こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
最近では最終消費者に商品を販売する小売業でもロボットが利用されています。ご存じでしたか?
小売業を分類すると「店頭販売(店舗販売)」「通信販売」「ネット販売」「訪問販売」など4種類の業態。また、店舗販売の中にも「デパート」や「フランチャイズ」「量販店」などの様々な業態があります。
実は、これらの小売業でもロボットを導入した自動化が話題です。既に多くの小売業者でロボット自動化に成功しているという事例も紹介されています。
そこで本記事では
- 小売業におけるロボット自動化の効果
- ロボット自動化を導入している小売業の事例
- ロボット自動化の導入が遅れている原因
について具体的に紹介しましょう。
小売業とロボットというと、少しイメージができないかもしれません。しかし、小売業におけるロボットは縁の下の力持ちのように、目に見えない部分で大きな効果をもたらしています。ぜひこの機会に小売業で働くロボットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
もくじ
ロボット自動化が小売業にもたらす3つの効果
ロボット自動化が小売業にもたらす3つの効果
実はこれまで小売業におけるロボット導入はほとんど手付かず状態でした。しかし、状況は大きく一転します。転機となったのは、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の感染拡大です。
時代の変化に伴って、小売業にロボット自動化を導入して得られた主な効果が下記の3点。
- 人手不足が解消される
- ロボットによる客寄せ効果
- RPAによる事務作業の効率化
それでは、上記3点についてそれぞれ詳しく解説していきましょう。
人手不足対策にロボットを導入!ピッキングや品出しも!
小売業では人手不足の対策としてロボット導入している事例が多々あります。主な事例としては次の3点です。
- ロボットによるピッキング作業
- VRによる省人化
- ロボットによる店舗清掃作業
もう少し詳しく解説していきましょう。
小売業のピッキング作業をロボットで自動化!
小売業の中でも最もロボット自動化が導入しやすいのは実店舗ではなく「通信販売」「ネット販売」の場合です。その中でも自動倉庫やピッキングという作業に関してはロボットを導入した自動化が可能となります。
ピッキングは、倉庫内の多くの棚の中から必要な商品や部品などを取り出すというものです。製造業では既に多くの現場にピッキングロボットが導入され、自動化されています。同様に小売業においてもピッキングロボットが導入されることが増えてきました。
ピッキングロボットを導入することで省人化できるだけでなく、間違いも少なくなるという効果もあります。
小売業でいち早くピッキングロボットを導入したのが、Amazonやニトリでした。Amazonやニトリのピッキングロボットに関しては別記事にて詳しく記載していますので、下記の記事を参考にしてください。
>>Amazonやニトリも導入している!―物流倉庫で活躍するロボットシステム
ロボットをVRで操作!コンビニの省人化に成功!
コンビニエンスストアの「ローソン」と「ファミリーマート」は人手不足に対応するため、試験的にVRとロボットを導入しています。VRを利用することで、一人の店員が複数店舗の掛け持が可能となりました。
使用しているロボットはテレイグが開発した人型の遠隔操作ロボ「Model-T」です。VRによって操作が可能なので、複数の店舗を掛け持ちしても従業員は移動する必要がありません。
小売店での従業員の仕事は概ね下記のような割合となっています。
- 品出し・陳列・棚作業:約40%
- レジ・カウンター作業:約30%
- その他:約30%
VRとロボットを導入することで、品出しなどの作業が可能。つまり、上記の内の約40%の作業が賄えることになります。VRとロボットを導入することで省人化の効果が期待できるでしょう。
VRについては別の記事にて詳しく解説しています。下記リンクから詳細記事をご覧ください。
>>製造業でのAR/VRの導入事例!作業効率・経費削減も可能!
小売店の清掃作業はロボットにお任せ!
近年、家庭用のお掃除ロボットが普及してきましたが、小売店の掃除も清掃ロボットの導入が進んでいます。たとえばこちらの動画で紹介されている「Whiz」は清掃するコースを決めることができます。
業務用の清掃ロボットは他にも国内メーカーからも販売されていて身近な存在になってきました。中にはレンタルが可能なサービスもあるので、手軽に利用できます。
清掃作業は実店舗の小売店では重要な作業かもしれません。しかし、清掃作業はロボットに任せることができるので、従業員はロボットに任せられないことに専念できます。これにより、省人化だけでなく生産性向上という効果も得られるでしょう。
それでは、省人化以外の効果についても見ていきましょう!
ロボット導入で小売店の客寄せ効果に期待!
この前、回転寿司を食べに行ったら、お友達のpepperくんが案内してくれたよ。
ロボットが案内役だったり、配膳をしている飲食店が増えてきました。配膳ロボットは省人化の効果もありますが、省人化よりも客寄せ効果を狙っての導入でしょう。もちろんpepperくんも客寄せ効果の方が大きいと思われます。
また、飲食店以外の小売店で導入が進んでいるのが、客寄せのための拍手ロボット。こちらの動画は拍手ロボット「BigClapper」です。こんなロボットが出迎えてくれたら、気になって店舗に立ち寄るという人も多いのではないでしょうか。
こちらの拍手ロボットは価格が35万円ということなので、客寄せ効果を考えるとお手頃価格と言えます。多機能というわけではありませんが、シチュエーションに合わせて10種類のセリフから選択可能です。何かインパクトが欲しいという場合には「BigClapper」がおすすめ。集客効果も期待できます。
小売業の事務作業はRPAで効率化!
販売している商品が多種多様という場合には、ピッキング作業などのロボット自動化は難しいでしょう。しかし、それ以外にも自動化できる部分がありました。それは、事務作業です。
事務作業に関してはRPA (Robotic Process Automation)を導入することで自動化が可能です。たとえば、小売業では下記のような定型業務が発生します。
- 商品データ集計
- 買い付けのための資料集め
- 集計したデータの抽出・加工
これらの定型業務を自動化することで、効率良く業務をこなすことができるでしょう。RPAに関しては別の記事で詳しく解説しています。下記リンクから詳細記事をご覧ください。
>>RPA活用のメリットと導入方法を詳しく!参考事例も紹介!
これまで、小売業のロボット自動化による効果について紹介しました。しかし、実際は小売業でのロボット自動化は製造業と比べると少し遅れているという印象です。
どうして小売業ではロボット導入が遅れているの?
ロボット自動化が進まない小売業界の事情
ロボット自動化が進まない小売業界の事情
小売業においてロボット自動化が進まないのは、主に次のような原因です。
- 一人の担当業務が多岐にわたる
- 多品目小ロット販売
- 形状や性質が様々で扱いづらい
それぞれについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
小売業は一人の担当業務が多くて自動化できない
小売業では業務が多く、しかも一人の従業員がそれらをこなさなければならないという場合が少なくありません。ロボットが最も得意とするのは単純作業の反復動作です。しかし、小売業では反復動作が少ないので、自動化には不向きと言えます。
したがって、多くの業務を1台のロボットで行うことを考えると、開発に費用と時間が掛かるでしょう。つまり、事業規模によっては費用対効果が優れていないということになります。
小売業は多品目小ロットでの販売が主
小売業の販売形態は多品目小ロットの場合が多いという特徴があります。製造業ではロボットによる自動化が導入されていますが、小売業と比較すると同じロットでの生産数は多いでしょう。したがって、製造業とは異なり、多品目小ロットという形態が多い小売業にはロボットの導入が向いていません。
小売業の商品は形状や性質が様々で扱いづらい
前述した項目とも関係しますが、小売業の商品は形状や性質が様々です。中でも顕著なのが食品でしょう。したがって、食料品スーパーの場合には形状や性質が一つ一つ異なり、さらに種類も豊富なのでロボットを導入することは難しい状況です。
ロボット自動化による効果は大きいと言えますが、食料品スーパーなどの小売店ではその効果が十分発揮できないことになります。今後、ロボットの技術革新が進むことで、食料品などにも対応できる可能性はあるでしょう。ただし、現状では少し難しく、ロボットを導入して十分な効果が得られるとは考えられません。
食料品関係なら、調理ロボットや盛り付けロボットの導入を検討するのも良いと思います!
最後に
本記事では小売業におけるロボット自動化の導入ということについて解説しました。ロボット自動化が最も進んでいるのは製造業です。しかし、小売業においても効果が得られる場合があるので、可能な範囲でロボット自動化を推し進めていくのが良いでしょう。
小売業がロボット自動化によって得られる主な効果としては次の3点でした。
- 人手不足が解消される
- ロボットによる客寄せ効果
- RPAによる事務作業の効率化
小売業では今後ますますロボット自動化が導入されることでしょう。ただし、まだロボットの技術が成熟していないこともあり、導入に関しては時期尚早という考えもあります。しかし、その分先行者利益ということもあるので、早い段階でのロボット導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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