FMS(フレキシブル生産システム)とは?メリットや導入事例を紹介
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こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
トラブルは会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!
ロボイヌさん、突然どうしちゃったんですか?
かつて流行った映画のワンシーンが思い浮かびました。現場で起こったトラブルは、現実に起こっている状態を確認しなければ解決できないことも多いのではないでしょうか。机上の空論をいくら述べたところで、製造現場は改善されません。
製造業では現場で現物を見て現実を踏まえるという三現主義が重要視されています。そこで、本記事では製造業における三現主義について詳しく解説しました。また、さらに発展させた五現主義や大手企業の例についても紹介しています。
製造業では多くの優良企業が三現主義を徹底して成長を遂げています。ぜひ記事を読んで、その重要性を再確認してください。
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もくじ
三現主義とは、「現場」「現物」「現実」という3つの「現」を重視するという考え方です。つまり、製造業の品質管理では、次の3つが重要ということ。
机上の空論ではなく、実際に自分の目で見て問題を解決しましょうということになります。違う言葉で言い換えるなら「信じるな、疑うな、その目で確かめよ」ということです。
もちろん、データを並べて議論したり、経験に基づいて予測することも必要なことでしょう。しかし、実際の現場で起こっている事象とデスクの上で考えた理屈が必ずしも一致するとは限りません。
実際、デスク上だけの議論に徹するあまり、事実関係を正確に把握できていないケースがあります。そういった場合、問題解決に時間がかかったり、多くの費用がかかったりするでしょう。
現代社会は様々な情報を簡単に得られます。製造業においては、工場設備のIoT機器から現場のデータを得て生産に活用することが多くなりました。また、製造現場だけでなく、インターネットを通じて市場のデータ取得も可能です。
製造業では、これらのビッグデータを生産管理や品質管理に活用しています。しかし、多くの情報を容易に得られることで、「現場」「現物」「現実」という3つの「現」の重要性が薄れつつあると言えるでしょう。
もちろん、データを見ることは重要なことですが、ビッグデータは現状の結果を表しているものです。したがって、それらのデータだけでは将来に向けた正しい判断はできません。
つまり、情報化社会の現在だからこそ、ビッグデータに頼りすぎない三現主義が必要なのです。
三現主義は製造現場の作業員だけが実践するものではありません。三現主義は会社全体で実践し、徹底する必要があります。つまり、経営幹部や管理職も現場に出向くということです。
経営幹部や管理職が一般社員と共に問題解決に取り組むことで、企業全体での意識が向上することにつながります。結果として企業を成長させ、製造業自体を成長させることになるでしょう。
三現主義を重要視している日本の企業と言えば、トヨタ自動車や本田技研工業が有名です。しかし、日本国内にはその他にも三現主義を重要視している優良企業が多くあります。たとえば、下記3社は三現主義の実践によって成功している企業です。
これらの企業では、経営幹部が現場で一般社員と一緒に問題解決に取り組んでます。
それでは、代表的な例としてトヨタ自動車の三現主義について紹介しましょう。
三現主義によって業績を上げた最も代表的な企業がトヨタ自動車です。トヨタ自動車では、創設者の「現場で考え、研究せよ」という言葉に込められた意味を従業員一人ひとりが理解し、三現主義を徹底しています。
トヨタ自動車が三現主義を徹底しているのがトヨタ式生産方式(かんばん方式)です。そして、トヨタ式生産方式の最も大きな柱が次の2点。
トヨタ式生産方式の根底にある考えは、現場の作業員が異常を改善するというもの。正に三現主義そのものと言えるでしょう。
三現主義の重要さがよく理解できました。
しかし、実は最近は三現主義では不十分と言われるようになってきています。そこで提唱されているのが五現主義です。
これまで三現主義について詳しく解説してきました。しかし、現代の製造業において、三現主義では不十分という考えも増えてきています。そこで、最近言われているのが、三現主義をさらに拡大させた五現主義です。
五現主義とは、現場・現物・現実の三現主義に「原理」「原則」の2つを加えた考え方です。つまり、「原理」「原則」の2現に基づいて「現場」「現物」「現実」の3現を改善するという思想。
それでは、「原理」「原則」について、もう少し詳しく解説していきましょう。
「原理」「原則」の言葉としての意味は理解できても、三現主義とはかけ離れているように感じているかもしれません。製造業における「原理」「原則」とはどのようなものでしょうか。
原理・原則を簡単に説明すると、下記のようになります。
前述した三現主義では、現場・現物・現実を目で見て確認することで課題解決へとつなげました。五現主義では、さらに三現主義で確認したことを客観的に捉えることに主眼を置いています。
自分で見たことだけでは主観的になりがち。しかし、原理・原則を確認することで客観的な視点から物事を解決していくことができます。
では、続いて五現主義を取り入れた企業の成功事例を紹介しましょう。
五現主義の成功事例として有名なのが、下記の4社です。
カレーハウスCoCo壱番屋は喫茶店として創業しました。五現主義を徹底したことにより、現在ではカレー一本で勝負できるまでに成長しています。
また、農機具製造の「クボタ」では、平成6年から五現主義に基づく改善活動を実施。中でも注目すべきは「5ゲン道場」でしょう。日本国内だけでなく、中国やタイ、北米などから五現主義を体得できるように従業員が取り組んでいます。
製造業では様々なトラブルが発生します。トラブルの発生しない製造現場はほとんど無いと考えても良いでしょう。たとえば次のようなトラブルです。
このようなトラブルに対して、設計や生産設備側、管理担当者側での問題解決が困難な場合があります。その具体的な例を紹介しましょう。
三現主義が徹底されていない事例として最も多いのが、現場からの報告自体が間違っている場合です。たとえば、現場の作業員はこう言うかもしれません。
作業手順は間違っていないので、設備側のトラブルだと思われます。
しかし、作業員の話を信じて設備側でのトラブルについて調べてみても問題箇所が発見されませんでした。これはどういうことでしょうか。
最終的に設計担当者が製造現場に出向き調査をしたところ、作業手順における間違いが発見されました。作業手順を確認すると、手順書自体に曖昧な部分があることが発覚。現場で確認しなければわからないことでした。
では、別の例を紹介しましょう。
たとえば、決算書や経理データの金額だけを見て「コスト削減の為に在庫を削減せよ」という指示があるかもしれません。しかし、現場では必要な在庫量しか確保していないという状況でした。
これ以上在庫量を減らしたら生産に差し支えるのですが・・・
在庫量の管理をしている担当者は現場の状況を全く知らず、机上のデータだけを頼りに指示している可能性があります。このようなトラブルを無くす為にも三現主義の徹底が必要です。
しかし、新型コロナウィルスのパンデミック以降、三現主義に大きな変化が起こりました。
コロナ禍において、多くの製造業ではリモートワークを取り入れざるを得なくなりました。リモートワークの良いところは、実際に自分の目で現場を見に行かなくても確認が可能という点です。
たとえば現場の作業員がカメラなどによって状況を逐一報告することで、あたかも現場を確認したような状況となります。この場合は机上の空論ではありません。
また、IoT機器などを通じて工場設備の見える化も可能となりました。データに頼りすぎることは三現主義に反する行為です。しかし、IoTだけに頼るのではなく、画像データなどによって現実に近い状況を作り出せます。
IoTに関しては下記の記事を参考にしてください。
製造業において三現主義がいかに重要か理解できました。
今後は現場の状況を的確に伝えるようにします。
本記事では、三現主義と、三現主義を発展させた五現主義について詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
三現主義とは、「現場」「現物」「現実」という3つの「現」を重視する思想です。具体的には下記の通り。
三現主義によって大きな実績を残している有名な企業が次の5社です。
特にトヨタ自動車の三現主義はトヨタ式生産方式(かんばん方式)と呼ばれています。
しかし、近年は三現主義だけでは不十分と考えられるようになりました。そこで提案されたのが五現主義です。
五現主義とは、現場・現物・現実の三現主義に「原理」「原則」の2つを加えた考え方。原理と原則については具体的に下記になります。
五現主義は、「原理」「原則」の2現に基づいて「現場」「現物」「現実」を改善する思想です。今や三現主義・五現主義は製造業における問題解決にはなくてはならない手法となっています。ぜひ、その思想を取り入れ、業績向上に活用してください。
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