FMS(フレキシブル生産システム)とは?メリットや導入事例を紹介
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こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
先日、とある中国企業の動画を観る機会がありました。
そのハイテクさに驚きますよね。
確かにそうですね。日本もハイテクですが、中国の『新しい技術を直ぐに取り入れる』ところはなかなか真似できません。
ドイツが主導となり、「インダストリー4.0」という流れができています。現在、日本でもDX推進という言葉を良く耳にするようになりました。実は、このような変革の流れは世界中に拡がりを見せています。
特に注目すべきは、2015年7月に中国で公表された「中国製造2025(Made in China 2025)」です。
しかし、中国製造2025と聞いても何のことかさっぱりわからないという方も多いのではないでしょうか。実は私もその一人でした。
そこで、本記事では中国製造2025についてどこよりもわかりやすく解説しています。今、中国で何が起こっているのか、そして中国の動きによって世界的な動きがあるのかについても興味深いところです。
世の中の流れを知り、今後の仕事に役立てましょう。
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もくじ
2015年7月、中国政府が自国の製造業を発展させるために打ち出した経済戦略が「中国製造2025(Made in China 2025)」です。中国製造2025では、これまでの量で圧倒する「製造大国」から、質や技術を重視する「製造強国」への転換を狙っているというのが一般的な見解でしょう。しかし、実際はそんなに簡単なことではありません。
では、真の中国製造2025はどのような意味があるのでしょうか。それは、中国の歴史的背景を考えることでよく理解できます。
実は中国の歴史は反乱から滅亡、建国という状況の繰り返しでした。そして、敗者は誅殺されるのがセオリーという厳しい世界。そのような歴史から、中国では「反乱から滅びる」という研究がなされています。
ところで、中国で起こった「日本製品不買運動」をご存じでしょうか。事の発端は2012年の尖閣諸島問題でした。
日本製品不買運動で多くの中国人や中国政府が気付いたことがあります。それは、中国製品を買っても、その中身は日本製ばかりということです。たとえばスマートフォンの中のコア部品と呼ばれるものはほとんどが日本製でした。
ここで、中国政府は「コア部品を自国生産しないと中国は滅亡する」と考えます。中国において、敗者は誅殺されるのがセオリーだからです。
それまで、中国は世界の工場であると自負していました。しかし、日本製品不買運動によって、実はコア部品を製造できないという事実が発覚してしまったのです。
この問題は中国政府にとっては屈辱でした。そこで、習近平が命を賭けて取り組んだ国家戦略が「中国製造2025」です。
中国製造2025では、下記のような段階的ステップを設定しています。
つまり、第1段階から第3段階の3ステップで製造強国になる計画。最終的な目標は、建国100周年に当たる2049年までに製造強国の先頭グループに入ることです。
実は、「製造強国」が本当に意味することは「軍事強国」です。情報としては少ないかもしれませんが、中国の一路一帯計画の一つであるとも考えられます。
そして、中国製造2025の目標達成のために具体的な対策として明確にしているのが、下記の3点です。
それぞれについて、次章以降で詳しく解説していきましょう。
まずは中国製造2025の基本方針から!
中国製造2025では、下記のような5つの基本方針を掲げています。
イノベーションとは、『新たな考え方や技術を取り入れて新たな価値を生み出し、これまでにない新しいサービスや製品などを生み出す』ことです。したがって、中国製造2025では、新しいサービスや製品を生み出す土台を作ります。
そのうえで、粗悪な物を作り出しても意味がありません。品質を優先し、さらに環境保全に配慮することを掲げています。
また、構造最適化では先端製造業やサービス型製造業への転換を目指します。そして、人材本位として信用を築き上げることも大きな目標です。
上記の基本方針を落とし込んだものが、9大戦略目標となります。
それでは、9大戦略目標について解説しましょう。
中国政府は中国製造2025を達成するため、前述した5つの基本方針を具体的な「9大戦略目標」として展開しています。
つまり、産業構造の変化を取り入れつつ、より高度で本質的な強化を行うための戦略です。
具体的には、デジタル化や環境に配慮した産業構造やサービス型製造と生産者型サービス業など、従来は無かった産業構造への変革が必要となっています。
世界的に産業分野ではIoTを活用したDXへの取り組みを見せていますが、中国製造2025でも産業分野を情報化させる流れです。具体的には、製造業の設備投資や製品開発において情報化促進を図っています。
また、電子商取引(Eコマース)やコンサルティング、知的財産権等といった生産者サービスにも取り組み、基礎能力・品質・ブランド力の強化に努めなければなりません。基礎能力としては、中国製造2025において下記の4つの強化を目指しています。
応用研究をするためには、基礎研究が重要です。そのための土台固めをする必要があります。
また、複数の「製造業イノベーションセンター」を設立し、国家として製造イノベーション能力を向上させることも大きな目標です。
さらに、製造業の国際化発展レベルの向上として「10大重点産業分野」を指定し、国外企業との技術協力の推進を目指すと共に中国企業の海外進出を支援しています。
10大重点産業分野なんてものがあるんですね?
前述「9大戦略目標」の6項目目に記載されている「重点分野」は下記の10種類の産業分野のことです。また、さらに細分化したものを( )内に記載しました。細分化した産業分野を含めると全部で23となります。
上記の分野が世界でも注目を集めていることは言うまでもありません。しかし、それ以上に今後の中国において市場の発展が期待される分野です。
また、下記のような「中国の社会的課題」とも密接な関係があります。
これらの重点部門においては政府主導で様々な対策を取っており、今後ますます発展していくことになるでしょう。
中国製造2025の鍵を握っているのは半導体の製造です。中国では半導体の国内消費量に対し、国内供給量が低くなっています。したがって、半導体の国内供給量を引き上げることが大きな課題です。
目標としては、2020年までに40%、2025年までに70%に引きあげること。しかし、実現は簡単なことではありません。
世界で最も大きな半導体メーカーは米国クアルコムです。そして、米国クアルコムに対等に勝負できるのはファーフェイ(華為・HUAWEI)しかありません。「中国製造2025」の重要な担い手として半導体設計をリードしているのは、間違いなくファーウェイです。
しかし、2020年に米国は「国家情報法」「軍民融合促進法」によって制裁を加え、米国内においてファーウェイのサービス購入・利用が禁止されました。この問題を受け、イギリス・インド・日本などの各国もファーウェイ製品を排除する流れとなっています。
元来、中国製造2025は経済の発展が目的ではないという考えもあります。なぜなら、重点分野の
などは軍事転用が可能だからです。実際、中国製造2025の中には民間の技術力を軍事利用する「軍民融合」の促進も明記されています。これにより、米国側の警戒は強まるばかりです。
また、以前より米国と中国には貿易摩擦がありました。よって、今後は中国製造2025の計画通りに進まない可能性もあるでしょう。
中国製造2025では、最終的には半導体なども全て中国国内で製造することが目標です。しかし、最初から全てを中国国内で製造することはできません。
その点、現在の日本企業は先進国として高い技術を持っています。したがって、中国企業からの要請があれば日本企業と連携し、先端技術や材料、発明などを共有することになるでしょう。
新型コロナ感染拡大以降、チャイナリスクを危惧する声も聞くようになりました。しかし、2019年の調査では、中国進出日本企業の8割以上が中国市場での現状維持・拡大を望んでいます。
よって、今後も中国企業と日本企業の連携状況は今後も大きく変化することはないでしょう。
本記事では中国製造2025について詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
中国製造2025は2015年7月に中国政府が自国の製造業を発展させるために打ち出した経済戦略で、下記3つの段階で目標を達成するように設定されています。
中国製造2025の目標達成のために具体的な対策として明確にしているのが、下記の3点でした。
中国製造2025において、大きな鍵を握っているのは半導体製造です。しかし、米国との貿易摩擦などの影響もあり、計画通りに進めることは難しいかもしれません。また、日本企業がどのような関わり方をするのかという点についても、動向を見守る必要があります。
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