日本の製造業が抱える7つの課題!自動化とDX化がカギ!
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こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
開発から製品の製造までの時間を短縮したいのですが、何か良い方法はありますか?
それならコンカレント・エンジニアリングですね!
場合によっては開発期間を劇的に短縮できるかもしれません。
コンカレント(Concurrent)とは、「同時に起こる」「並列の」という意味です。つまり、コンカレント・エンジニアリング(CE:Concurrent Engineering)は複数の業務を同時に行う開発手法ということになります。
開発と言えば主となるのが設計部門ですが、コンカレント・エンジニアリングは設計段階から生産技術部門・製造部門などと連携を図りながら同時進行させるというもの。結果として開発の効率化や期間短縮が可能となります。
そこで、本記事ではコンカレント・エンジニアリングの特徴やメリット・デメリットなどについて詳しく解説しました。
開発期間の短縮方法を探しているという場合には、ぜひ記事を参考にしてください。
工場自動化・ロボット導入に関してお悩みがあれば、お気軽に製造DX.comまでお問い合わせください!
多数の企業が参加する弊社独自のコミュニティを駆使して、お悩みに沿った最適なご提案をさせて頂きます。
もくじ
コンカレント・エンジニアリングは、数十年前にアメリカで生まれた「開発プロセス短縮化」の手法です。その手法が日本の企業でも導入されるようになりました。
日本では大手自動車メーカーから導入され始め、家電や重工業などの幅広い製造業に導入されています。また、コンカレント・エンジニアリングを取り入れているのは大企業だけではありません。実は、中小企業においても、開発・製造プロセスの改善策として積極的に取り入れられている手法です。
ただし、グローバルで勝ち残るためには、製造において重要なQCD(品質・コスト・納期)の3要素が極めて重要となります。QCDについては下記リンク記事も参考にしてください。
>>製造業にも欠かせないQCDとは?基本的な知識と改善するメリットなどを解説
ところで、コンカレント・エンジニアリングは従来の手法と何が違うのでしょう?
従来の製品開発は上流工程から下流工程へ、開発手順を1つずつ確認しながら順に進めていくという手法でした。水が上から下に落ちるようなイメージとなるので「ウォーターフォール(water fall・滝)型開発」と言われています。
ウォーターフォール型開発の大きなデメリットは後戻りができない点です。したがって、一つ一つの工程に間違いが起こらないように厳重に管理しなければなりません。
では、コンカレント・エンジニアリングの場合はどうでしょうか?
コンカレント・エンジニアリングは下記のような複数のプロセスを同時並行で実施する手法です。
相互のプロセス間で情報交換することで同時並行が可能となり、ウォーターフォール型開発のデメリットをカバーできます。もちろん、同時並行なので開発期間の短縮も可能です。
それでは、コンカレント・エンジニアリングの具体的な手法について紹介しましょう。
製造業におけるコンカレント・エンジニアリングで活用されるのが次の2つの手法です。
コンカレント・エンジニアリングでは開発初期における各プロセスの問題を発見しなければなりません。また、問題点を発見するだけではなく、下記の仕組み作りも重要となります。
上記2つの手法は問題の発見と解決に有効です。
コンカレント・エンジニアリングについては理解できましたが、開発を進める際に必要となるツールなどはありますか?
製造業でのコンカレント・エンジニアリングを進めるうえで主に必要となるツールは下記の4つです。
それでは、それぞれのツールについて、もう少し具体的に解説しましょう。
CAD(キャド・Computer Aided Design)は、コンピューターを使って製品設計や図面の作成を行うツールです。3Dプリンターの認知度が高まったことにより、CADの存在も一般的に認知されるようになりました。
CADには主に下記のような種類があります。
また、大きく分類すると「2DCAD(2次元)」「3DCAD(3次元)」があり、特に近年は3DCADが手軽に使えるようになりました。3DCADを使用することで、実際の製品をイメージしやすくなります。
30年ほど前までは手描きで図面を描いていた企業もあったかもしれません。しかし、現在はコンピューター自体も簡単に入手することができるようになり、CADでの設計が当たり前となっています。
コンカレント・エンジニアリングではCADでの設計が必須です。
CAM(キャム・Computer Aided Manufacturing)とは、CADで作成した図面データから、工作機械の加工に必要なプログラムなどを作成するツールです。また、生産工程の管理や制御を行うこともできます。
中には、最初からCADとひとまとめにされたCADCAM(キャドキャム)というツールも販売されています。ただし、後工程となる工作機械などとの互換性が問題となるので、導入前には確認が必要です。
コンカレント・エンジニアリングにおいてはプログラミングなどの工程を省く上で便利なツールと言えます。
CAE(シーエーイー・Computer Aided Engineering)は、コンピューター上でシミュレーションや解析を行うためのツールです。仮想試作や試験などの確認がコンピューター上で可能となります。
コンピューターの性能が向上したこともあり、物理現象などの様々な解析ができるようになりました。CADやCAMとも連携し、CAEで解析した結果をフィードバックすることで設計検証や加工検証も可能です。
現在では金型内で溶融樹脂がどのように流動するのかなどのシミュレーションもできるようになり、加工時の条件設定にも役立っています。
コンカレント・エンジニアリングにおいて、実際に製造する前にシミュレーションができることは大きなメリットです。
PDM(ピーディーエム・Product Data Management)とは、「製品データ管理」のことです。PDMを活用し、
などを一元管理することで設計変更、開発期間の短縮、コスト削減を実現します。PDMはコンカレント・エンジニアリングにおける情報共有には欠かせないシステムです。
それでは、コンカレント・エンジニアリングを導入した場合のメリットとデメリットについて見ていきましょう!
コンカレント・エンジニアリングを導入することで、得られるメリットとして考えられるのは主に次の4点です。
コンカレント・エンジニアリングによって製品開発が効率化され、納期短縮が可能になることはこれまで何度も述べてきました。
そして、工数が減ることによって、人件費も削減可能です。人件費削減はコスト面での大きなメリットと言えるでしょう。
品質面でもメリットが得られます。下流工程を想定した設計が容易となり、設計品質が向上。それに伴い製品品質も向上することが期待できます。
また、アウトソーシングなどにより開発と製造が別ということも考えられますが、コンカレント・エンジニアリングなら協業も可能です。
では、続いてデメリットについて考えてみましょう。
コンカレント・エンジニアリングのデメリットとして考えられるのは次の2点です。
コンカレント・エンジニアリングでは開発期間の短縮が可能です。しかし、導入時にルールを整えなければ、逆に開発が遅延する可能性もあります。特に問題となるのは情報共有やコミュニケーション部分です。
また、属人化に頼った業務についても見直す必要があります。業務の属人化により、開発が滞るケースもあるので注意しましょう。
情報共有やコミュニケーション面で円滑に業務を遂行するにはソフト面の環境整備が必要となります。
しかし、ソフト面の環境整備はある程度の知識と導入費用も必要。これらはコンカレント・エンジニアリング導入の妨げとなるかもしれません。
本記事では開発期間を短縮するコンカレント・エンジニアリングについて詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
コンカレント・エンジニアリングは、数十年前にアメリカで生まれた「開発プロセス短縮化」の手法です。
コンカレント・エンジニアリングは、従来の開発手法とは異なり、「企画」「設計」「実装」「テスト」など複数のプロセスを並行して実施します。
コンカレント・エンジニアリングに必要なツールは主に下記の4種類。
上記のツールをを活用し、コンカレント・エンジニアリングを実施することで下記のような多くのメリットが得られます。
ただし、導入時のルールやソフト面の整備をしなければならない点がデメリットです。
近年は開発期間の短縮化や短納期化を要求されることが増えてきました。そんな悩みを解決するのが、コンカレント・エンジニアリングです。これを機にコンカレント・エンジニアリングへの取り組みを検討してはいかがでしょうか。
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