品質向上に最適!-外観検査を自動化・無人化に必要な基礎知識
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こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
工場の作業には危険が伴うものもありますね。製造DX.comさんは何か対策をされていますか?
危険作業を取り除くことが重要だと思います。それから、自動化ですね。多くの工場では自動化への取り組みが増えています。
工場作業での労働災害事故は全体的には減少傾向となっていますが、無くなることはありません。下の画像は厚生労働省がまとめた労働災害発生状況のデータです。令和3年のデータでは、死亡者数・休業4日以上の死傷者数共に増加傾向にあります。
労働災害の多くは危険作業が原因です。したがって、安全に生産活動を続けるには、危険作業を極力排除していかなければなりません。危険作業を減らす最も良い方法は、危険作業を自動化することでしょう。そこで、本記事では自動化によって危険作業を削減する方法について具体的に紹介しました。
危険作業を減らすことは作業効率の向上にもつながります。ぜひ、危険作業の自動化に取り組んでください。
もくじ
危険作業とは、労働災害が発生する可能性の高い作業のことを言います。危険作業については安全法に定められており、就業制限や安全教育などを行なわなければなりません。違反した場合には懲役や罰金などの罰則を科せられる場合もあるので注意が必要です。
それでは、具体的な危険作業にはどのようなものがあるのでしょうか。下記は中央労働災害防止協会に掲載されている危険作業の一覧から、一部を抜粋したものです。
上記の中から具体的な例をいくつか紹介しましょう。
多くの製造現場では切削砥石を使用する作業があるのではないでしょうか。切削砥石は大量に部品を製造する際に使用することもありますが、簡単な治具制作などの際にも手軽に使用されます。切削砥石は誰でも簡単に使用できる装置です。
しかし、実は研削砥石の取替え作業後の試運転は危険作業として、労働安全衛生法第59条第3項で明確に定められています。
事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならない
労働安全衛生法第59条第3項
ところで、どうして砥石の取替え業務が危険なのでしょうか。
実は、研削砥石は陶器のように破損しやすいものです。適切に取り扱わなければ砥石が破裂して、重大な事故につながる可能性があります。したがって、取り扱いには十分な知識やスキルが必要です。
溶接は金属と金属を溶かして接合する手法で、溶接の手法にはいくつかの種類があります。その中でもアーク溶接は空気中の放電現象(アーク放電)によって金属を接合する方法です。
アーク溶接の短い作業説明動画がありましたので、御覧ください。
動画を見ると「危険」というイメージがよく理解できるのではないでしょうか。溶接時のアーク放電は
になります。アーク溶接も研削砥石取替え作業と同様に「アーク溶接特別教育」が義務付けられている危険作業です。実際にアーク溶接作業においては下記のような重大災害が発生する可能性があります。
アーク溶接は建設現場や造船・自動車製造などで多くの需要がありますが、作業前には十分な知識とスキルを身につけなければなりません。
フォークリフトは事故件数が多く、意外と危険な作業です。厚生労働省の労働災害統計によると、フォークリフトによる災害は毎年2,000件前後で推移しています。また、年間30件近くの死亡事故が発生している点も見逃せません。特に多い事故が下記の4種類です。
フォークリフトは講習会に参加し、「フォークリフト運転技能講習修了証」を取得すれば運転できます。しかし、免許を持っていても上記のような事故が後を絶たないほどの危険作業なのです。
危険作業を安全に作業を行うにはどうすればいいですか?
対策を行っても労働災害はなかなか減りません。ですから、根本的に人が直接危険作業をしない方が良いでしょう。
危険作業での労働災害を減らすには、人の介在を減らすのが最も良い対策です。そこで、危険作業を自動化している事例を紹介しましょう。危険作業の自動化は様々な事例があります。
ここではプレス、溶接、フォークリフトの3つを例に紹介します。
見た目の通りに実際の作業自体も危険なのが製品のプレスです。プレス機の稼働部に作業員が何度も手を入れて行う作業は、すべて手作業であり事故の危険を伴う上、単調で心身に大きな負荷がかかります。
したがって、プレス作業並びに周辺機器の自動化ができれば、危険で単調な作業の削減が可能です。たとえば下記の動画では500tプレスのラインにパラレルリンクロボットなどを導入して自動化に成功しています。
上記の例では工夫をしてロボットの設置場所を確保されました。しかし、製造工場によってはロボットを導入するスペースが確保できない場合もあります。ロボットを導入するスペースが確保できない場合には、安全柵の不要な協働ロボットの利用がおすすめです。
前述したように、溶接は火災や爆発の可能性を伴う危険作業です。したがって、溶接工程の自動化ができれば、人的ミスによってそれらの事故を削減できます。
また、溶接は職人のノウハウが占める割合も多い工程です。しかし、ロボットなどを導入して自動化すれば、職人のノウハウの再現も可能となります。危険作業を回避するだけではなく、作業効率の向上や品質向上のためにも溶接工程の自動化がおすすめです。
溶接工程の自動化については、下記の記事も参考にしてください。
前述した通り、フォークリフト作業での労働災害は非常に多く、少しでも注意を怠ると事故発生の可能性もある危険な作業です。また、フォークリフト作業は単調な作業ではない場合が多く、自動化は困難とされてきました。
しかし、近年はフォークリフトの自動化が実現しています。下の動画はトヨタL&Fの「自動運転リーチ式フォークリフト」の紹介動画です。
フォークリフトの自動化を実現する制御方法として、動画内で紹介されていたのが下記3つの方法です。
従来は賃借倉庫など床面工事ができない現場ではフォークリフトの自動化が不可能でした。しかし、現在はレーザリフレクタ方式によって精密な自動運転も可能となっています。また、「搭乗/非搭乗スイッチ」により、ワンタッチで運転が切り替えられる点も特徴的です。
フォークリフトの自動化によって人的ミスも発生しなくなるので、労働災害の削減にはおすすめです。
危険作業を自動化するのは良いと思いますが、注意点などあるのでは?
やはりメンテナンスは重要ですね!
ロボットや自動機を導入して、危険作業の自動化を行なったとしても安全性という点では不十分です。自動化に伴い、保守やメンテナンスが必要となります。保守やメンテナンスを怠ると、安全な設備とは呼べません。
工場の仕事は商品を製造するだけではなく、保守やメンテナンスも重要な仕事です。それでは、なぜ保守やメンテナンスが必要なのでしょうか。
危険作業を自動化する際に導入する設備には多くの機械部品が使用されています。機械部品は使用する度に摩耗したり、金属疲労を起こしたりするので、導入時の状態のまま使い続けることができません。また、電気部品に関しても断線や接触不良、センサーなどの故障が多々あります。
設備の中には長時間稼働し続けなければならないものもあり、日々の点検作業が重要です。不具合の兆候を見逃さず、保守やメンテナンスに取り組んでください。
メンテナンスをせずに使い続ければ、時には重大な事故につながるかもしれません。特に設備の故障などによる事故は人命に関わるような甚大な被害となる可能性もあります。せっかく導入した設備で労働災害を起こさないためにも、日々のメンテナンスが重要です。
自動化して、メンテナンスをすればバッチリですね!
実は、危険作業以外にも事故を誘発することがあります。最後にその点についても触れておきましょう。
危険作業の自動化は、安全性という点において大きな成果をもたらすでしょう。しかし、実際に工場内で発生する労働災害は一般的な危険作業のときばかりではありません。
たとえば、以下のような状況では事故を誘発する可能性があります。
上記の中で重要なのが整理整頓です。整理整頓は5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)として、多くの製造現場で取り組まれています。基本的には、自分たちの職場を自分たちの手で働きやすい職場にするのが目的です。しかし、結果として安全性が高まり、作業員の意識向上にもつながります。
5Sに関しては、下記の記事も参考にしてください。
また、ヒヤリハットを洗い出したり、日々のヒヤリハットを共有することも事故防止につながります。一丸となって安全な職場づくりに励みましょう。
危険作業を自動化することも重要ですが、メンテナンスや5Sなども並行して取り組むことをおすすめします。
本記事では、危険作業を削減するための自動化について紹介しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
危険作業とは、労働災害が発生する可能性の高い作業のことでした。危険作業の中には、労働安全衛生法に定められているように、特別教育や資格が必要な場合もあります。違反した場合には懲役や罰金などの罰則を科せられる場合もあるので注意が必要です。
しかし、特別教育や資格を取得しても完全に危険性が排除されるわけではありません。危険作業を削減するには、自動化によって人の介在を減らすことが最善策です。記事内では、プレス作業、溶接作業、フォークリフト作業について具体的に紹介しました。
ただし、自動化すれば確実に安全というわけでもありません。日々の保守やメンテナンス、5Sなどへの取り組みも重要です。自動化を軸に、安全な職場づくりを目指しましょう。
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