溶接ロボットって?その仕組みや価格、主要メーカーなどを紹介
- #溶接ロボット
こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
やっぱりどうしてもロボットじゃできない作業ってありますよね。
細かい研磨作業とか・・・
確かに、まだロボットに置き換えられない作業は多いかもしれません。
でも、研磨ロボットを導入される工場も増えましたよ。
ロボットによる自動化が進んできた昨今ですが、熟練の職人技という部分においてはまだまだロボットに置き換えられない作業もあります。研磨作業についても、熟練の技というイメージが強い工程ではないでしょうか。
しかし、近年はロボット技術も向上し、研磨ロボットを導入している企業も増えてきました。ロボットを導入することで、多くのメリットも得られます。
そこで本記事では、研磨ロボットの仕組みや導入メリットなどについて詳しく紹介しましょう。
研磨工程は人手作業でなければならないという固定観念を取り払い、研磨ロボットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
工場自動化・ロボット導入に関してお悩みがあれば、お気軽に製造DX.comまでお問い合わせください!
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もくじ
研磨ロボットとは上の動画のイメージ通り、研磨加工を行うロボットのことです。研磨加工を具体的な言葉で表すと、次の2つになります。
つまり、研磨ロボットとは工作物の表面を磨いて滑らかにする表面処理を行うロボットのことです。研磨方法には、下記のような方法があります。
上記の中でも研磨ロボットとして主に用いられる方法は、「砥石研磨」と「バフ研磨」です。それぞれについて、もう少し詳しく解説しましょう。
砥石研磨は、砥石を使用して工作物表面を磨く方法で、金型の仕上げなどに使用される方法です。研磨ロボットでは、高速回転させた砥石をロボットによって移動させたり、工作物をロボットで移動させたりして工作物を磨きます。
砥石研磨の特徴は、砥石表面から出た砥粒が「刃物」として働いて工作物表面を削るという点です。砥石自体が摩耗しても、砥石の切れ味は常に一定となります。
フェルトなどの柔らかい素材でつくられた「バフ」を回転させ、工作物を研磨する方法です。バフに付着させた研磨剤によって工作物を磨きます。
バフ研磨は多くの場合、研磨加工の最終工程で使用されます。
研磨ロボットはどのような仕組みなのでしょう?
一般的な研磨ロボットの構成は
の組み合わせです。また、ロボットアームの利用方式として、次の2種類があります。
つまり、ワークを可動にするか、研磨機を可動にするかの違いです。もう少し詳しく解説しましょう。
研磨機が固定式の研磨ロボットの場合、ワーク側を移動させる必要があります。つまり、ロボットアームのエンドエフェクタでワークをチャックさせ、研磨機に当てながら研磨する方式です。
注意点としては、研磨機と研磨ロボットの動作を連動させなければならないという点。研磨機の加工量や仕上がりなどを調整する必要があります。
ロボットのエンドエフェクタに研磨機を装着した研磨ロボットの場合、ワーク側を固定します。正確に固定されたワークに対し、研磨機の押し付け圧力を一定にしなければなりません。
最適なティーチングによってロボットの位置やトルクを制御します。
研磨ロボットの構成が2種類あることはよく理解できました!
それでは続いて研磨ロボットのメリットについて考えてみましょう!
研磨ロボットを導入することで得られる主なメリットは下記の4点です。
総合的に考えた場合、コスト削減や利益の向上というメリットが得られるでしょう。それでは、上記3点について、もう少し詳しく解説していきましょう。
研磨作業は熟練工の仕事というイメージが根強く残っています。しかし、熟練工がいつまでも従事できるとは限りません。しかも、現在は熟練工を育てるどころか、新規採用も困難な時代です。
したがって、人手作業を研磨ロボットに置き換えることができれば、人手不足は解消できます。また、研磨工程は意外と重労働な場合もあるので、ロボットに置き換えることで離職率の低減も期待できるでしょう。
研磨ロボットの導入には導入費用が必要ですが、長期的に考えれば人件費のコストダウンが可能です。
もしかすると、「研磨ロボットを導入したが、品質が安定しない」という話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、技術は日々進歩しているので、現在の研磨ロボットは高品質です。
研磨は精緻な技術が要求される作業なので、人手作業では品質が安定しません。作業員の技術のばらつきや感覚的な問題をはらんでいるからです。しかし、研磨ロボットはティーチングした通りの動作を実施するので、安定した研磨品質を保つことができます。
研磨ロボットは24時間稼働し続けることが可能なため、生産性の向上につながります。
人手作業での研磨は24時間稼働し続けることが困難です。主な要因として、休憩時間や交代によるロスなどが考えられます。しかし、研磨ロボットを導入すれば休憩する必要はありません。
また、加工時間についても、人手作業をしている時よりも短縮が可能。結果として生産効率が向上します。
研磨工程は粉じんを発散する作業なので、人体に有害です。
粉じんを長期間吸入した場合、「じん肺」および「じん肺合併症」を発症する可能性があります。これは、肺の組織が硬くなって弾力性を失う呼吸器系疾患です。
しかし、研磨ロボットを導入すれば、人体に与える影響を極力減らすことができます。
安全面は離職率の低下にもかかわる重要なメリットでしょう。研磨工程での安全性を確保するなら、研磨ロボットの導入がおすすめです。
健康被害ということを考えた場合、研磨ロボットを導入しない理由がわかりませんね。
それでは続いて研磨ロボットの国内メーカーを紹介しましょう。
研磨ロボットの国内メーカーの中から、代表的な3社を紹介しましょう。
ヤマハと言えば「楽器」や「バイク」のイメージが強いのではないでしょうか。実は、ヤマハファインテック株式会社は、楽器製造で培ったノウハウと熟練工の技によって要求精度の高い研磨ロボットの製造・販売を行っています。
ヤマハファインテックが製造している研磨ロボットは下記の制御技術が特徴です。
熟練工の感覚をソフトウェアで再現したと言っても過言ではありません。代表的な研磨ロボットの事例としては、下記のような4種類があります。
小型部品から大型部品までの研磨が可能なラインナップです。
安川電機の研磨ロボットはロボットアーム単体での製品ラインナップです。したがって、周辺機器などは別途設計・製造が必要となります。ロボットアーム単体なので応用範囲も広く、工夫次第で様々な研磨が可能でしょう。
上記は鏡面加工ロボットの紹介動画です。3分程度の短い動画なので、ぜひ御覧ください。
安川電機の研磨ロボットの最大の特徴は操作方法が簡単という点です。動画を見ていただけると一目瞭然ですが、3D CADから簡単に動作プログラムを自動生成できることがわかります。表面加工に必要な動作パターンも多くの選択肢の中から最適なパターンを選択するだけなので、非常に簡単です。
川崎重工業の研磨ロボットは適切な力を加えるフィードバック制御ができます。更に多軸ポジショナーとロボットとの連動も可能なので、精緻な研磨が必要な部品加工にも最適です。
川崎重工業の研磨ロボットも基本的にはアームロボット単体での販売ですが、単腕だけでなく双腕スカラロボットも取り揃えています。したがって、応用範囲も広く、さまざまな研磨工程で利用可能です。
本記事では研磨ロボットについて詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
研磨ロボットとは、
という研磨加工を行うロボットのことです。研磨ロボットの仕組みとしては、「ロボットアームにワークを固定(研磨機を固定)する方式」と「ロボットアームに研磨機を装着(ワークを固定)する方式」の2種類がありました。
研磨ロボットを導入した場合に考えられるメリットは、下記の4点です。
研磨ロボットの導入の際には導入費用が高いイメージがあるかもしれません。しかし、上記のメリットを鑑みると、結果的にはコストダウンにつながることがわかります。
また、記事内では研磨ロボットの国内主要メーカーとして、下記の3社を紹介しました。
他にも研磨ロボットを製造・販売しているメーカーはあるので、研磨ロボットの導入を検討されている場合にはお気軽に相談してください。
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