外観検査は自動化するべき?自動化するメリットや考え方について解説
こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
外観検査をもっと効率良くできないでしょうか?
現状、半自動のような感じなのですが・・・
製品の外観検査はやはり完全に自動化すべきですね。
半自動では人材不足が完全に解決しませんから。
製造業における品質維持は市場での信頼にかかわる大きな問題の一つです。しかし、手動検査や半自動での検査では検査結果にバラツキが出たり、コストがかかったりするので本当の意味で問題解決にはなりません。
その問題解決となるのが、検査の自動化です。特に、近年は解析技術も進歩しているので、外観検査は自動化を導入する企業も増えています。
そこで本記事では、外観検査の自動化について詳しく解説しました。
外観検査は本当に自動化すべきか否か、メリットとデメリットを踏まて考えてみましょう。外観検査の自動化検討の際には導入の判断材料となりますので、ぜひ記事を最後までご覧になってください。
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もくじ
外観検査について
実は外観検査と一口に言っても、検査対象によって様々な検査方法・検査項目があります。そこで、この章では
- 代表的な外観検査
- 手動による外観検査の方法
について確認しておきましょう。
代表的な外観検査の対象と項目
代表的な外観検査の対象例を下表にまとめました。
製品 | 検査対象 |
---|---|
樹脂製品 | 変色・変形(凹み・膨らみ)・汚れ・異物など |
金属製品 | 錆・腐食・傷・クラック・寸法違い・異物など |
印刷物 | 印刷ズレ・印字誤り・にじみ・破れ・シール剥がれなど |
半導体・実装基板 | クラック・異物・ショート・断線・部品未実装など |
瓶・容器 | 異物・汚れ・印字ミスなど |
上記はほんの一例。製品によってそれぞれの特徴があり、検査項目や検査対象も様々です。
それでは、上記のような外観検査を人が手動によって実施する場合はどのように行なうのかを見ていきましょう。
手動による外観検査はどのように実施される?
手動による外観検査は基本的に目視による検査となります。具体的な検査方法としては次の2種類です。
- 裸眼で直接見る
- ルーペや顕微鏡などで見る
ベルトコンベアなどで搬送されてきた製品に対して上記の方法で検査を実施するので、確実に不良品を取り除くことは不可能でしょう。しかも、人間の目というのは経験によって今まで見えなかった物が見えるようにもなります。つまり、経験による差が大きいということです。
外観検査の自動化にはどのような方法があるのでしょう?
外観検査の自動化のパターン!画像処理の手順も解説
外観検査の自動化で必要な処理としては、「画像検査」と「不良品の処理」の2つの工程となります。
具体的な外観検査のパターン例として、次の2種類を紹介しましょう。
- 部品の傷などをパターン認識
- シートなどの外観検査
上記のパターンはどちらも流れてくる製品に対して画像処理を実施し、OK/NGの判定を行なうというものです。違いは照明や撮像方法になります。
画像検査の後、判定により不良品と判断されたものに関しては、その製品に必要な処置を行います。
では、画像処理はどのような手順で実施されるのでしょうか。
外観検査の画像処理手順
外観検査の自動化では画像処理が必要となります。画像処理の手順は下記の通りです。
- トリガ信号(タイミング)の入力により撮像
- 撮像データから検査対象を切り出す
- 強調処理やフィルタ処理、マスク処理を施す
- 不具合箇所を検出
- 判定ルールに基づいて良否判定
画像処理の撮像を開始する場合、トリガ信号が必要となります。トリガ信号は外部から入力する場合や、コンベアなどのタイミングやワークの位置を検出して自動的に撮像を開始する方法など。
注意点としては、判定箇所を確実に撮像できるタイミングを作り出す必要という点です。
ただし、撮像データからそのままOK/NGの判定ができるわけではありません。強調処理やフィルタ処理、マスク処理などが要です。これらの処理によって、判定に必要パターンを探し出し、確実な判定が可能となります。
それでは、外観検査の結果、不良品と判定された製品に対してはどのような処置が必要なのでしょうか。
外観検査による不良発生時の処理方法
外観検査によってOK/NGの判定を行いますが、不良品に対してはどのように対応しているのでしょうか。
一般的な不良の対応方法としては次の3種類です。
- 不良に対して人手による対応
- 不良を機械(ロボット)が対応
- 不良品を自動搬出
また、不良品と判断された製品の中にも、修正して良品となる可能性のある物もあります。したがって、製品の種類や特性によって、人手による対応なのかロボットなどによる対応なのかを決めなければなりません。
外観検査の自動化と言っても色々な方法があるのですね。
そうです。そして、外観検査を自動化することで、様々なメリットが得られます。
外観検査の自動化による4つのメリット
外観検査を自動化することによって得られる主なメリットは下記の4点です。
- 人手不足解消
- コスト削減
- 生産性の向上
- より高度な検査が可能
それぞれについて、もう少し詳しく解説しましょう。
外観検査の自動化で人手不足が解消できる!
近年は人手不足が問題となっています。とくに製造業においては深刻な課題であり、今すぐにでも対策を打たなければならない状況です。
人手不足を解消するには生産ライン全体を自動化する方法が最も確実でしょう。したがって、外観検査に関しても自動化を推し進めるのがおすすめ。外観検査の自動化によって、検査員の人手不足が解消できます。
特に外観検査は正しい判定ができるまでにある程度の経験が必要となり、作業員を増やすことも困難な状況です。しかし、自動化することで作業員を増やす必要もなく、正しい外観検査が可能となります。
外観検査の自動化で可能となる2つのコスト削減
外観検査を自動化するには、導入コストが必要となります。しかし、多くの場合は導入コスト以上にコスト削減が可能です。削減が可能なコストとしては主に下記2点です。
- 人件費の削減
- 教育コストの削減
前述した通り、人手不足に対応するのが自動化の大きなメリット。したがって、外観検査の自動化を導入することによって人件費の削減が可能です。
また、人が目視で外観検査を実施するには経験が必要ですが、指導・教育も必要となります。しかし、外観検査自体を自動化することで、教育コストはほとんど掛かりません。
必要なのは検査装置の操作方法のみなので、最も難しい「検査」部分に関しては教育コストを大きく削減できます。
外観検査を自動化することで生産性も向上!
外観検査を自動化することで、品質向上と作業時間短縮により生産性が向上します。
手動での外観検査の場合は検査結果のバラツキも問題となりますが、検査にかかる時間のバラツキも問題です。特に経験の差による検査時間のバラツキは大きく、作業効率向上の妨げとなります。
また、同じ人が検査を行なっている場合でも、集中力やストレスの度合い、疲労度によってムラが出ることは否めません。
しかし、外観検査を自動化することで、作業時間に関するムラはなくなります。しかも、人が実施するよりも正確で早い作業となるので、生産性は確実に向上するでしょう。
外観検査の自動化で高度な検査が可能に!
外観検査を自動化することで、今までは見逃されていた不良も判定が可能になる場合があります。
自動化はプログラムで決められた検査となるので、不良品をほぼ確実に見極めることが可能です。しかも、人間の目視検査では不可能な部分の検査を実施することも可能。
特に属人性の高い判断基準も自動化によって判定基準を明確にできます。したがって、より高度で精度の高い検査が可能となるでしょう。
外観検査を自動化することのメリットはよくわかりました。でも、メリットばかりではありませんよね?
外観検査の自動化による2つのデメリット
外観検査を自動化することによるデメリットとして考えられるのは主に次の2点です。
- 多品種少量生産への対応が難しい
- 専用設備を整える必要がある
近年の生産は多品種少量生産が主流となっています。したがって、外観検査も様々な外観に対応しなければなりません。場合によっては品種毎に検査基準が異なったり、外観自体が大きく異なったりすることもあり、対応が困難です。
また、今まで手動による外観検査を実施していた工程を自動化するには設備の導入だけでなく、周辺設備も整えなければなりません。導入費用が予想以上に必要となる可能性もあります。
外観検査の自動化に関するまとめ
本記事では外観検査の自動化について詳しく解説しました。外観検査は製品の傷や形状、印刷の状態などの検査です。これらは製品の品質と密接な関係があり、顧客への信頼という点においては非常に重要な検査と言えます。
現在は多くの製造現場において外観検査の自動化が進められています。自動化が導入される前は作業員による目視検査が主流でした。ただし、目視検査は品質的に大きな問題があります。
そこで導入をおすすめするのが外観検査の自動化です。
外観検査では画像処理が必要となります。画像処理の手順は次の通りです。
- トリガ信号(タイミング)の入力により撮像
- 撮像データから検査対象を切り出す
- 強調処理やフィルタ処理、マスク処理を施す
- 不具合箇所を検出
- 判定ルールに基づいて良否判定
また、外観検査の自動化によるメリット・デメリットには以下のようなものが考えられます。
メリット
- 人手不足解消
- コスト削減
- 生産性の向上
- より高度な検査が可能
デメリット
- 多品種少量生産への対応が難しい
- 専用設備を整える必要がある
外観検査の自動化を導入する際には上記のメリット・デメリットを考慮した上でよく検討してください。
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