中国におけるスマート工場4つの具体的事例とその背景
- #スマートファクトリー
こんにちは!産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
今回は、産業用ロボットの操作方法についてお話していきます!
もくじ
ロボット導入におけるティーチングとはいわば、『ロボットに動きを教えること』です。
導入後の産業用ロボットはティーチングに始まりティーチングに終わるといってもよいでしょう。
みなさんが一番想像しやすいロボットアームと呼ばれる垂直多関節ロボットで例えると、”多関節”ということもあり、駆動する箇所がいくつかあります。なので、自由度が高く、例えば”右に回転してワークを取る”、”左に回転してハンドの向きを変えてネジ締めをする”、など作業工程に合った動作をさせることができます。
しかし、作業工程は十人十色、会社ごとでそれぞれちがいますよね。そんな各作業工程に合ったロボットの動作を指示するために、ティーチングが必須となっています。具体的には、「どういう条件のときに、どういう順番で、どう動くか」を指示します。また、後ほどご説明しますが、ティーチング作業には”特別教育”の資格が必要なのでご注意ください。
オフラインティーチングは、ロボットがない場所でロボットの動作を組み込む方法です。プログラミングと聞くと想像できるかと思いますが、パソコンやタブレットからプログラムを入力し、ロボットがどう動作するのか設定していく方法です。現在は、ほとんどの現場でこの方法が活用されています。
ロボットを動かしながら動作を設定していたら、思わぬ操作によって安全柵にぶつかってしまった・・・なんてことが避けられます。勿論、設定を行うタブレットやパソコンの画面には、3Dデータのロボットが動作するので確認作業が容易です。
現場で動かす前にシミュレーションをして、ロボットがミスなく動作するか、作動時間は問題ないか、等の確認作業が事前に行えます。
上記と通ずるところはありますが、現場にもよりますが、3K(きつい、汚い、危険)の現場であったら、そんな場所でずっとティーチング作業をするのは良くないですよね。特に、“危険”な場所での長期滞在は避ける必要があります。
オンラインティーチングは、オフラインティーチングは真逆で、現場で機器を使用してロボットに動作を組み込む方法です。実際にロボットの様子を確認しながらティーチングを行うことができ、知識の浅い方でも比較的ティーチングしやすい傾向があります。
オンラインティーチングでは、ティーチングペンダントと呼ばれるリモコンのようなものを使用して動作設定するため、いわゆるラジコンのように操作することができます。
勿論、目の前に実寸大のロボットが動いているので、画面の中の3Dデータを見るよりもわかりやすいです。
ダイレクトティーチングは、ロボットを直接手で動かしてロボットに動作を組み込む方法です。オンラインティーチングよりも更に直感的にティーチングを行うことができます。ただし、細かい動作が難しいという欠点があります。オンラインティーチングを更にわかりやすくしたものがダイレクトティーチングですが、具体的にはハンドを作業者の手で設定したいポイントへ動かし、設定します。メリットはオンラインティーチングと近しいですが、以下の通りとなります。
ロボット本体についているボタンを押しながら任意の動作をさせることで、簡単にティーチングができます。大型のロボットに対しては、あまりおすすめできませんが、近年流行りだしている協働ロボットに対しては大きな影響をもたらしました。協働ロボットは小型かつ、作業員と一緒に作業することができ、ダイレクトティーチングによって柔軟に工程に浸透することができます。
ここではもう少し掘り下げて、実務レベルでのお話をしていきましょう。『前項でお話したティーチングを実際にどのようにやっていくか』が、以降のお話のミソとなります。企業や工程、現場のレベルに合わせて様々なティーチング方法がありますが、具体例を出しながらお話していきます!
まずは、3DCADを利用したティーチングを見ていきましょう。
3DCADとは、製品の3Dモデルを作成するツールで従来の2DCAD、つまり、図面を作成するツールが進歩して誕生しました。3DCADを用いて作成した3Dデータは、細かい寸法データ情報が組み込まれているため、3Dデータから寸法、形状の情報を読み取ってロボットの動作指示することができます。例えば、検査。3Dデータを基に製品情報を読み取って、寸法精度に問題がないか、表面にキズがないか、等の検査を行うことができます。
メリットとしては、製品のレビジョンアップや、新製品にも対応することができます。
皆さんお馴染みのExcelを活用したティーチングです。前項の3DCADを扱えない企業にピッタリな方法です。あらかじめ、規則性こそ必要にはなりますが、最初に作成したシート通りに寸法を入力することでロボットに動作指示することができます。
例えば、規則性はあるものの、都度特注品の柵の溶接。柵の支柱のピッチが大きさや、そのものの大きさによって、支柱の溶接ポイントが異なります。そういった場合でも、ピッチや外形寸法を記入することで、簡単にティーチングを行うことができます。
メリットとしては、都度3Dデータを作る手間を省くことができ、同一形状の場合は、非常に強みを生かすことができます。
操作ディスプレイを活用したティーチングは主に、無人搬送ロボットに使用されることが一般的です。スマホ端末のような操作感で簡単にロボットに動作を指示することができます。
例えば、料理店での配膳ロボット。提供する料理をロボットに載せ、配膳テーブルをディスプレイから指示することにより、その場まで、ロボットが自動で持って行ってくれます。
メリットとしては、視覚的に誰でも簡単に操作ができることです。
音声認識によるティーチングはまだまだ発展途上です。
例えば、垂直多関節ロボットに対して、音声認識で簡単な動作を指示することができます。事例が非常に少なく、現在はまだ、実用レベルではないのかもしれませんが、動作パターンを複数設定して、「Aパターンで動いて」と音声で指示するとその通り動いてくれるといった、AIボットのような使用方法が今後可能になると予想されています。
工場、倉庫では、効率化が難しいかもしれませんが、これが飲食店の配膳ロボットに活用されることで、非常に効率的になることでしょう。
実はティーチングを行うには資格が必要です。『ロボット操作には資格が必要』と法律にも定められています。専門知識やスキルがなくてもティーチングができる”ダイレクトティーチング”と、お話しましたが、決して誰でも操作していいわけではありません。違反すると罰金や厳しい処罰が下されるので注意が必要です。
ただし、80W未満のロボットに対しては、資格不要で操作が行えます。具体的に、80W未満が何を指すかというと、協働ロボットにあたります。ロボットについての法律は簡潔に以下のような理解をしておくとよいでしょう。
・80W以上のロボットに対しては、特別教育(資格)が必要
・80W未満のロボットに対しては、人が近くで作業してもよい
少し話をややこしくするのが、規制緩和により、条件を満たせば80W以上のロボットも同じ作業スペースで稼働させることが可能になっています。協働ロボットではなく、大型のロボットを運用したい!という方、当サイト内でも特別教育が受けられる施設を掲載していますので、ぜひご覧ください。
特別教育拠点掲載ページはこちら
特別教育についての記事はこちら
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