ロボットハンド制作のコストが大幅に下がる時代がくる!?3Dプリンタの能力を確認!

ロボットハンド制作のコストが大幅に下がる時代がくる!?3Dプリンタの能力を確認!
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こんにちは!産業用ロボットの情報を発信しているROBoINです。[◎△◎]

今回は、3Dプリンタによるハンド製造についてみていきます!

ロボット導入に必要な情報、進め方をおまとめしましたので、合わせてお読みください。
ロボット導入に必要な情報や進め方はこちら⇒
『初心者必見!これを読めば導入に向けて大きく前進!ロボット導入に必要な情報をまとめました!①』

①ロボットハンド設計がなぜ必要なのか

ロボットハンドとは、ロボットアームの先端のワークを掴んだり色々な動作する部分を指します。
まず、なぜハンド設計が必要なのか、そこから見ていきましょう。

大前提として、各機器メーカーが扱っているロボット本体だけは、思い通りの動作はできません
なぜなら、動作させたい内容や、掴みたいものによってハンドの形状が異なるからです。

例えば、軽くて大きな段ボールを掴むために、大きなUFOキャッチャーのようなハンドを使うとしましょう。
ハンドが大きい分当然可動分のスペースが必要になります。
また、大きいということはそれなりに製造コストも大きくなりますし、剛性も下がる傾向にあります。
こういった場合は、比較的小型に収まる”吸着ハンド”を使用したほうが良いでしょう。
吸着ハンドは、標準化されているケースがあるため、システム自体の専用設計不要で比較的安価な傾向があります。

逆に小さいスポンジのようなものの場合、
スポンジは穴が沢山空いているため、吸着するための空気の吸い上げが行えません。
しかし、ワーク自体が小型なのでチャック装置のようなハンドで掴むことができます。
また、小型のハンドチャックも吸着ハンド同様、標準化されていることもあり、比較的安価です。

このように、適材適所でハンドを検討する必要があります。
また、お客様のご要望によっては、完全に専用品となることも多々あります。

②3Dプリンタとは

本題に近づいていきましょう!

3Dプリンタとは、3Dデータから形状を造形する機器です。
最近では、家庭用3Dプリンタも流通していて身近なものになってきたのではないでしょうか?

一番のメリットは難しい加工が要らず、中空形状も造形可能なことです。
今まで不可能とされていた、中が空洞な球体も造形可能です。

実は、3Dプリンタはいろいろな造形方法があります。
覚えておきたいのは以下のように、大きく2種類の造形方法があることです。

●積層造形

字のごとく、樹脂を積み上げていき造形します。
一般家庭用などはこちらに該当することが多いです。
様々な積層の仕方があり、『溶かした樹脂を積層』『液状の樹脂を光で固着』などがあります。

●粉末造形

粉末状の材料を『レーザーで焼いて固める』『接着剤で固める』などがあります。
こちらは、チタンやニッケルなど金属も3D造形できることが特徴です。
特許が切れたばかりで、今はまだ高価ですが、今後、コストの低下が期待できる造形方法となります。

③注目されている3D造形

最近では、カーボンファイバーを使用した3D造形が注目を浴びています。

前述で粉末造形が『特許が切れたばかり』とお伝えしました。
積層造形も歴史でいうと大差はなく、昔からいろんな企業が制作できるものではありませんでした。

そのため、いろんな企業が研究開発を進めている最近では、技術の進化が著しく、数年前までの3D造形とは比べ物にならないくらいの精度を誇ります。

そんな中、最近では、カーボンファイバーを含有した樹脂を成形できる3Dプリンタが登場しています。
カーボンファイバーを含有した樹脂を使用することで、従来の樹脂造形と比較すると数十倍の強度を得ることができます。

具体的な強度としては、アルミ合金と同等の強度と言われています。

④ハンド設計に3Dプリンタを用いる

前項の高強度の樹脂を利用したハンド設計が流行りつつあります。

従来の設計は、以下の通りが一般的です。

  1. ポンチ絵で構想設計
  2. 構想設計に基づき、寸法を設定
  3. 3Dデータ作成
  4. 図面化
  5. 公差計算、成立性確認
  6. 製造先と調整(高価な場合は製造方法を検討)
  7. 製造

一般的な設計は以上の通りです。
中でも”6.”と”7.”は多くの場合が他社とのやり取りが発生し、リードタイムを大幅に大きくしてしまう要因でした。
例えば、簡単だと思われがちな板金設計も工順や穴位置、曲げる位置によっては製造不可とされてしまうこともあります。

3Dプリンタを利用した設計の場合は以下の通り短縮することができます。

  1. ポンチ絵で構想設計
  2. 構想設計に基づき、寸法を設定
  3. 3Dデータ作成
  4. 公差計算、成立性確認

あくまで最短の場合は上記まで短縮することができるでしょう。
製造先とのやり取りも不要で、正しい3Dデータがあれば1発で製造可能です。

3Dプリンタでの製造が本格的に実用的となれば、製造リードタイムを大きく短縮することができます。

また、一品ものは製造コストが大きかったデメリットがありましたが、
3D造形の場合、材料とプリンタがあれば製造可能です。
そのため、コスト低減に大きく貢献できます。

⑤3D造形での注意点

ここまで、『3D造形でハンドが製造できたら低コスト短リードタイムですごい!』という話をしてきました。

しかし、3D造形ならではの注意点があります。

【3D造形の注意点】

積層方向に対して垂直の力には弱い

縦積層したものに対して横方向の力には非常に脆いです。
3D造形は常に縦に積み上げて造形していきます。
そのため、1つ1つの層に継ぎ目が発生してしまいます。

この継ぎ目は、組織上もしっかりと結合できていないため、非常に弱い傾向があります。
しっかりと溶着できる温度にすると、素材がドロドロに溶けてしまい、精度が出なくなることもあり、避けては通れません。

ですから、ハンドで使用する場合は、積層方向に注意する必要があります。

成立性確認の見落としの可能性

寸法公差等による製品の成立性を見落とす可能性が上がってしまいます。

3D造形は製造先とのやり取りがなくなった分、自由に製造を開始することができます。
しかし、製造先としっかり寸法公差のやり取りをすることによって設計不備を見抜くことができるメリットもあります。

勿論、設計者自身で成立性を立証できることが一番ですが、人ですから、ミスや見落としも存在します。
公差計算を誤るだけでも、強度に大きな影響が出たり、上手く動作しなくなってしまうこともあります

図面を描かずとも製造ができる環境であったとしても構造計画図等を作成し、成立性を確認するフローを標準化して取り入れましょう。

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