パレタイジングロボットとは?その特徴、主要メーカーなどを解説
- #パレタイズロボット
こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
日本の産業を牽引するのはやっぱり自動車産業ですよね。
自動車工場では工程ごとに違うロボットが活躍していて、見ているだけで面白いですよ!
日本はロボット大国であり、自動車産業も盛ん。特に自動車産業では大きな部品を扱うこともあり、大型のロボットを使って製造している工程が多いのも特徴的です。
また、自動車の車体工場だけではなく、自動車部品の製造工場まで含めて考えると、多種多様のロボットが使われています。
そこで本記事では、自動車工場の工程別にどのようなロボットが使用されているのか紹介しましょう。
動画なども交えて紹介しますので、是非最後まで記事をご覧ください。
もくじ
自動車工場!5つの工程別ロボットの紹介
自動車工場には主に下記の5つの工程があります。
それでは、それぞれの工程でどのようなロボットが使用されているのか見ていきましょう。
自動車工場のプレス工程では主に鋼板を加工する工程です。
1台の自動車に使用される鋼板は大小合わせて100枚以上と言われます。近年は安全性能や軽量化などを目的として、板金ではなく樹脂を使用する箇所が増えました。しかし、それでもメインは鋼板をプレス加工したもの。
材料として使用するのは、ロール状に巻かれた「コイル」と呼ばれる鋼板です。プレス工程では、プレス機を使ってコイルを加工します。したがって、プレス自体に直接ロボットが利用されているわけではありません。
自動車工場のプレス工程でロボットが活躍するのは、部品を搬送する工程です。参考になる動画があったので、ご覧ください。
実は、プレス工程には鋼板以外を使用する場合もあります。たとえば、点火プラグ。碍子部分は粉状の材料をプレス加工して製造しています。もちろん、点火プラグの製造でもプレス工程自体はプレス機の仕事ですが、搬送部分はロボットです。
ここで活躍するロボットはパレタイジングロボット。小さな部品を箱に整列させて入れるには最適です。
このように、自動車工場のプレス工程では小さな部品から大きな部品まで、実に様々なもがあることをおわかりいただけたのではないでしょうか。
下の動画は自動車工場内で川崎重工業の溶接ロボットがボディをスポット溶接している様子です。展示会の動画になるので、実際に溶接しているわけではありませんが、動きについては理解できるでしょう。
自動車工場における溶接工程では、上記のようなスポット溶接の他にもアーク溶接を使用することもあります。現在はスポット溶接・アーク溶接共にロボット化が進み、ほとんどがロボットによる作業です。
溶接工程のロボット化には以下のようなメリットがあります。
実は、溶接は呼吸器系や眼・皮膚など人体への健康被害の可能性がある工程です。また、感電や火傷などの重大な被害の可能性もあります。よって、ロボットが溶接工程を担うことで、健康被害の可能性も少なくなるでしょう。
自動車工場の溶接工程をロボット化することで、安全かつ品質の安定したの生産が可能になります。
自動車工場の塗装工程では、主に以下の2つの作業が必要となります。
ただし、どちらの工程も溶接工程と同様に、有機溶剤による人体への健康被害が考えられます。そこで利用されるのが塗装ロボットです。ただし、塗装工程の全てをロボットが行うわけではありません。
多くの自動車工場では次のような3つの塗装工程となります。
ロボットが行うのは、塗装工程でも最後の部分。自動車の車体は人よりも大きいので、人が作業を行うのは大変です。しかし、ロボットを利用することで、効率的な塗装が可能となります。
また、ロボットはプログラムによって決められた動作を繰り返すことができるので、塗装の品質という点でも安心。生産性も大幅に向上することになります。
つまり、自動車工場の塗装工程でロボットを利用するメリットは、生産性の向上と作業員の健康という2点です。
自動車工場の組み立て工程というと、自動車の車体に色々なパーツを組み付けていくというイメージが強いでしょう。確かに、その工程も組み立て工程ですが、実は最終的に組み付けるパーツ部品の組み立て工程もあります。
パーツの組み立て工程は関連会社で製造する場合が多いのが現状です。そして、関連会社で製造した各パーツを最終的に車体に組み付けていくことになります。どちらの工程も多くのロボットが活躍しているという状況です。
自動車の部品点数は約2.5万~3万点。3万点もの部品を効率的に組み立てるには、ロボットを利用するのが良いでしょう。
たとえば部品の組み立て工程でネジ締めの作業があったとすると、ネジ締めのトルク管理まで行うことができます。つまり、職人のノウハウを数値化して誰でも再現することも可能です。更に、数値データをビッグデータとして取り込み、工場全体の生産状況を確認することもできるでしょう。
ビッグデータに関しては、こちらの記事を参考にしてください。
>>ビッグデータを活用した工場自動化とは?
車体への組み付けについては概ね下記の手順となります。
上記のパーツの組み付け作業を終えると、次は小さなパーツの組み付けです。部品点数も多いので作業工程も非常に多く、ロボットが活躍しています。
特に最近では協働ロボットを利用するケースも増えており、働き方の変化も伺えます。
完成した自動車の検査には検査ロボットが使用されます。また、完成した状態ではなく、それまでの各工程においてもロボットによる検査を行わなければなりません。
たとえば溶接工程。自動車の部品は2.5万~3万点で、5,000以上もの溶接個所があります。それらの溶接個所を検査するのもロボットの役割りです。溶接の検査を手動で行う場合、検査結果や作業効率は検査員の技量によって大きく左右されることがあります。
しかし、ロボットを用いた非接触の検査を行うことで、効率的で安定した検査が可能です。参考になる動画があったので紹介しましょう。下記の動画は東芝のスポット溶接検査ロボットです。
溶接以外にも、各工程で検査は必要となります。もちろん、全ての検査をロボットが行っているわけではありません。しかし、可能な部分についてはロボットによって省人化が進められています。今後は品質向上の為に、ますますロボットが導入されるでしょう。
では、今後の自動車工場ではどのような変化が訪れるでしょうか。
今後、自動車工場での利用が増えると思われるのは次の2つでしょう。
協働ロボットについては、組み立て工程のロボットとしても紹介しました。しかし、まだまだ普及しているというわけではありません。
協働ロボットの最大のメリットは設置面積が狭くても大丈夫というところです。安全性を考慮した設計になっているので、人とロボットが同じ空間で仕事ができます。大規模な製造ラインでも利用できますが、小規模の製造ラインでより効果を発揮するでしょう。
こちらの動画で協働ロボットのイメージが掴めるので、ぜひご覧ください。
AIについてはまだまだこれから開発されていくというイメージです。現時点でのAIの技術は検査工程などでは利用できるかもしれませんが、製造部分に関しては利用できるレベルではありません。
そんな中、アメリカのフォードでロボットに最適な動作を学ばせるということが行われています。それを受け、トヨタや日産もAIによるロボット自信に学習させるという方法を取り入れることになりました。まだ実用化されるまでには時間が掛かるかもしれませんが、近い将来に国内の自動車工場では当たり前の技術になるのではないでしょうか。
本記事では、自動車工場の各工程で使用されるロボットについて動画を交えて詳しく紹介しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
自動車工場の工程としては次の5つでした。
各工程で利用されているロボットは、人間にとって悪い環境でも文句も言わずに働き続けることが可能です。また、プログラミングの通りに動作を行うので、品質が安定するというメリットもあります。
日本の主要産業である自動車産業では既に多くの工程でロボットが導入されていますが、今後は更に進化していくことでしょう。
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