既にいろんな工場で運用されている!IoT導入をする際の注意点とメリットを解説!
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こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
日本の工場は世界の中でもすごいと思っていたのですが、実際はどうなのでしょう?
実は、日本の工場は世界の中ではやや遅れを取っているイメージです。
日本の経済は製造業によって大きく発展してきた国です。したがって、世界の製造業も牽引しているイメージを持っている人も少なくないでしょう。しかし、近年は海外の工場の方が”すごい”というイメージになってきました。
それを示す一つの指針がグローバルライトハウス。グローバルライトハウス(Global Lighthouse)とは、世界経済フォーラムが、製造業のロールモデルとなる工場として認定した”すごい”工場を示します。つまり、世界の灯台となる工場として選出されているということです。
現在、各国製造業の手本となる工場として、グローバルライトハウスに世界中から90の工場が認定されています。最も多いのが中国の29工場。次いでアメリカの9工場、ドイツの5工場です。しかし、残念ながら、日本の工場は2社のみ。しかも、その内の1社は外資系なので、純粋な日本企業は1社のみという状況です。
そこで本記事では、グローバルライトハウスに認定された工場を中心に、世界のすごい工場を紹介しました。それぞれの特長などについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
もくじ
中国の家電メーカーであるハイアール(Haier)はグローバルライトハウスの90認定工場に選定されています。
グローバルライトハウスに中国の企業が多く選ばれているのには大きな理由がありました。それは、「中国製造2025(Made in China 2025)」のIT化政策。中国では、2025年までに製造強国へ仲間入りを果たし、最終的に2049年(建国100周年)までに製造強国のトップ入りを果たすのが目的です。
中国製造2025を強力に推進することで、既に製造業のリーダー的な存在になってきています。中国製造2025の詳細については、下記の記事を参考にしてください。
先進的な中国の製造業を牽引しているのが、家電メーカーのハイアール。下の動画はハイアールの紹介動画です。短い動画なので、ぜひ御覧ください。
製造工場において、検査工程は製品プロセス全体の重要なステップです。それはハイアールにおいても同様。製品を出荷する前には精度の高い品質検査が要求されます。
たとえば、カメラ撮影による外観検査です。外観検査は撮影した画像を産業用コンピュータに取り込み、解析をしなければなりません。外観検査では、多くの有線ケーブルも必要になります。そのため、従来の外観検査には、下記のような3つの問題がありました。
ハイアールでは、上記の問題を解決するために「ファーウェイ」及び「チャイナモバイル」と提携しています。信頼性の高い5Gネットワークを活用し、工場全体の品質検査データなどの一元管理に成功しました。
また、検査工程以外においても5Gが活用され、開発コストや生産コストの削減を実現しています。製造工程においては、生産効率の向上や労働者の安全性も大きく改善されました。
続いてもグローバルライトハウスとして認定されている、世界のすごい工場について紹介しましょう。
BMWレーゲンスブルク工場(ドイツ)も、ハイアールと同様にグローバルライトハウスに認定されています。レーゲンスブルク工場は9,000人以上の従業員を抱えるBMWの基幹工場。レーゲンスブルク工場では、IT やロジスティクスから車両やコンポーネントの生産まで、多くの商品を提供しています。
下の動画はBMWレーゲンスブルク工場の紹介動画です。多くの工程が無人となっていることがわかるのではないでしょうか。
レーゲンスブルク工場では、毎日最大1,000台ものBMW1シリーズ(BMW X1、BMW X2)が組立ラインから出荷されています。製造している車種としては、下記の3種類です。
レーゲンスブルク工場の最も大きな特長は、デジタルツインにより将来のプラント構造と生産設備の計画が効率的になる点でしょう。実際、デジタルツインを用いることで、計画時間を30%削減しています。
デジタルツインとは、サイバー空間(デジタル空間)にフィジカル空間の情報をコピーし、再現するというものです。BMWでは工場をメタバース上に作ってシミュレーションを行いました。次世代の工場という印象を強く受る、すごい工場です。
デジタルツインに関しては、下記の記事を参考にしてください。
続いて、半導体業界のすごい工場を紹介しましょう。
ASMPTはウェハ成膜やレーザーグル-ビング、半導体組立、パッケージなど多岐にわたる製品を製造している工場です。本社はシンガポールですが、日本国内にも支社があるグローバル企業。世界中のエレクトロニクスメーカーによる統合スマートファクトリーの構築もサポートしています。
下の動画はASMPTの紹介動画です。工場の雰囲気が良く分かるので、ぜひご覧ください。
ASMPTは世界最高の設備を誇るすごい工場です。しかし、ただ設備がすごいだけでは顧客の満足を得られません。ASMPTでは世界最高の設備に世界最高のソフトウェアが加わることで、高品質の製品を製造し続けています。
ASMPTが手掛ける主な半導体製品は下記のとおり。
ASMPTの製品は自動車、モバイルデバイス、カメラ、コンピュータなどに使用され、世界中から高い評価を得ています。
次はフランスのすごい工場を紹介しましょう。
シュナイダーエレクトリック(Schneider Electric)は、パリ近郊に本社を置く世界的な電気機器・産業機器メーカー。主な製品は配線用遮断器、電磁開閉器、電磁接触器、インバータなどです。日本国内では2001年に東芝と提携して合弁会社「東芝シュネデール・インバータ株式会社」を設立しました。
下記はシュナイダーエレクトリックの紹介動画です。
シュナイダーエレクトリックはグローバルライトハウスとして2018年に選ばれています。主な選出理由としては、AR(拡張現実)などのデジタルツールを活用して成果を上げていたことです。具体的な成果は下記のとおり。
また、シュナイダーエレクトリックはスマートファクトリーを実現しています。スマートファクトリー実現に際して利用した主なIoT機器は下記のとおりです。
シュナイダーエレクトリックのスマートファクトリーはまだまだこれから変化し、こうしている間にも進化を続けています。今後の進展に注目しましょう。
最後に「工場」では無いのですが、AI技術を活用した物流拠点を紹介しましょう。
これまで、世界のすごい工場について紹介してきましたが、工場以外にもすごいシステムがあります。それが、中国が世界有数の物流拠点「天津港」です。天津港はスマートフォンなどを製造している「ファーウェイ」のAI技術を活用し、無人での輸送管理を行っています。
AI技術を用いた輸送システムは世界初。今後は中国だけでなく、世界各国の物流拠点で取り入れられるかもしれません。工場内の物流にも大きな影響を与えるでしょう。
下の動画は、天津港を取り上げたニュースです。約3分の短い動画なので、ぜひ御覧ください。
天津港では最新のAI技術を活用し、自動でコンテナを運ぶというもの。効率的な走行ルートをAIが選択するだけでなく、作業もAIで管理しています。ファーウェイのシステムを導入したことで、従来は800~1000人だった従業員を200人以下に削減できたとのこと。
中国では少子高齢化により、人手不足が深刻な状況です。そのため、無人化・自動化がこれからますます進むでしょう。
本記事では、グローバルライトハウスに認定された工場を中心に、世界のすごい工場を紹介しました。
記事内で紹介したのは下記の5社。デジタル化による最先端技術を活用している企業ばかりでした。
日本の工場は遅れているのかという疑問に関しては、残念ながらその通りであるという印象です。それはグローバルライトハウスの認定数を見ると、一目瞭然。国内の日系企業の工場認定は日立製作所の「おおみか工場」のみとなっています。
したがって、現状では非常に厳しい状況です。日本国内の企業も世界の製造業を牽引していけるように技術力を高め、巻き返しを図りましょう。
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