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こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
前回、PLMとPDMについて教えていただいたのですが、今度は「ERP」という言葉が出てきました。また違うものですか?
ERPはPLMやPDMとは異なります。ERPは資源について着目した管理システムのことです!
近年ではビジネス遂行のリソースが重要と言われるようになりました。つまり、企業が保有している人・モノ・カネなどの資源です。ERPは企業が保有している資源を管理するシステム。
実は、昨今の企業経営はERPによる基幹システムの構築が一般的になりつつあります。
そこで本記事ではERPとはどのようなシステムなのかを具体的に解説し、さらにPLMとの相違点についても詳しく説明しました。
PLMの復習と共にERPの基礎知識を身につけ、製品生産に役立てましょう。
もくじ
ERPとは、企業資源計画を示す英語「Enterprise Resource Planning」の頭文字を取った略語です。企業経営の基本となる資源要素となります。ERPは、人・物・資金・情報などを適切に分配した、企業の経営資源を統合的に管理するシステムです。
ERPには他にも様々な呼び方があります。下記はその一例となります。
ERPは本来マネジメント思考を意味する用語です。しかし、昨今は基幹系情報システムを指すことが多くなってきました。具体的には、下記の5種類で構成されたシステムです。
上記5つのシステムにより、企業が行う人・物・資金・情報に関する業務や業務プロセスを一元管理します。したがって、ERPは経営に必要な情報を管理できるシステムであり、今や企業運営に欠かせないものという認識です。
ERPの具体的なメリットについては後述しますが、データを素早く収集することでリアルタイムに反映が可能となります。よって、部門間で分断された異なる業務や部門でデータの共有が可能です。結果として業務の簡略化ができ、コストダウンにも繋がります。
それでは、ERPの歴史的な背景や日本国内にいつ頃から導入され始めたのかなどについて紹介しましょう。
ERPは1973年にドイツのSAP社がリリースしたのが始まりです。その後、少しずつ欧米の企業に導入され、現在のように多くの企業で導入されるようになりました。
ERPの起源はMRP(Material Requirements Planning System)。MRPは資材所要量計画と略される、在庫に注目して生産計画を立てる管理手法です。MRPの基本は「必要なものを」「必要なときに」「必要なだけ」購入したり製造したりするというもの。在庫に注目したMRPから発展し、現在のような資源全体を管理するERPシステムとなりました。
日本でERPが普及したのは2000年代に入ってからのことです。企業のグローバル化への対応を目的とした海外への事業展開をする企業で導入が進みました。海外への事業展開では海外企業との情報共有が必須。日本の企業にとって、海外企業との情報共有はとても重要な役割を果たします。
特に問題となるのは情報取得の遅延による意思決定の遅れです。ERPの導入により、素早い情報収集が可能となります。結果として利益損失の可能性も大幅に減少しました。
ERPを導入すると多くのメリットがありそうですね。
ERPを導入することで企業経営においては多くのメリットがあります。しかし、必ずしもメリットだけではありません。そこで、この章ではERPを導入した場合のメリットとデメリットについてそれぞれ具体的に解説しましょう。
ERPを導入した場合にメリットとして考えられるのは主に次の4点です。
最も大きなメリットは情報の一元管理によるリアルタイム経営が可能になる点でしょう。従来のシステムでは業務ごとに情報が管理されていました。しかし、ERPを導入することで、対象となる業務処理と同時に関連する情報も得られます。
部門間の連携も円滑となり、経営の資源(人・物・資金・情報)の「見える化」が実現。経営者の意思決定が容易になるだけでなく、企業全体の最適化を促進させます。
また、ERP導入によって生産性の向上も可能です。情報の一元管理により、各部門のスケジュール調整が容易になるでしょう。その結果として作業者は本来の業務に集中できます。過剰な仕入、工数の読み違いなどのミスが減ることは間違いありません。
また、セキュリティ面においても大きなメリットが得られます。従来のシステムでは、各部門での情報管理が主だったため、セキュリティ管理も各部門で行う必要がありました。しかし、ERPを導入することで、社内システムの統合が可能です。したがって、セキュリティ管理も一元化できます。
従来のシステムでは、下記の管理は別々のものでした。
しかし、ERPを導入することで一元管理が可能となり、データの改ざんや架空処理などの不正を防止可能能になります。つまり、セキュリティ管理の一元化と共に内部統制の強化も可能です。
それでは、続いてデメリットについて考えてみましょう。
ERPのデメリットとして考えられることは次の3点です。
ERP導入の際に考えられるデメリットとして、最初に衝突する壁がシステム選定です。ERPのベンダーは国内・海外含めると価格や種類が多いので、どのシステムを選べば良いのかわかりません。また、導入する企業毎に必要な機能も異なるため、適合したシステムを選ぶのは難しいでしょう。
また、ERPはシステムを選定して導入すれば終わりというわけではありません。ERPは大規模なシステムなので、導入時や保守にも大きな費用が必要となります。
さらに、実際にERPを使用する際には今までとは異なる作業をしなければなりません。よって、社内での教育訓練が必須。ERPは全社員が一丸となって使用しなければならないシステムです。ですから、導入の意図や意義を啓蒙していく必要があります。
ERP導入にはメリットも多いけどデメリットことがわかりました。導入時にはよく検討しないといけませんね。
ERPを導入する際にはPLMとの違いも知っておいた方が良いですね。
PLMとは?
ERPの導入と同様にPLMの活用も注目されています。ここではPLMについて簡単に復習しておきましょう。
PLMとは、Product Lifecycle Managementの略。日本語では製品ライフサイクル管理を表します。つまり、製品の企画から販売、廃棄・リサイクルまでのデータを一元管理するというもの。PLMを導入することで、下記のような膨大な情報の一元管理が可能となります。
また、単なる一元管理ではなく情報を相互に関連させつつ管理することで、各部門でのデータ共有が可能です。PLMの詳細については、下記の記事を参考にしてください。
PLMとERPはそれぞれ異なるシステムです。しかし、いくつかの共通点もあります。そこで、PLMとERPの相違点と共通点についても考えてみましょう。
PLMとERPはデータの一元管理という点で似たシステムのように思えますが、実際は異なるシステムです。それでは、PLMとERPはどのような点が異なるのでしょうか。
PLMとERPが大きく異なるのは、ビジネスニーズです。具体的には下記のような違いがあります。
PLMは製品ライフサイクル全体に関わる情報です。したがって、開発・設計段階のCADデータなどが主な対象。一方、ERPは会計情報がメインとなります。
ERPとPLMは利用方法が異なるため、どちらかを選択するというものではありません。したがって、多くの企業ではERPとPLMの両方のシステムを連動させて使用しています。2つのシステムを連動させるにはデータの変換作業などが必須ですが、その手間以上のリターンがあると考えて良いでしょう。
実は、PLMとERPには共通点もあります。主な共通点は下記の3点。
PLM、ERP共に膨大なデータを一元管理するためのシステムです。前述したとおり、一元管理することでリスク低減や生産性向上などのメリットが得られます。
また、費用面も共通のデメリットといえるでしょう。ERPのデメリットとしても紹介しましたが、導入費用だけでなく保守費用に関しても高額になります。PLM・ERP共に規模が大きなケースが多く、費用面に関しても高額になるのは仕方がありません。
導入後の運用に関しても共通点があります。PLMやERPは、導入すれば良いというものではありません。導入後に正しい運用を行うことで成果が得られるものです。したがって、社員がPLMやERPを理解して運用できるような社内体制作りをしなければなりません。その為に必要なのが社内教育です。
また、PLMもERPもデータを一元管理するものですが、基本的には各部署での運用となります。したがって、各部署特有の問題が発生する可能性もあり、各々で対処しなければなりません。
PLMとERPは異なるシステムですが、共通点も多いのですね。
PLMとERPの両方をうまく連携させて、メリットがより多くなるように利用するのがおすすめです。
本記事ではERPとはどのようなシステムかについて詳しく解説し、さらにPLMとERPの相違点や共通点、ERPのメリットについても紹介しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
ERPとは、企業資源計画を示す「Enterprise Resource Planning」の頭文字を取った略語で、企業の経営資源を統合的に管理するシステムです。ERPは下記の5種類で構成されます。
また、ERPには下記のような4つのメリットがありました。
上記のメリットを鑑みると、ERPは今や企業運営に欠かせない基幹システムと言えるでしょう。おすすめはERP単体での利用ではなくPLMとの連携です。ERPはPLMと連携させて運用することで、より効果を発揮します。
ただし、どちらも大きなシステムです。したがって、導入費用や保守費用が高額になる可能性があります。システム導入には社内教育も必要となるので、検討の際には費用面はもちろんのこと社内体制についても整えなければなりません。
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