは次の10社です。
一概に製造業とは言っても、様々な分野の企業を紹介しました。それぞれに特徴のある取り組みをされていて、今後のDXの流れを見るうえでも大変参考になったのではないでしょうか。
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