QC7つ道具とは?その用途や新QC7つ道具についても解説
- #品質管理
こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
実はポカミスが結構多いということで、給料を減らされてしまいました。
それは大変!でも、ポカミスは必ずしもロボイヌさんが悪いとは言えない部分もありますよ。ポカヨケ対策を考えれば、ロボイヌさんの給料もアップするかも!
人起因の「ポカミス」は対策が難しいというイメージはありませんか?実は、製造業で起こるポカミスは、必ずしもヒューマンエラーとは言えない部分もあります。ですから、根本的な要因を突き止めることができればポカヨケは可能です。
そこで本記事では、製造業におけるポカヨケの考え方などについて詳しく解説しました。また、記事内では具体的な事例についても紹介しています。
製造業における最悪の事態は不良品が市場に出回ることです。そのようなことのないように、記事を参考にしてポカヨケを徹底してください。
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もくじ
「ポカヨケ」という言葉はおかしな造語のように思えたかもしれません。しかし、実はトヨタ生産方式の基本概念の一つにもなっている言葉です。しかも、トヨタ自動車では「ポカヨケ」という概念が約60年前から導入されています。
「ポカ」とはヒューマンエラーのことです。元々は囲碁・将棋で使う用語で、通常では考えられないような悪い手のことを意味します。つまり、うっかりミス。そして、「ポカ」を避ける(逃れる)のが「ポカヨケ」です。
現在では「ポカヨケ」は製造業を支える重要な概念の一つとなっています。では、「ポカヨケ」がどのようなものか解説していきましょう。
製造業における代表的なヒューマンエラーには、下記のようなものがあります。
上記のミスは作業員の不注意などによって発生するものです。しかし、単純に不注意で発生したと言い切ってしまえば、いくら注意をしていても繰り返すことになるでしょう。
しかし、これらのミスには不注意以外の原因もあります。たとえば、ミスを起こしやすい製品構造や、工程内の作業環境などです。つまり、人以外の要素に対する仕組みを改善することが「ポカヨケ」となります。
製造現場において人が作業に関わる以上、ヒューマンエラーを100%回避することは難しいでしょう。
たとえば、全ての工程で製品検査を実施すれば、不良品の流出は削減可能です。しかし、工数は増え、コストもかかります。
しかも、上記のように検査漏れなどの可能性を考えると不良をゼロにすることは難しいでしょう。また、製品によっては全数検査が不可能な場合もあります。
したがって、対処療法だけでヒューマンエラーを無くすことは期待できません。そこで重要視されているのが、ポカヨケです。
ポカヨケは大きなコストをかけずに作業員の負担を減らせます。つまり、最初にポカヨケの仕組みさえ作れば、無駄を削減して持続的な品質向上効果が期待できるでしょう。
ポカヨケは人以外の要素に対する仕組みのことだったのですね。全然知りませんでした。
では、ポカヨケはどのような場面で実施すべきなのかということを考えてみましょう。
製造業におけるポカヨケはどの対策するタイミングによって、下記の3つに分類できます。
また、他にも仕組み(物理的・電子的)によって分類する方法や、検知式・規制式によって分類することも可能です。ですから、実際に対策すべき状況によってポカヨケを使い分けるのが理想的と言えます。
ここでは、上記3つのタイミングにおいてどういったポカヨケとなるのかを解説しましょう。
作業者のヒューマンエラーが発生する前に確実に不良発生を防ぐタイプのポカヨケです。具体的なポカヨケの内容としては、下記のようなものになります。
特に重要な考え方は作業者がミスをした場合に次の工程へ進めなくするという考え方です。これは、フールプルーフと呼ばれています。
たとえば、実際の工程に入る前にワークをセットした時、ワークの位置ズレが発生していれば装置は停止。このポカヨケによって不良を次の工程に流すことはなくなります。
不良発生時のポカヨケとは、不良発生の瞬間や日々の生産において不良を防止するタイプのことを言います。
不良の検知として利用されるのは、カメラによる画像認識や光学センサです。生産工程中に不良を検知したら、警報を出力します。たとえばブザーやランプなどによって作業者に通知するという仕組みです。
また、単純に警報を出力するだけでなく、規制式のポカヨケもあります。規制式は不良が発生した際に装置の停止や操作盤ロックなどによって、作業者が操作できなくする方法です。
不良発生後のポカヨケは製造ラインではなく、後工程で検査するタイプです。
つまり、製造ライン内での不良発生については対策を行いません。その代わりに、後工程で検査することで不良品の流出を防ぐというものです。
不良発生後のポカヨケは、
などにおいて自動で不良を判別して排出する機構になっています。
不良発生前・発生時・発生後によってポカヨケは異なるのですね。
しかし、実際に対策を実施するのは難しそうな気がします。
では、具体的なポカヨケの実施方法について紹介しましょう。
ポカヨケの徹底には、ポカミスの発生原因を知る必要があります。
ポカミスの発生原因を分析するにあたり、おすすめするのは「なぜなぜ」分析や「QC7つ道具」です。5W1H(When・Where・Who・What・Why・How)を明確にし、不良発生の状況を整理しましょう。
ポカヨケを徹底する上で具体的な方法として、手軽に取り組めるのは下記の4点です。
それぞれについてもう少し詳しく解説していきましょう。
製造業においては、各工程で専用治具を使用することも多くあります。一般的に専用治具は作業効率の向上や品質向上が主な用途という認識かもしれません。しかし、専用治具はポカヨケにも活用可能です。
たとえば、部品の種類や取付方向を間違うことが予想できるなら、
を作成すれば良いでしょう。専用治具もほんの少し工夫するだけで、ポカヨケとしてヒューマンエラーの防止が可能です。
製造業では多くの製品・多くの部品を扱うことになるので、識別作業が必要となります。たとえば下記のような場合です。
これらの識別作業を作業員が確認しながら実施することで、作業ミスが発生することも考えられます。しかし、識別作業を自動もしくは半自動に置き換えることで、ポカヨケが可能。
自動認識機能として活用できるのが、以下の3つの方法です。
たとえば、指示書と部品が一致しているか否かをバーコードやRFIDで自動的に照合できれば、人による作業ミスは劇的に削減できるでしょう。
製造現場では多くの部品や工具・治具を使用することになります。中には似通った部品や工具があり、作業ミスを招く場合も。
しかし、このような場合も置き場所の固定や色分けによってポカヨケが可能です。置き場所の固定と色分けを組み合わせて、不良品は赤の場所・良品は青の場所に置くなどの対策もできます。
色分けと同様に、各工程で使用するツールについてもポカヨケ機能を持たせることができます。下記のツールはほんの一例です。
各ツールはほんの少しの工夫で作業ミスを減らすことができます。ポカヨケツールの中でも有名なのが、ポカヨケトルクレンチです。
ポカヨケトルクレンチはトルクレンチに通信機能が追加されています。通信機能を活用し、締め付け回数や締め付けデータの管理が可能。締め忘れの防止と共にトレサビリティとしての利用もできます。
ポカヨケは不良発生の原因を解析することからはじめましょう!
それでは続いて、ポカヨケの具体的な事例を紹介します。
製造業において下記のポカヨケを活用している事例を紹介しましょう。
現在では、デジタルテクノロジーを活用したポカヨケが導入されるケースが増えてきました。上記の2点はその最たるものと言えます。
こちらは、先程紹介したポカヨケ機能付き工具の紹介動画です。
一般的な工具に通信機能を付け、回数やトルクなどの情報をやりとりしています。工具自体は電動でないものも多く、様々な製造現場で活用できるでしょう。
これらのポカヨケ機能付き工具もIoT機器の一つ。ですから、工程の情報をビッグデータとして取り扱うこともできます。
単なるポカヨケではなく、生産管理データとしても有効活用できる点が大きなメリットでしょう。
上記はRFIDを活用した在庫管理の解説動画です。RFIDは製造現場や倉庫などのポカヨケとして大きく注目されています。
製造工場では識別の必要な工程が意外と多いのをご存じでしょうか。実は、識別は意外とヒューマンエラーの起こりやすい工程です。そこでポカヨケとして活用されているのが、RFID(ICタグ)やバーコード・QRコードです。
RFIDやバーコード・QRコードは自動で読み取ることができるので、識別の自動化にもつながります。人が介在しないことで、ヒューマンエラーも劇的に削減できるでしょう。
また、半完成品や部品などがどの工程にあるのかということも正確に把握できる点も大きなメリットです。製造工程上の加工履歴なども把握でき、生産管理情報に連動することもできます。
ここには掲載しませんでしたが、その他にもポカヨケの成功事例はたくさんありますよ!
本記事では製造業におけるポカヨケについて詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
ポカヨケはトヨタ生産方式の基本概念の一つにもなっている概念で、通常では考えられないようなうっかりミスを防ぐ手法です。ポカヨケの仕組みを作ることで、無駄を省き持続的な品質向上効果が期待できます。
製造業で起こるうっかりミスは、必ずしもヒューマンエラーだけが原因とは限りません。ですから、根本的な要因を突き止めればポカヨケが可能です。
ポカヨケは不良の発生するタイミングによって、次の3つに分類可能です。
それぞれのタイミングによってポカヨケの手法も異なります。手法が決まれば、具体的なポカヨケについて検討しなければなりません。実際にポカヨケを徹底する方法の例としては、下記のような方法があります。
製造業におけるポカヨケは、生産効率や製品の品質を向上させるものです。まずは問題提起から取り組んでみてはいかがでしょうか。
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