協働ロボットとは、産業ロボットとの違いを解説!
- #協働ロボット
こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
自動化された生産ラインを見ていると面白いですね。
確かに製品が流れていく様子は見ていても飽きません。
多くの工場において、生産ラインが自動化されてきました。それには生産ラインを自動化しなければならない理由と多くのメリットがあるからです。
そこで、本記事では生産ラインを自動化した際のメリット・デメリットなどについて詳しく解説しました。また、実際に自動化されている生産ラインの事例について、動画を用いて紹介しています。
生産ラインの自動化を検討する際には記事を参考にしてください。
工場自動化・ロボット導入に関してお悩みがあれば、お気軽に製造DX.comまでお問い合わせください!
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もくじ
製造業において、生産ラインの自動化が進んでいます。その理由を大きく分類すると、次の2つに分けられます。
それぞれについて順に説明していきましょう。
現在、製造業だけでなく多くの産業で人手不足が切実な問題となっています。人手不足への対処法として、最も確実な方法が生産ラインの自動化です。
経済産業省の調査では、大企業・中小企業共に90%の企業において人手不足が問題視されています。人手不足の原因としては、主に次の3点です。
少子高齢化については、2065年には国民の約2.6人に1人が65歳以上になると推計されています。高齢化が進むにつれ、若年就業者が減少することはしかたがありません。
また、新型コロナウィルスの影響も人手不足に大きな打撃を与えました。サプライチェーンの混乱や半導体不足も重なり、長期的な混乱を招いています。
生産ラインの自動化は人員削減・省人化を促進し、人手不足解消の足がかりとなるでしょう。製造業の人手不足については、下記の記事を参考にしてください。
もう一つの理由は、製造業の地産地消が進んでいることです。日本国内の製造メーカーがグローバル化し、世界中のメーカーがライバル企業となっています。
したがって、海外メーカーと同等に戦うには、品質面や価格面で負けないような競争力が必要です。その為には生産ラインの自動化によって、下記3点を実現しなければなりません。
品質を安定させるには、製造ラインの4Mを適切に管理することが第一です。4Mとは、Man(人)・Machine(機械)・Material(材料)・Method(方法)の4つのMのこと。特に人にかかわる変更の際には品質の変化やトラブルが発生しやすくなります。
生産ラインを自動化することで、人を含む4Mの変化が減少。結果として品質の安定につながります。4M変更については、下記の記事を参考にしてください。
また、生産ラインの自動化により、生産効率が大きく向上します。人間の作業員は24時間連続で働き続けることは不可能ですが、装置は働き続けることが可能です。もちろん、メンテナンスは必要ですが、人のように休憩時間は要りません。
一つ一つの作業にかかる時間に関しても人手作業よりも短縮でき、時間あたりの生産量も増加するでしょう。
さらに、生産ラインを自動化することで人件費の削減もできます。海外での生産との比較で最も目に付きやすいのが価格。自動化によって人件費を削減できれば、その分商品の販売価格を抑えることもできます。
海外に負けない競争力を身につけるためには生産ラインの自動化が必須です。
人手不足の国内企業が海外メーカーと対等に戦う為には生産ラインの自動化は必須ということですね。
では、続いて生産ラインを自動化すると、どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
生産ラインの自動化によって得られるメリットは主に次の4点です。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
前述した通り、生産ラインの自動化によって生産効率は大きく向上します。ここではもう少し具体的に説明しましょう。
生産効率が向上する主な理由としては下記の2点です。
大多数の作業は自動化することで処理速度が向上するでしょう。実際、人手作業で8時間かかっていた工程が自動化によって2時間以下で処理できた事例もあります。作業時間が4分の1に短縮することは自動化では考えられないでしょう。
しかも、自動化することで設備の稼働時間管理が容易になり、生産計画も立てやすくなります。たとえば、ロボットが24時間稼働し続けることも可能。人手作業の交替勤務で対応できるかもしれませんが、ムダが多いので同じように生産効率が向上するとは限りません。
ただし、ロボットと作業員の良いところを取るという方法もあります。たとえば、9時~18時の間は人が作業を行い、18時以降は自動化という生産計画も可能です。実際に生産効率を向上させたという事例もあります。
2つ目のメリットは、生産ラインを自動化することにより、製品品質が安定するという点です。人手作業では安定しなかった品質も、自動化によって高い水準で安定した実例も多く見られます。
その理由は、人手作業には人的ミスがつきものだから。人的ミスによって品質は大きく左右されます。人的ミスの主な要因としては次の2点。
たとえば、「作業者の寝不足」「生産方法を熟知していない」「生産方法にコツが必要」などが考えられます。このような人的ミスは対処や改善が難しいのが現状です。
しかしながら、生産ラインを自動化できれば、上記のような不安定な要素を取り除けます。ですから、誰が操作しても安定した品質の維持が可能です。
生産ラインの自動化によって作業員を大幅に削減できます。つまり、人件費の削減が可能です。
製造業で最も大きなコストは人件費。人件費を削減することは製品のコスト削減に直結します。各工程の人員を削減することによって、工場全体の人数を減らすことも可能。また、不要となった人員を、より重要なポストに配属して業績を伸ばすこともできます。
生産ラインの自動化によって、離職率の低下と雇用促進が期待できます。その理由は下記の3点です。
製造工場での生産ラインでは「汚い」「キツイ」「危険」の3Kのイメージが根強く残っています。しかし、自動化によって3Kの作業を回避できれば、悪いイメージも払拭可能です。
たとえば、重量物を扱う職場で発生する腰痛などの問題も、自動化によって回避できます。また、作業環境が悪い場合なども改善が可能です。
同様に、延々と繰り返さなければならないような単純作業もロボットなどに置き換えることができます。熟練作業についても、近年はAIやIoT機器などによって人手作業が不要になってきました。
上記のことから、製造業全体のイメージは良くなり、離職率の低下が期待できます。また、良い職場環境は話題にもなりやすく、SNSなどの口コミによって雇用促進にもつながるでしょう。
生産ラインの自動化によって多くのメリットが得られることがわかりました。
でも、メリットばかりではないですよね?
生産ラインを自動化する際にはメリットばかりではありません。実は、下記のようなデメリットもあります。
それぞれについて簡単に解説しましょう。
生産ラインを自動化するには、どうしても導入費用がかかります。しかも、生産ライン全体を自動化するには、かなり高額な費用が必要でしょう。
自動化に必要な費用は産業用ロボットや周辺機器の購入代金だけではありません。自社で設置し最終的に生産できる状態まで装置を調整することはほぼ不可能です。したがって、SIerなどに依頼することになるでしょう。
したがって、設備の費用だけではなく、設置や調整費用なども導入費用となります。もちろん、設備の規模によって費用はことなりますが、大きな設備になるとかなり高額になることは間違いありません。
生産ラインの自動化は、最終的に工場の無人化を目指すことになるでしょう。しかし、実際はメンテナンスやトラブルも発生するので、簡単に無人化できません。
中国ではスマート工場として、完全無人化の工場もあります。しかし、日本の場合は中国とは環境が大きく異るので、無人化は難しいでしょう。中国におけるスマート工場については、下記の記事を参考にしてください。
生産ラインを自動化するには、設備を操作する人材や保守・点検を実施する人材が必要となります。これらの人材は従来の単純作業を行う作業員とは異なり、優秀な人材です。
したがって、新たな人材として雇い入れるか、現状の作業員を教育しなければなりません。教育にも費用がかかることになりますし、個々の適正も考慮する必要もあります。
実際に生産ラインを自動化した事例として、下記2つの事例を紹介します。
前者はデンソーウェーブの自社生産ラインを、後者はアメニティや化粧品を製造している企業の生産ラインです。詳しく見ていきましょう。
動画はデンソーウェーブのICカードリーダー生産ラインです。デンソーウェーブ製の協働ロボットCOBOTTAを使って自動化した事例となっています。3台の協働ロボットによって下記の3工程を自動化しました。
COBOTTAは1台のロボットで複数の作業を行えるので、人員削減に大きく貢献しています。
動画は株式会社フィード大垣工場の生産ラインを撮影したものです。株式会社フィードでは、アメニティや化粧品の製造を行っています。
動画の生産ラインでは、下記の8工程が自動化されている様子です。
全ての工程が自動化され、人手作業が不要な様子がよくわかります。
本記事では生産ラインの自動化について詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
生産ラインの自動化が必要な理由としては、主に下記の2点です。
また、生産ラインを自動化することで得られる主なメリットとデメリットは下記の通り。
メリット
デメリット
本記事では、生産ラインの自動化事例として、「株式会社デンソーウェーブ」「株式会社フィード大垣工場」の2社を紹介しました。特に株式会社フィード大垣工場の動画では、生産ライン全体の様子がよくわかっていただけたのではないでしょうか。
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