既にいろんな工場で運用されている!IoT導入をする際の注意点とメリットを解説!
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こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
製造ラインの検査方法って色んなものがあるのですね。
この前、見学に行った工場では容器の穴を見つける検査機がありました。
ピンホール検査ですね。
実はピンホール検査の方法はいくつも種類があるんですよ!
目に見えないほどの小さな穴の開いたフィルムや容器などは不良品です。したがって、検査によって排除しなければなりません。小さな穴のことをピンホールと言い、ピンホールを発見するのがピンホール検査です。
ピンホール検査を必要とする製品は非常に多いので、あなたの身の回りの生活用品も検査を通った良品かもしれません。
そこで、本記事ではピンホール検査の仕組みについて詳しく解説し、更にピンホール検査メーカーについても紹介しました。
ぜひ記事を最後までご覧になり、ピンホール検査導入時の参考にしてください。
工場自動化・ロボット導入に関してお悩みがあれば、お気軽に製造DX.comまでお問い合わせください!
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もくじ
冒頭でも説明した通り、ピンホールとは目に見えないくらいの小さな穴のことです。ピン(pin)は虫ピン・ネクタイピン・安全ピンなどのピンのこと。つまり、針の先のようなイメージでしょう。
ホール(hole)は「穴」を表します。したがって、ピンホールは小さな穴のこと。
食料品関係や医薬品関係、建築業では、ピンホールのある製品は欠陥品です。ピンホールの存在が多くの業界で頭を悩ませる問題となっています。
イメージが湧かないかもしれないので、もう少し具体的な例を挙げて解説しましょう。
たとえば、建設業界の塗装工程について考えてみましょう。
塗装後、塗膜の表面にピンホールができることがあります。塗膜のピンホールは専用ローラーの毛による気泡が主な原因。専用ローラーの毛が塗料を引っ張り、1~3mm程度の気泡を生成することがあります。この気泡が破れたものがピンホールです。
塗膜のピンホールによって、塗膜が剥がれやすくなるのが大きな問題。発見しだい対策が必要となります。
金属同士を溶かして接合する溶接でもピンホールが作業者の頭を悩ませています。
たとえば、ガス不足の場合や風の強い屋外での溶接作業を行った際に発生しやすいのがピンホールです。また、溶接材料などに付着している錆・水分・油脂分・ペンキ等からのガス生成もピンホールの原因と考えられています。
溶接部分のピンホールは穴が深く、溶接工程における大きな問題点です。
建設業界や溶接以外にもピンホールが問題となる製品は多くあります。たとえば、下記のようなもの。
これらはほんの一例であり、多くの製品が製造工程におけるピンホール発生の問題を抱えています。そこで必要となってくるのがピンホール検査です。
ピンホールが問題ということはよくわかりました。
では、どのような仕組みでピンホールの検査を実施しているのでしょう?
ピンホール検査には多くの検査方法があります。その中でも主流となるのが下記の8種類の方法です。
それぞれの検査方法について、簡単に紹介していきましょう。
最も手軽なピンホール検査の方法は目視検査です。裸眼もしくはルーペなどを使用して目視による確認を行います。
目視検査は手軽にできるというメリットがありますが、検査員の経験に大きく左右されるというデメリットもあります。経験を積むことで小さなピンホールを発見できるようになりますが、慣れるまでに時間が掛かるでしょう。
気密検査は、容器への所定の圧力を加え、ピンホールの有無を確認する検査方法です。気密検査によるピンホール検査には「水没検査」と「発泡検査」の2種類があります。
水没検査は、容器内に窒素などの気体を封入して水槽に沈める検査方法です。水没させた状態で発泡して水面に泡が出ればピンホールがあるという判断になります。
発泡検査は容器に発泡液を塗布し、容器に圧力を加えることでピンホールの有無を確認する検査方法です。ピンホールがあった場合、塗布した発泡液がピンホール部から発泡します。
気密検査によるピンホール検査は簡単な仕組みなので、専用機なども作りやすいでしょう。
ただし、気密検査には水没検査、発泡検査共に製品の汚染という問題があります。検査後の製品は良品として出荷できない可能性があるので、サンプル検査がメインです。
また、発泡検査では発泡までに時間が掛かることもあり、短時間でのピンホール検査には不向きとなります。
浸透探傷検査によるピンホール検査は浸透液を塗布して検査を行います。浸透液は塗布した後に拭き取ることで、ピンホール部分のみに色が残るというものです。
具体的な手順としては次の通りです。
浸透探傷検査のイメージは下記の動画を御覧ください。
放射線透過検査は、放射線を使用してX線受信機で画像を得るピンホール検査です。ピンホールがある場合は他の部分よりも放射線がよく透過します。したがって、ピンホール部分が黒い像として検出されるという仕組みです。
超音波によるピンホール検査には、「超音波発信器法」と「発生超音波検出法」の2種類があります。超音波検査は圧力負荷を掛けにくい製品の検査に有効です。
超音波発信器法は、下記の手順によって漏れの有無を判定する検査方法です。
発生超音波検出法は、下記の手順によってピンホール部の漏れを検出する検査方法です。
CCDカメラを使用し、ピンホールを検出する検査方法です。CCDカメラにはラインカメラを使用し、得られた画像からピンホールの特徴を抽出します。
ただし、CCDカメラは透明フィルムなどの検出が苦手なため、ワークによっては利用できません。
放電式検査はピンホールの前後に電極を設置し、高電圧をかけてピンホールを検出する検査方法。コロナ放電を利用することで、数nmの微細なピンホールの検出も可能です。
放電式によるピンホール検査は、下記のような様々な素材の検査に利用されています。
リークテスターは空気圧をワークに印加後、内圧の変化を計測してピンホールからの漏れを判定する検査方法です。
ピンホール検査の手順としては、下記の通り。
デメリットはチャンバー内を加圧(減圧)しなければならないので、短時間での検査に不向きな点です。
様々なピンホール検査方法について理解できました。
具体的なメーカーなど知りたいです。
国内のピンホール検出器メーカーについて検索すると、簡単に20社以上が見付かります。その中から厳選したのが下記の5社です。
各メーカーについて、特徴などを紹介しましょう。
株式会社サンコウ電子研究所は、ピンホール検査器以外にも下記のような検査器の製造・販売を行っている企業です。
ピンホール関連の製品では、オフラインで利用するピンホール探知器やピンホールチェッカーなどのラインナップがあります。代表的なピンホールチェッカーの特長は下記の通りです。
株式会社サンコウ電子研究所のピンホールチェッカーは、プラ容器・フィルム・塗装鋼管など様々な用途に利用されています。
浜松ホトニクス株式会社は、光を使った様々な装置を製造・販売している企業です。光学式ピンホール検査ユニットは、従来は発見が難しかった極微小ピンホールを高速かつ高精度に検出します。具体的なラインナップは以下の通りです。
浜松ホトニクスのピンホール検査ユニットはワークのサイズや種類によって機種を選択できます。
株式会社フィッシャー・インストルメンツは⾼品質・⾼精度な測定機器を提供している専⾨メーカーです。フィッシャー・インストルメンツのピンホール検査器「POROSCOPE HV40」は放電式。最大で40kVまでの電圧をかけてピンホールの検出を行います。
利用用途例は下記の通りです。
電極テストヘッドが豊富に取り揃えられており、様々なワークにも対応できます。
ニッカ電測のピンホール検査機は、高電圧方式により自動で検査し自動選別します。非破壊でインライン全数検査を行えるのが特長です。ピンホール検査機のラインナップは下記の通り。
また、ニッカ電測では高電圧方式に対応不可のワーク用として、加圧方式や真空方式による各種リークテスターも取り扱っています。
ジョーベン電機株式会社はピンホール検査機の専門メーカーです。ラインナップには手動器と自動機があり、シーンに合わせて利用ができます。
自動ピンホール検査機の特長は一度に全面全周の検査が可能という点です。汎用製品もありますが、顧客ニーズに合わせて製作可能なフルオーダーメイドとなっています。
本記事ではピンホール検査の仕組みやメーカーについて詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
ピンホールとは目に見えないくらいの小さな穴のことです。製品にできたピンホールの存在が多くの業界で頭を悩ませる問題となっています。
ピンホール検査の方法として、記事内で紹介したのは下記の8種類でした。
ワークに最適な検査方法を選択する必要があります。
また、ピンホール検査装置を製造しているメーカーは多く、導入を検討してもどこに相談すればよいのかわからないかもしれません。そこで、本記事では下記の5社を紹介しました。
製品に最適なピンホール検査を実施して品質向上を目指しましょう。
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