協働ロボットとは、産業ロボットとの違いを解説!
- #協働ロボット
こんにちは!
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ロボットの操作をする時に使うティーチングペンダントって、メーカーによって違うから戸惑いますよね。
私も複数メーカーのロボットを同時に触ることがあるのですが、頭の中が混乱してしまいます。
産業用ロボットの操作をする際に使用するのが「ティーチングペンダント」。ロボットメーカーによっては「ティーチペンダント」や「ティーチングボックス」などとも呼ばれますが、一般的には「ティーチングペンダント」で通用します。
冒頭のように、ロボットメーカーによって機能や使用方法が異なるので混乱することもあるかもしれません。
そこで、本記事ではティーチングペンダントの基本的な使用方法や機能について詳しく掲載しました。
ティーチングペンダントの基本的な操作方法を知っておくだけで、いざという時にも役に立ちます。ぜひ参考にしてください。
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もくじ
ロボットを動作させるには、ロボット側に位置や動き方などを教えなければなりません。この操作を「教示」または「ティーチング」と言います。
そして、ロボットに位置を教示する際に使用するのがティーチングペンダントです。
ただし、ティーチングペンダントの役割りは単純に位置を教示するだけではありません。たとえばプログラミングやパラメータの設定などです。
また、ティーチングペンダントはロボットメーカーや機種によって異なります。ですから、機能だけではなく操作方法や用語なども違うので、他の機種を使用する際に混乱するかもしれません。その点は注意が必要です。
実は、ロボットの教示方法には
の2種類があります。ティーチングペンダントは上記のどちらの教示方法にも対応していますが、得意とするのはオンラインティーチングの方です。
では、上記2種類の教示方法がどのように違うのか、少しだけ解説しておきましょう。
オフラインティーチングとは、ロボットの実機の無い状態での教示やロボットのプログラミングのことを指します。
ロボットの動作を想定し、プログラミングすることは机上でも可能です。また、プログラミングを実施する際の動作位置についても、機械図面やCADデータから割り出すことができます。
オフラインティーチングの場合はティーチングペンダントではなくパソコンツールを使用することも多いでしょう。ただし、機種やメーカーによってはティーチングペンダントの方が使いやすい場合もあります。
オフラインティーチングの注意点としては、実際の位置とオフラインでの位置データは異なる場合が多いということ。したがって、ほとんどの場合、最終的にオンラインティーチングが必要となります。
オンラインティーチングとは、ロボットの実機とワークを使って位置データの教示やプログラミングを行なう方法です。
オンラインティーチングでは、ティーチペンダントを使用して教示を行なうのが一般的。時には機械の中に頭を入れて、ワークと機械の干渉などを確認しなければなりません。
したがって、危険を伴う可能性がありますので、安全には十分注意する必要があります。
ところで、ティーチングペンダントにはどのような機能があるのでしょう?
ティーチングペンダントの主な機能としては、下記の通り。
もう少し具体的に解説しましょう。
どのメーカーのティーチングペンダントにも必ず付属しているのが非常停止スイッチです。
ティーチングペンダントの非常停止スイッチは教示中はもちろん、通常運転時にも有効となります。試運転時には必須の機能と言えるでしょう。
機種によってはティーチングペンダントを取り外すことで非常停止状態となるものもあります。その場合には、専用のキャップが必要です。
非常停止スイッチと同じく安全装置としてイネーブルスイッチとデッドマンスイッチがあります。イネーブルスイッチとデッドマンスイッチが共にON状態の時のみロボットの動作が可能です。
イネーブルスイッチはティーチングペンダントの表面にありますが、デッドマンスイッチは背面にあります。
イネーブル(=enable)は動作可能、「デッドマン」は死んでいる人という意味です。
デッドマンと聞くとマイナスのイメージがあるかもしれませんが、実は重要な意味が隠されていました。人は身の危険を感じた時に強く握る習性があります。つまり、デッドマンスイッチは強く握り込んだ場合には非常停止状態となるように設計されたもの。
デッドマンスイッチには下記のように3つの状態があります。
したがって、「2」の状態の時のみロボットが動作可能。
ただし、デッドマンスイッチは多関節ロボットのティーチングペンダントには付属していますが、短軸ロボットや2軸ロボットなどのティーチングペンダントには付属していません。
その場合は単純なイネーブルスイッチでのモード切り替えとなります。
産業用ロボットのティーチングペンダントには
などの情報を表示する為の表示板があります。一部の機種ではタッチパネルが採用されており、その場合は表示だけではなく入力操作も可能です。
「軸操作キー」はティーチングペンダントのメインの機能と言っても良いでしょう。
実は、ロボットの教示方法はいくつかの方法があります。その中でも最も多く用いられる方法が、JOG操作でロボットを動作させながら位置を決定するという方法。そして、その時に使用するのが軸操作キーです。
軸操作キーはロボットの速度などを調整しながら細かい動きを指示できます。
軸操作キーでは各軸を前後・左右・上下に動作させることができるだけでなく、複数の軸があるロボットの場合にはXYZの座標軸で位置を指定することも可能です。さらに、ロボットハンドの座標軸の他にツールの座標軸も使用できます。
また、多くの産業用ロボットが採用しているのが、ホールドツーラン機能です。ホルドツーラン機能により、ボタンから手を離すとすぐにロボットの動作は止まります。
軸操作キーによるロボットの操作は難しいものではありませんが、6軸以上のロボットの場合は慣れるまでは難しいと感じるかもしれません。ですから、速度を遅くして、方向を間違えないように良く注意しながら操作することをおすすめします。
ティーチングペンダントを使用して、教示した位置データや作成したプログラムの確認が可能です。動作確認に使用するのが「運転」「停止」「JOG」などの操作ボタン。
動作確認の手順としては、まずはJOG操作でプログラム全体の確認を行い、その後に低速運転での確認をするのが良いでしょう。
ただし、ティーチングペンダントを使用した場合の運転時は速度制限がかかる機種もあるので、その辺りの確認も必要となります。
また、プログラムの作り方によっては速度を上げることでロボットの軌跡が変化することもあるので、衝突・干渉に注意しながら動作確認することをおすすめします。
では、続いてティーチングペンダントを使用する場合のメリットとデメリットについて考えてみましょう。
産業用ロボットを導入する際に使用するティーチングペンダントのメリットとデメリットについて考えてみましょう。
ティーチングペンダントを使用するメリットとして考えられるのは主に次の3点です。
ティーチペンダントの操作は誰でも簡単にできるように設計されています。したがって、ロボットの知識がなく、ティーチングの経験が浅い場合でも正しい教示が可能です。
また、ロボットの教示方法にはティーチングペンダント以外にもパソコンのツールを使った方法もあります。しかし、持ち運びが便利で直ぐに使用できるという点ではティーチングペンダントに軍配が上がるでしょう。
ティーチング時の操作方法についても、即座に停止できるという点もティーチングペンダントのメリットです。誤った操作をした場合でも、非常停止ボタンやデッドマンスイッチによって緊急停止ができます。
以上、3点がティーチングペンダントの主なメリットでした。しかし、ティーチングペンダントにはデメリットもあります。
ティーチングペンダントのデメリットとして主に考えられるのは次の3点です。
ティーチングペンダントを使用する際には、安全柵などの安全装置を解除した状態で行なう場合があります。時には作業員が狭いところに手や頭を入れながら教示をしなければなりません。
したがって、危険を伴うことを念頭に起き、安全に注意しながら作業をする必要があります。
また、ロボットのデータを変更する場合にはロボットを停止させなければならない点もデメリットです。したがって、生産しながらのティーチングペンダントによる操作は不可能。操作時には一時的な生産ロスが発生する可能性もあります。
ティーチングペンダントはロボットの位置データだけでなく、プログラミングも可能です。しかし、ティーチングペンダントでのプログラム作成は時間がかかります。
可能であれば、パソコンのツールなどを使ってオフラインでプログラムを作成し、コントローラーに転送するという方法が良いでしょう。
本記事はロボットの教示に使用するティーチングペンダントの機能やメリット・デメリットについて詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
ティーチングペンダントは位置データの教示やプログラミング、パラメータ設定などが可能なツールです。
ティーチングペンダントの基本的な機能としては次のようなものがあります。
また、ティーチングペンダントを使用した場合のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
デメリット
ティーチングペンダントはロボット操作には無くてはならない存在です。しかし、操作時には危険を伴う可能性もあります。ですから、安全に注意しながら作業を行いましょう。
また、ティーチングペンダントはロボットのメーカーや機種によって操作方法も異なります。したがって、実際に使用する前には各メーカーで開催されているロボット講習会に参加したり、ロボットSIerに相談したりするのがおすすめです。
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