ロボット導入におけるRFP作成の流れと4つのメリットを詳しく解説!
- #RFP
こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
先日、ピッキングの工程でちょっと変な形のロボットを見掛けたのですが、あれは何でしょう?3本のリンクアームが組み合わさっているようなロボットでしたが。
それは恐らく「パラレルリンクロボット」ですね!
パラレルリンクロボットはワークに大きさに個体差がある場合や品種が混在する場合のピッキング工程などに良く利用されるロボットです。また、通常の産業ロボットでのピッキングではワーク自体が破損しやすい場合にも有効です。
パラレルリンクロボットは、他の産業用ロボットとは見た目も性質も少し異なります。そこで、本記事ではパラレルリンクロボットの機構や特徴について詳しく解説しました。
パラレルリンクロボットは他の産業用ロボットよりも安価で導入ができ、高精度かつ高速な動作ができるロボットです。一般的な産業用ロボットの購入を断念した場合でも、パラレルリンクロボットなら導入可能かもしれません。ぜひ、記事をご覧になりパラレルリンクの導入を検討してください。
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もくじ
パラレルリンクロボットを言葉だけで解説するのは難しいので、まずは動画を見て確認してみましょう。百聞は一見に如かず。一般的な産業用ロボットは明らかに違う見た目と、その特徴ある動きを御覧ください。
動画を確認していただくとわかるように、3本のアームを使って器用に動くのがパラレルリンクロボットの大きな特徴です。3本のアームがリンクやベアリングを使用して動くことで、アーム先端部でワークを取ったり放したりという動作を行います。
それでは、パラレルリンクロボットの構造などについてもう少し詳しく解説しましょう。
パラレルリンクロボットの主な部品は下記の3種類です。
一般的なパラレルリンクロボットは3本のリンクアームが並列に繋がれています。そして、個々のリンクアームを個別のモーターによって駆動するイメージです。最終的には複数のモーター出力がアーム先端部の1点に集中する構造となります。
本体部分は天井に固定し、上から下にアクセスするイメージです。ゲームセンターのクレーンゲームをイメージして頂けるとわかりやすいのではないでしょうか。実際には、天井からアームを伸ばしてコンベア上のワークにアクセスします。
一般的な産業用ロボットと言えば「多関節ロボット」や「スカラロボット」のイメージです。これらは1個のモーターで1個のアームを駆動しています。したがって、「多関節ロボット」や「スカラロボット」のことをシリアルリンクロボットと呼びます。
一方、パラレルリンクロボットは前述したように、複数の関節が一つの出力先に接続されているのが特徴。複数のモーターを駆動させることで、アームの先端部分を制御するという仕組みです。下記に簡単なイメージ図(手描き)を貼っておきます。
上記のような機構により、パラレルリンクロボットはアーム先端部分の動きに特徴が出ます。
パラレルリンクロボットは前述した機構により、下記のような5つの特徴があります。
パラレルリンクロボットは機構上の問題でリンクアームの到達範囲やリンクアーム間の干渉などの影響で可動範囲が広いとは言えません。ただし、複数のリンクやベアリングによって構成されているので剛性が高くなります。
また、剛性が高くなることで、高速動作にも耐えることが可能です。しかも、複数のモーター出力が一点に集中するために高出力となります。高速かつ精密な作業を必要とするピッキングには最適なロボットと言えるでしょう。
高速かつ精密な動作ができることで、高性能なコンベアトラッキングも可能です。ロボットがコンベアを止めることなく搬送・整列させることができるので、高速な選別作業にも適しています。
しかし、これだけの機能を備えていても、パラレルリンクロボットは機構がシンプル。他の産業用ロボットと同様にメンテナンスの知識は必要となりますが、機構がシンプルなのでメンテナンス作業は非常に簡単です。
パラレルリンクロボットが高速で動く秘密がよくわかりました!
では、パラレルリンクロボットの特徴を活かした具体的な事例を紹介しましょう!
パラレルリンクロボットの活用例として、
の2つを紹介します。
下記の動画はPanasonic製のパラレルリンクロボット活用事例です。プリント基板組み立てシステムの複数工程でパラレルリンクロボットを利用しています。
動画内では下記4つの工程が紹介されていました。
特にフレキ挿入などの工程は人間の手でも難しい作業です。パラレルリンクロボットは高速動作だけではなく、精密作業にも最適ということがよくわかります。
下記の動画は2台のパラレルリンクロボットを使用して焼き菓子のピッキング作業を行なっている活用事例です。
動画では、2台のパラレルリンクロボットを使って焼き菓子をコンベア上に整列させています。特徴としては、コンベアのチョコ停時にバッファー動作を行なっている点です。バッファー動作ではバッファー用のコンベアに整列させ、コンベアが復帰したらバッファー部分から取り出すという制御となっています。
パラレルリンクロボットの高速性能を活かして生産性の向上を図った良い例でしょう。
それでは最後にパラレルリンクロボットの主要メーカーを紹介しましょう。
国内でパラレルリンクロボットメーカーを製造しているメーカーは多数ありますが、その中から代表的なメーカーを下記の4社に厳選して紹介します。
それでは、それぞれのメーカーの特徴などについて紹介しましょう。
所在地 | 山梨県忍野村 TEL:(0555) 84-5555 |
ロボットの種類 | 協働ロボット、ミニロボット、スカラロボット、ゲンコツロボット、アーク溶接ロボット、中小型ロボット |
特徴 | ファナックのパラレルリンクロボットは「ゲンコツロボット」という名称で販売されています。1号から3号まで3種類の機種があり、用途に応じて選択が可能です。2009年にはゲンコツロボット「M-1iA」が第52回 十大新製品賞 本賞を受賞しています。 |
活用事例の章で紹介している「プリント基板組み立てシステム」で使用しているパラレルリンクロボットがPanasonicの商品です。
所在地 | 大阪府門真市大字門真1006番地 TEL:06-6908-1121 |
主な機種 | PLR-D500・PLR-S400・PLR-S600・PLR-S800 |
特徴 | Panasonicの販売しているパラレルリンクは主に上記の4機種です。可搬重量や最高速度に加えて可動範囲によって機種の選択が可能となっています。 衝突検知機能やパレタイジング機能、簡単教示機能を搭載することで変種変量生産にも対応可能です。 |
所在地 | 北九州市八幡西区黒崎城石2番1号 TEL:093-645-8801 |
主な機種 | パラレルリンク:MOTOMAN-MPP3S・MOTOMAN-MPP3H 垂直多関節 : MOTOMAN-MPK2F・MOTOMAN-MPK2F-5 7軸垂直多関節・双腕:MOTOMAN-SDA5D/5F・MOTOMAN-SDA10D/10F |
特徴 | 安川電機のパラレルリンクロボットは自己潤滑樹脂の採用により、ボールジョイント部のグリースレス化に成功しました。グリースレス化によって、メンテナンスが更に容易になっています。 また、酸、アルカリ薬剤で殺菌洗浄が可能となっているので、食品などを扱う現場でも衛生面での心配は不要です。 |
ムラテックは2020年4月1日に村田機械株式会社から移管した企業です。
所在地 | 滋賀県蒲生郡竜王町弓削37 TEL:0748-57-2000 |
主な製品 | センサシステム・制御機器 磁気誘導式センサシステムの開発・製造 パラレルメカニズムロボット |
特徴 | 毎分180サイクルの高速稼働が可能。また、アームと旋回軸には、ムラテック独自技術のカーボンシャフトを採用。軽量高剛性アームを実現が大きな特徴となっています。 |
本記事ではパラレルリンクロボットの機構や特徴について詳しく解説し、実際の活用事例や主要メーカーを紹介しました。もう一度記事を振り返っておきましょう。
パラレルリンクロボットは3本のリンクアームが並列に繋ぎ、複数のモーター出力がアーム先端部の1点に集中するような構造をしているロボットを指します。
他の産業用ロボットとは見た目も動作も大きく異なり、高速かつ精密な動作が可能です。また、比較的簡単な構造なのでメンテナンスが容易な点も大きなメリットと言えます。
記事内では、パラレルリンクロボットの活用事例として下記を紹介しました。
パラレルリンクロボットはピッキングシステムに利用されるイメージが強いかもしれません。しかし、実際は高速かつ高精度な動作を利用して基板などの精密機器を組み立てることも可能です。
記事内で紹介したパラレルリンクロボットの主要メーカーは下記の4社でした。
それぞれに特徴があるので、パラレルリンクロボット導入の際には比較検討されることをおすすめします。
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