成型・加工後のバリ取りを自動化するロボット!メリットと今の課題とは?
- #垂直多関節ロボット
こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
FAの現場には色んな種類のロボットがありますが、中でもピッキングロボットの動きが凄くて驚きました。
最近のピッキングロボットはどんな状態からでも取り出せるというのが面白いですよね。
FAロボットと言うと、
などの工程に利用されています。その中でもピッキングロボットはワークに合わせて動くようにプログラミングされているので、見ていても飽きることがありません。
そこで今回はFA現場でのピッキングロボットに注目して具体的な事例などを紹介していきましょう。
ピッキングロボットって、こんな工程にも使えるんですね!?
という発見もあるかもしれません。動画を交えて紹介していますので、ぜひ記事を最後まで御覧ください。
もくじ
ピッキングとは、必要なものを集める(ピックアップする)作業のことです。ピッキングについては、別記事で詳しく解説しているので、下記の記事を参考にしてください。
>>物流倉庫内のピッキング工程を自動化できる〇〇ロボット!
FA業界では大きな物から小さな物まで様々な形状のワークを取り扱う必要があります。もちろん、ピッキングにおいても同様に多種多様のワークを扱わなければなりません。
ワークによっては手作業でのピッキングを行わなければならないこともありますが、近年はロボットによる作業が増えてきました。では、どのようなワークがあるのでしょうか。
下記はFA業界が扱っているワークの中の一例です。
世の中の製品に使われている部品は全てピッキングの対象となり得るので、上記の例はほんの一部です。そして、現在の製造業は多品種少量生産の流れとなっているので、今後より多くのワークに対応していかなければなりません。
FA業界では、クライアントからの依頼があれば出来る限り自動化の対応をしています。もし、お困りの場合はページ下部のリンクよりお問い合わせください。
それでは、上記のワークを扱ったピッキングロボットの事例について詳しく見ていきましょう。
クランクシャフトとは、自動車部品の一つ。ピストンの往復運動を回転運動に変える、大変重要な駆動部品です。
クランクシャフトはピストンの上下運動を回転運動に変える必要があるので、非常に複雑な形状をしています。よって、人間の手でピッキングを行う場合も、一度に多くのことを見て考える必要があるので意外と大変な作業です。
その複雑な動作をロボットに置き換えたのがこちらの映像。動画では、バラ積みのクランクシャフトをロボットによってピッキングしています。短い動画ですので、ぜひ御覧ください。
クランクシャフトのピッキングロボットは実に簡単そうに作業を行っています。しかし、実際は非常に複雑な動作です。クランクシャフトのピッキングは下記3つの手順の繰り返しとなります。
文字にすると簡単に思えるかもしれません。しかし、取りに行くワークの順序やロボットハンドのアプローチ方法など、非常に細かいルールを決めてプログラミングされていることがわかります。置かれている状態がバラバラで、なおかつ重なっている部分もあるので、かなり複雑な状況です。
最終的に奇麗に整列したクランクシャフトを見ると気持ちがいいですね!
あなたが何か商品を購入する時、ほとんどの商品は箱に入った状態ではないでしょうか。もちろん、中には箱に入れられていない場合もあります。しかし、多くの商品をエンドユーザーに届ける場合には箱詰めが必要です。
そして、一口に箱と言っても、小さは箱から大きな箱まで実に様々な大きさの箱があります。
こちらは小さな箱のピッキングロボットの動画です。前述のクランクシャフトと比較すると、簡単そうに見えますが意外と難しい動作なので、その辺りも踏まえて動画を御覧ください。
動画の前半はYASUKAWAのFAロボットを使用して小箱を取り出し、青い形状の台車に載せるというピッキング作業です。
重要なのは、台車には小箱の形状になった枠があるという点。台車に載せる場合には、小箱を同じ方向にしなければなりません。更に、置き方についてもノウハウがあるようで、少し変わった動きをしています。
また、小箱を取り出す時にはビジョンセンサで小箱の位置と向きを確認しています。向きの異なる置き方の場合には、仮置き台に一度置いてから小箱の向きを変換しているというのも面白いところです。
また、動画の後半ではインクジェットプリンタを使い、小箱の表面にロット番号や製品型式などを印刷しています。動画は展示会での様子ですが、実際の製造工場でもそのまま利用可能な設備と言えるでしょう。
小箱くらい簡単にピッキングできそうな気がしてたけど、本当に複雑ですね。
FAピッキングロボットって凄い!
ナックルアーム(knuckle arm)とはステアリングシステムを構成する自動車部品の一つです。ハンドル操作をタイヤに伝える為の部品で、実に複雑な形状をしています。
下記の動画は「株式会社ヌカベ」のナックルアーム加工工程です。複雑な形状というだけでなく、積み重なった状況からワークを取り出す動作が興味深いので、ぜひ御覧ください。
まず、幾重にも積み重ねられた状態からでも取り出すことができるという点に注目しましょう。ビジョンセンサにより、高精度な3次元でのワーク状態を認識できます。精度が高いので、ワークが密集している状態や箱の端にある状態でも問題なくピッキングが可能です。
また、ナックルアームを供給する時には一定方向にしなければなりません。したがって、裏向きのワークは表向きに変える機構も必要。その辺りのピッキングロボットの動作も興味深いところです。
ダイカスト部品と言っても、様々な形状や大きさのものがあります。注目すべきはダイカスト部品の形状です。精密な金型を使用して製造するダイカスト部品は驚くほど複雑な形状をしているものが多く、FAピッキングロボットで掴む動作の難易度が高いと言えます。
そんな難易度の高いダイカスト部品のピッキング映像が「株式会社アドヴィックス」の部品自動投入ロボットです。
複雑な形状のダイカスト部品を掴むには、
を素早く正確に知らなければなりません。動画を見ていただくと、高精度の3Dビジョンセンサを使用して細かく解析していることが良くわかります。
また、ダイカスト部品のピッキング難易度が高い要因は、その複雑な形状によるものです。形状が複雑な為、チャック可能な部分や吸着可能な部分などが限られます。
FAピッキングロボットの動作も凄いのですが、3Dビジョンセンサが良い仕事してますね。
ピッキングロボットが苦手とするものの一つに、半透明のワークがあります。半透明のワークはカメラでの判別が難しいからです。
こちらは半透明ボトルのピッキングを協働ロボットと3Dビジョンを使って実現した例。動作としてはゆっくりですが、半透明のワークを確実に判別しているというわかりやすい事例です。
近年、協働ロボットの導入がトレンドになりつつありますが、協働ロボットをピッキングロボットとして利用するという事例はまだそれ程多くはありません。この動画のように、今後は安全性の高い協働ロボットの活躍が期待されます。
また、上記は半透明のワークでも高精度の3Dビジョンセンサによって誤検知することなくピッキングを行っているのが良くわかる動画でした。このように3Dビジョンセンサ技術の発展により、色や形状を選ばずに解析可能になったこともよくわかります。
ピッキングロボットは3Dビジョンセンサの技術があってこそ成り立つということがよくわかりました!
本記事では、FAロボットによるピッキングについて、下記5つの事例を詳しく紹介しました。
ピッキングロボットの難しい点は、
を瞬時に判断しなければならないところにあります。その為に利用されているのが3Dビジョンセンサ。近年は技術の進歩で高精度での解析ができるようになり、ピッキングロボットの動作もより確実性が増しました。
また、トレンドになりつつある協働ロボットをピッキングロボットとして利用するケースもあり、ますます活躍が期待されるでしょう。
ピッキング作業はまだまだ人が行うことが多いという現状。省人化・省力化を検討する場合、最も手が付けやすい部分ではないでしょうか。省力化については、下記の記事も参考にしてください。
>>省力化ロボットの特徴と5つのメリットとは?
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