こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
工場のロボット化がどんどん進んでいるようですね。
これからの時代、ロボット化は必須となるでしょう。
近年、製造工場だけでなく生活面においてもロボット化が進んできました。そこで今回は、工場のロボット化におけるメリットや注意点を解説すると共に成功事例についても紹介しましょう。
今後ますます進むロボット化の波に乗り遅れることの無いように、記事を参考に現状を把握してください。
工場自動化・ロボット導入に関してお悩みがあれば、お気軽に製造DX.comまでお問い合わせください!
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もくじ
ロボット化の現状!中小企業も必須に!
現在、日常生活もロボット化されつつあります。
たとえば、ペットやお掃除ロボット、レストランの配膳作業、宅配サービスなど。少し前なら、SF映画でしか見たことの無いような光景が現実となっています。今後さらにロボット化は日常生活に溶け込んでいくことは間違いありません。
では、製造工場に範囲を狭めた場合はどうでしょうか。
既にご存じのように、製造工場でも産業用ロボット化が進んでいるという印象です。
その理由としては、産業用ロボットの技術が飛躍的に向上したことや安全性が高まったことなどが挙げられます。
それだけではありません。社会問題となっている人手不足や新型コロナウィルスの流行なども重なり、ロボット化を避けて通ることはできなくなってきました。
今後は中小規模の企業でもロボット化が必須となることは明白です。それでは、工場内ではどのような工程がロボット化されているのでしょうか。
主にロボット化されているのは、次のような工程です。
- 組み立て
- 溶接
- 塗装
- 搬送(マテハン)
- 事務作業
それぞれについて、もう少し詳しく解説していきましょう。
組み立て工程のロボット化
多くの製造工場では部品を集めて組み立てる「組み立て工程」があります。たとえば、家電製品やパソコンなどは多くの電子部品を筐体に組み付けなければなりません。
組み立て工程は部品の組み付けやネジ締め作業などがロボット化されています。IoT機器や画像処理を活用して高精度での組み立てが可能です。
また、近年は変種変量生産が主流となっています。ロボット化することで、変種変量生産にも即座に対応できるのも大きなメリットでしょう。
組み立て工程のロボット化については下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
>> 自動化システムにより組立工程の課題を解決させよう!組立作業が得意な〇〇ロボット!
作業環境の改善に溶接工程のロボット化は必須
工場での作業は「きつい」「汚い」「危険」の3Kと言われることがあります。溶接工程は作業環境が悪くなりがちなので、危険な工程です。その3Kを回避する方法の一つがロボット化。溶接工程をロボット化することで、工場内の危険な作業を削減できます。
また、溶接作業は経験によって品質に差ができやすい工程です。しかし、ロボット化によって品質は安定し、熟練工と同等の品質を維持できます。作業時間も短縮可能でき、生産性の向上も期待できるでしょう。
溶接工程のロボット化については、下記の記事を参考にしてください。
>> 溶接ロボットって?その仕組みや価格、主要メーカーなどを紹介
塗装工程のロボット化によって健康対策も
溶接工程と同様に、塗装工程も危険な工程です。塗装工程では有機溶剤などを使用するので、健康被害の可能性もあります。
そこで、多くの塗装工程では、人材不足対策や環境改善策の一つとしてロボット化が推し進められてきました。
塗装工程をロボット化することで、複雑な形状の塗装もムラなく美しい塗装ができます。また、省エネ・CO2の低減・塗料ロスの減少など、SGDsの目標達成にも大きく貢献。
塗装工程のロボット化に関する詳細は下記の記事を参考にしてください。
>> 塗装ロボットとは?特徴やメリット、導入事例などを紹介
付加価値を産まない搬送工程はロボット化で生産性向上
工程間を結ぶのが搬送工程です。搬送工程は製品を製造するわけではありません。したがって、搬送工程は必要な工程ですが、付加価値を産まない工程です。できる限り効率化すべきでしょう。
搬送工程のロボット化は多くのムダを省き、人材不足対策に有効です。
搬送工程などの物流業務全般を指す言葉がマテハン(マテリアルハンドリング)です。マテハンの「4つの原則」を守ることで、費用を掛けずに効率的な運搬業務ができます。
マテハンについての詳細は下記の記事を参考にしてください。
>> マテハン(マテリアルハンドリング)とは?導入するメリットや活用事例などを紹介
事務作業のロボット化!RPA導入で効率化
工場内でロボット化されるのは、何も製造現場だけではありません。間接部門における事務作業が必要です。
実は、事務作業はRPA(Robotic Process Automation)の導入によってロボット化できます。
RPAはまだまだ普及していない技術という印象かもしれません。しかし、実際にRPAを導入した約70%の企業が8割以上の業務削減を実現しています。事務作業のロボット化についての詳細は下記の記事を参考にしてください。
>> RPA活用のメリットと導入方法を詳しく!参考事例も紹介!
多くの工程がロボット化していることがよくわかりました。
やはり、メリットが大きいのでしょうか?
ロボット化による4つのメリット
工場をロボット化することで、多くのメリットが得られます。主なメリットは下記の4点です。
- 人手不足の解消
- 人件費の削減
- 生産性の向上
- 従事者の安全確保
それぞれについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
ロボット化が人手不足の社会問題を解消
工場内の工程をロボット化することで、作業員を減らすことができます。条件によっては作業員2~3人分と同等の作業が可能な場合もあります。
作業員の代わりに仕事ができるので、その分の人員を他の工程にまわすことも可能です。ロボット化によって人手不足という大きな問題を解消できます。
ロボット化によって人件費削減が可能
人員削減が可能になれば、その分の人件費は不要です。ただし、ロボット化することでロボットの導入費用やメンテナンス費用などが必要となることも考慮しなければなりません。
しかし、長期的な視点で考えた場合、ロボット化によって発生する費用以上の人件費削減が可能です。
製造業は常にコストとの闘いという側面もあります。工場のロボット化はコスト削減の良いきっかけとなるでしょう。
ロボット化が生産性を向上させる
ロボット化によって、工場の生産性は大きく向上します。主な理由は下記の3点です。
- ロボットの作業は人間の作業員よりも速い
- ロボットの動作が正確である
- ヒューマンエラーが減る
上記の理由により業務精度自体も良くなり、品質も安定します。したがって、ロボット化が生産性向上に大きく貢献していることは明白です。
従事者の安全確保が可能
ロボット化により、作業員の安全性が確保できます。
製造業における「汚い」「きつい」「危険」の3Kと言われる工程にロボットを導入すれば、人間が作業を行う必要がありません。
また、粉塵などが人体に影響を及ぼす場合も、ロボット化による無人運転を実現させることで安全性確保が可能となります。
ロボット化に多くのメリットがあることはよく理解できました。
では、実際の成功事例を紹介しましょう。
ロボット化によって成功した3社の事例
工場のロボット化によって生産効率が向上した下記3社の事例を紹介します。
- 株式会社タカゾノ
- コスメディ製薬株式会社
- シーオス株式会社
上記の3社は実働時間と生産量はロボット導入前と同じですが、人員削減して生産効率が向上した実例です。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
【株式会社タカゾノ】ロボット化で労働生産性1.5倍
株式会社タカゾノでは、主に医療用分包機を製造しています。協働ロボットを導入し、医療用分包紙検査作業環境の改善に取り組みました。具体的に実施したのは下記2点です。
- 製品の積み込み工程に協働ロボットを導入
- 上流部・下流部を1台のロボットのみでシステム構築
株式会社タカゾノではロボット化によって、下記のような成果が出ました。
- 労働生産性:1.5倍
- 作業人数:6人→4人に削減
- 投資回収年:3.5年
- その他のメリット:肉体的負担の低減
ロボット化の前には6人での作業でしたが、現在は4人での作業が可能。結果として、労働生産性は1.5倍となりました。
【コスメディ製薬株式会社】難しい作業をロボット化
コスメディ製薬株式会社は、皮膚内部にヒアルロン酸等の有効成分を投入する製品を製造する企業です。人手作業では難しかったマイクロニードルの組立て作業をロボット化して作業改善しました。
ロボット化することで、下記のように労働生産性が4倍になっています。
- 労働生産性:4倍
- 作業人数:8人→2人に削減
- 投資回収年:3.2年
- その他のメリット:衛生環境が良化
ロボット化による投資を3.2年で回収し終わっている点も着目すべきでしょう。
【シーオス株式会社】2.6年でロボット化の投資を回収
東京都渋谷区にあるシーオス株式会社は、庫内業務のアウトソーシング受託企業です。倉庫における自律走行型ピッキングロボットを導入することで、省人化を実現。下記のように、労働生産性は1.6倍となっています。
- 労働生産性:1.6倍
- 作業人数:18人→11人に削減
- 投資回収年:2.6年
シーオス株式会では、ロボット化の投資を2.6年で回収できました。
実際の成功事例を知ると、ロボット化が必須ということがよくわかりました。
ただし、ロボット化には注意しなければならないこともあります。
ロボット化を進める時の3つの注意点
工場のロボット化を推進することは重要課題です。しかし、ロボット化は簡単なことではありません。ここではロボット化を進める時に注意しなければならないことについて解説します。
主な注意点としては下記の3点です。
- 導入コストが必要
- チョコ停やトラブルの発生
- 周辺装置を含めた事前検討が必要
もう少し詳しく解説しましょう。
ロボット化には導入コストがかかる
前述した通り、工場をロボット化しようとすると導入コストがかかります。
ただし、必要な導入コストは、ロボット単体の購入金額だけではありません。実際に工場の生産ラインをロボット化した場合、周辺装置の製造やレイアウト変更なども必要です。また、ロボット立ち上げ費用なども必要となります。
生産ラインのチョコ停やトラブルの発生
ロボット化により、生産ラインが複雑になるとチョコ停やトラブルが発生します。特に導入初期には思いもよらないトラブルも発生することもあるので、その都度対応が必要です。トラブル対応にはライン停止など、費用が発生するかもしれません。
したがって、トラブル対応も含めた職場体制や環境づくりが必要です。
周辺装置を含めた事前検討が必要
工場のロボット化を推し進めるには、ロボットの周辺装置についても事前検討が必要となります。また、工場全体でのレイアウト変更を余儀なくされることもあるので、その点に関しても注意が必要です。
まとめ
本記事では工場のロボット化について詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
製造工場では下記のような様々な工程や作業があり、日々ロボット化が進められています。
- 組み立て
- 溶接
- 塗装
- 搬送(マテハン)
- 事務作業
ロボット化が進められている理由は、下記のような多くのメリットがあるからです。
- 人手不足の解消
- 人件費の削減
- 生産性の向上
- 従事者の安全確保
ただし、ロボット化には下記のような注意点もあります。
- 導入コストが必要
- チョコ停やトラブルの発生
- 周辺装置を含めた事前検討が必要
また、記事内ではロボット化の成功事例も紹介しました。紹介した3社は全て労働生産性が向上し、約3年で投資回収が完了しています。ぜひ、生産ラインのロボット化を検討してください。
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