企業はカーボンニュートラルにどのように取り組むべき?日本や海外の例を紹介
- #カーボンニュートラル
こんにちは!
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製造業界も時代と共に変わってきましたよね。工場を持たない企業もあるとか。
EMSなどはそうですね。海外のPCメーカーなんかに多いですよ。
製品を製造するには、設計・開発から配送までの工程が必要です。一般的には全てを自社工場で実施したり、一部を外注に委託したりということになります。生産形態の一つとして、特徴的なのがEMSです。EMSはほとんど全ての工程を委託するというもの。
そこで、本記事ではEMSとはどのような生産形態なのかを詳しく解説しました。また、EMSのメリット・デメリットや今後の展望についても解説しています。
新たな製品の生産の際にはEMSを検討してみてはいかがでしょうか。ぜひ、記事を最後までご覧になり、EMSについての理解を深めてください。
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もくじ
EMSとはElectronics Manufacturing Serviceの略。日本語では製造受託企業を意味します。つまり、他社の電子機器製品の製造を請け負うサービスです。簡単な言葉で表せばアウトソーシングということになるでしょう。
EMSの事業形態は米国ではじまりました。EMS企業の特徴は、独自ブランドを持たずに複数のメーカーからパソコンや携帯電話などの電子機器の製造を請け負うという点です。
アウトソーシングというとOEM(Original Equipment Manufacturing)やODM(Original Design Manufacturing)のイメージがあるかもしれません。それでは、OEM・ODMとEMSはどのように違うのでしょうか。
OEMは製品の生産を受託する生産形態のことです。OEMの場合は製品の設計・開発は自社で行い、生産のみを受託するということになります。
EMSはOEMとは異なり、
といった全ての工程を受託するものです。OEMよりも範囲が広いのが特徴。ただし、OEMには次の2種類がああることも覚えておきましょう。
したがって、OEMを利用することで、ブランドの知名度向上に役立ちます。EMSとOEMは良く似ているので、場合によってはうまく使い分けるのがおすすめです。
ODMは企画・設計・製造までを受託する生産形態です。OEMとは異なり、企画・設計を含んでいるという点ではEMSに近い生産形態と言えます。ODMはパソコン業界や携帯電話業界で幅広く採用されている生産形態です。
では、EMSとODMはどのように異なるのでしょうか。
EMSは設計から生産までの全てを請け負います。つまり、ほぼ丸投げ状態と言っても良いでしょう。しかし、ODMは丸投げではありません。各工程を発注元と綿密な打ち合わせの上、共同作業をしていくイメージになります。
つまり、EMSの方が受託する企業の自由度が高いということです。実は、自由度が高いことで、EMSの製造領域は拡大し続けています。
EMSは電子機器製品の受託を表していますが、近年では電子機器以外の製造業へも拡大してきました。主な業界は以下の通りです。
自動車産業には電子部品なども多く搭載されているので、EMSが利用されているということは理解できます。しかし、近年では産業機械やロボット産業などに関してもEMSが拡大。今後は更に多くの業界へと拡大していくことが予想されます。
EMSが製造受託企業だということについては理解できました。しかし、EMSには何かメリットがあるのでしょうか?
EMSには委託企業側にメリットがあるから利用しますが、実は受託企業側にもメリットがあります。それぞれにどのようなメリットがあるのか詳しく解説しましょう。
EMS委託企業側のメリットとして主に考えられるのは次の2点です。
まずはコストダウンについて考えてみましょう。EMS委託企業側は製造を他社に委託することで、下記の2点が不要となります。
つまり、製造を委託することで設備投資費用や人件費の削減が可能。設備や人件費で浮いた費用を製品の設計・開発や販売などに活用することができます。実際、近年では工場を持たないファブレス企業が増えてきたのもEMSという概念が拡大しているからです。
では、リスク回避という点についてはどうでしょうか。製造業界における大きなリスクとして考えられるのは、製品の陳腐化です。製品の陳腐化を防ぐには新たな設計・開発を行い、設備に投資する必要があります。
しかし、EMS企業であれば、委託側が設備投資する必要はありません。つまり、陳腐化というリスクを回避することができるのです。
EMS受託企業側のメリットとして考えられるのは主に次の2点です。
EMS受託企業側は特定の委託企業の製品だけを製造するわけではありません。自社製品を製造することもあれば、他の委託企業の製品を製造することもあるでしょう。
したがって、自社製品のみを製造しているときよりも生産規模が大きくなります。生産規模が大きくなることで、部材の大量購入が可能。結果として部材の調達コスト低減というメリットが得られます。
また、受託企業側には無い、委託企業側独自の技術やノウハウを学ぶことが可能です。たとえば大きな企業からの委託だった場合には、量産技術や生産管理などのノウハウも得ることができるかもしれません。自社製品だけを製造していては得られないメリットと言えるでしょう。
EMSが委託側にも受託側にもメリットがあることはよくわかりました。
しかし、何かデメリットもありそうですね。
EMSでは、下記のような3つのデメリットが考えられます。
実は、EMSでは委託企業側が受託企業側の製造現場に対する直接指示ができません。契約により、技術やノウハウの提供はできても、直接的な指示ができないということは委託企業側にとっては大きなデメリットです。
また、製品の品質管理についても同様に製造現場のことなので、直接的な指示ができないことになります。委託企業側が品質管理にかかわることができない点もデメリットと言えるでしょう。
トラブルが発生した際にも直接指示ができないことで、原因追求に時間を要します。責任の所存が委託側にあるのか、受託側にあるのかという切り分けも必要です。そして、トラブルが発生したことにより受託側と委託側双方の評判を傷付ける可能性もあります。
実は、日本国内の企業では自前主義というものを強く貫いてきました。そのため、EMSへの対応は世界のメーカーと比較すると一歩出遅れたという印象があります。
ここでは国内と海外に分けて、今後のEMSの展望を解説しましょう。
近年は日本国内の各メーカーに自社工場をEMS企業として独立させたり、EMS企業を積極的に利用したりという動きが出てきました。具体的な対応事例は下の表を参考にしてください。
企業名 | 対応事例 |
---|---|
ソニー | 台湾と中新田の工場をEMS大手のソレクトロンに売却。 グループの生産子会社を統合し、生産統括会社ソニーEMCSを設立。 ソニーEMCSで設計、製造、顧客サービスまでを手掛ける。 |
NEC | 海外の生産子会社をセレスティカなどの大手EMS企業に売却。 最先端製品を生産する数カ所以外は、国内工場の全てをNEC向け以外の製品も製造するEMS企業として分離・独立させる計画。 |
松下産業 | 事業部門と工場が一体となった従来の生産体制を改め、工場を事業部門から分離。 特に、藤沢工場は松下向け以外の製品も製造するファクトリーセンターとして発足。 |
横河電機 | 多品種少量生産や少品種多量生産など様々な生産形態に関するノウハウ活用などの目的で、5つの生産子会社を統合し、独自のEMSを目指す新会社を設立。 |
それでは、海外のEMS企業は今後どのような展望となっているのでしょうか。
海外EMS企業の業界規模は右肩上がりに成長を続けており、今後しばらくはさらに拡大していくことでしょう。実は日本国内でも、大阪の「シークス」や埼玉の「UMCエレクトロニクス」といった日系EMS企業の海外進出が注目されています。
現在、電子機器業界でトップと言えば、中国や台湾です。しかし、中国や台湾においては、下記のような不安要素があります。
したがって、今後は東南アジアが生産拠点として台頭してくるという見方もあります。それに追従してEMS企業にも大きな動きがあるかもしれません。
下記はEMS企業の世界ランキングです。トップ10社の内、7社が台湾企業となっています。
日本企業はランキングには入っていませんが、近年は日系EMS企業の海外進出が注目を集めています。中でも、大阪の「シークス」・埼玉の「UMCエレクトロニクス」については、今後の成長にも期待できます。
本記事ではEMS(製造受託企業)という生産形態について詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
EMSとはElectronics Manufacturing Serviceの略で、他社の電子機器製品の製造を請け負うサービスです。
EMSには下記のようなメリットがありました。
委託企業側のメリット
受託企業側のメリット
EMSは委託企業側・受託企業側の双方にメリットがありますが、同時に下記のようなデメリットもあります。
したがって、EMSを利用する際にはメリット・デメリットを検討する必要があるでしょう。
EMSは日本ではまだそれ程浸透していません。なぜなら、日本国内の企業では自前主義というものを強く貫いてきたからです。しかし、近年は各メーカーに自社工場をEMS企業として独立させたり、EMS企業を積極的に利用したりという動きが出てきました。
今後、EMSを取り巻く業界規模は拡大していくことが予想されます。
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