重いものを持てない協働ロボットの力を底上げする方法!電動バランサってなに?
- #協働ロボット
こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
物流産業が混乱したらサプライチェーンも大混乱ですね。
今回のコロナ騒動によって多くの問題が露呈したという感じでしょうか。
近年、EC(Electronic Commerce)市場が急速に拡大しています。直近10年のデータでは約2.5倍に拡大しているとのこと。しかも、これはコロナ前のデータなので、現在は更に利用が増えていることは確実です。
サプライチェーンという観点からも物流産業は重要な役割を果たしています。コロナ禍において、物流が滞りサプライチェーンの混乱が発生しました。物流が滞ってしまえば、製造業は何もできない状態になることを、身を持って知ることができたと言えます。
そのような課題解決のために活用が考えられているのが、ロボットによる自動化です。
そこで、この記事では物流産業の各サプライチェーンにおける問題点を洗い出し、そのうえでどのようにロボットが活用されているのかということについて紹介します。更に、今後物流産業がロボットの導入によってどのように変化していくのかということについても考えてみましょう。
もくじ
物流産業の各サプライチェーン
問題解決にはロボットを活用
現在、物流業界にはいくつかの問題があります。そして、その問題を解決するには、ロボットを活用することが大きな手掛かりとなるでしょう。
そこで、まずは物流業界の各サプライチェーンにはどのような問題があるのかということについて考えてみましょう。
物流産業の各サプライチェーンにおける問題点として、主なものは次の4点です。
ネット通販を利用すると「送料無料」などに設定されている場合があります。また、契約によって格安料金での配送となっているサービスがあることもご存知かもしれません。しかし、配送料金に関しては値下げ要求はあっても、なかなか値上げのできない状況です。
しかも、燃料費が値上げしても配送料金を値上げすることは許されないような風潮になっています。つまり、配送料金が実際に掛かっているコストに見合っていないということです。市場の構造自体がコスト抑制圧力が高くなってしまっているので、現状のままでは改善が難しいかもしれません。
更に、コロナ禍の通販需要によって宅配貨物は増加しています。仕事が増えることは良いことかもしれません。しかし、後述するように物流業界は人手不足という状況もあり、物量が増えることが必ずしも良いこととは言えない状況です。
しかも、配達時の不在によって再配達という余計な仕事が発生する可能性もあり、業務は増えるばかり。コロナ禍という状況で、ポスト投函のようなシステムを取っている業者もありますが、全てが置き換わるわけではありません。したがって、業務効率を向上させることは難しいと言えます。
そして、上記の問題が原因で、物流産業の現状は人手不足。具体的には下記のような状況となっています。
上記のような状況は、何かのきっかけが無ければ改善されることはないでしょう。そのきっかけとなるのが、ロボットの活用ではないでしょうか。
物流産業のサプライチェーンで有効活用できるのは下記のロボットです。
現在の物流産業で最も利用されているのがパレタイジングロボットでしょう。パレタイジングロボットは同じ大きさのワークを積むという動作を行うものです。ただし、大きさが一つ一つ異なるワークが対象となる場合には活用できません。したがって、多くの物流業者が利用することは不可能です。
その点、ピッキングロボットを活用すれば大きさの異なるワークを取り出すことができます。具体的な事例としては、Amazonやニトリのピッキングロボットです。
ただし、ピッキングロボットにも課題があります。それは、対象ワークの種類が限られるという点です。残念ながら、現在の技術ではある程度の重量物には対応できますが、極端に重量や大きさの異なるワークを1台のロボットで対応することは不可能と言わざるを得ません。
また、ラストワンマイル配送の無人化を実現するためにはデリバリーロボットの開発が必要となります。物流産業の各サプライチェーンにおけるラストワンマイルとは、顧客へ商品を届ける物流の最後の区間のことです。残念ながら、現在ラストワンマイルは人手での配送となっています。
ロボット先進国である中国などではデリバリーロボットによる自動配送の実験を進められていますが、実現するにはまだ時間が掛かるでしょう。2040年までには開発可能と言われていますが、日本国内で実現するには道路環境の整備や道路交通法の見直しなども必要となるので実現するのは難しいと言えます。
現在は人間とロボットが安全に協働するということが推し進められていますが、物流産業においてはまだまだ課題が山積みです。
では、ロボットの活用以外で物流産業の各サプライチェーンにおける課題解決の方法についても考えてみましょう。
今後の物流産業のサプライチェーン!
ロボット以外の技術は?
ロボットの活用によって、物流産業の各サプライチェーンは効率化が可能です。しかし、実現するには課題が多く残っているという状況。それでは、ロボット以外で物流産業の各サプライチェーンの業務効率化を行う方法はないのでしょうか。
実現可能な方法としては、次の2点が考えられます。
もう少し詳しく見ていきましょう。
AIの使い道は様々ですが、前述したピッキングロボットなどにも有効活用が可能です。現在のピッキングロボットではワークの種類が少ない状況ですが、AIが発展すればより多くのワークに対応できるでしょう。
RFIDとは、電波を用いてICタグの情報を読み書きする技術。非接触で読み書きでき、QRコードやバーコードよりも広い範囲で利用することができます。しかも、複数のICタグを一度に読むことができるので、今後の物流産業に大きく貢献することが期待されています。
物流産業ではありませんが、RFIDを使った会計システムを採用しているのがユニクロやGUです。RFIDを利用すれば、商品をレジに置いただけで複数の商品を判別して合計金額を即座に表示することができます。
物流産業のサプライチェーンでもRFIDを利用することで、複数の資材が入ったコンテナの判別なども容易にできるでしょう。
物流産業のサプライチェーンにおいて積載効率が悪い場合や、物流が多すぎて捌ききれないこともあります。そのような場合には、他の運送業者に配送を任せることが簡単にできれば便利です。
たとえば、Uber Eatsのように小規模の事業者や個人を利用するという方法も考えられます。ただし、小規模の事業者や個人が簡単に参入できるようなツールを開発しなければなりません。
本記事では物流産業の各サプライチェーンにおけるロボット活用について解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
物流産業の各サプライチェーンでは、以下のようなロボットの活用が期待されています。
しかし、物流産業において実際に上記のロボットが活用されるには、もう少し時間がかかりそうです。また、ロボットと共に物流産業の各サプライチェーンでは、下記のような技術の有効活用も期待されています。
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