製造業でも採用が進むコンカレント・エンジニアリングとは?その特徴やメリットデメリットなどを紹介
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PLCが1台あれば手軽に装置の制御ができますね。今度、職場の環境改善のために小さな装置を作ろうかと考えているところです。
確かにPLCは便利ですね。最近では工場内のデータ収集などにもPLCが利用されています。小さな装置とはいえ、大きな可能性を秘めているのではないでしょうか。
PLCとはProgrammable Logic Controllerの略で、作成したプログラム(ラダー図)に従ってさまざまな処理ができる制御装置です。パソコンに目や手足が付属したものをイメージすればわかりやすいでしょう。
現在、PLCはさまざまな産業現場で利用されています。そこで、本記事では産業現場別のPLC活用について詳しく解説しましょう。
PLCの利用方法は現場によって大きく異なり、それぞれの産業現場では必要に応じて活用しています。記事を読むことで、PLC活用のイメージも膨らむのではないでしょうか。ぜひ、最後まで記事をご覧になり、今後の仕事に生かしてください。
PLCの基礎的な知識については、下記の記事をご覧ください。
>> PLCとは?ロボット制御・機械設備制御にはかかせないアイテム
もくじ
産業現場に導入されているPLCには、大きく分類すると下記4つの役割があります。
それぞれについて簡単に解説しましょう。
製造現場に導入された設備や装置には多くのセンサやカメラなどが取り付けられています。たとえば、圧力センサやワークの有無を検出する光電センサ、ワークの角度や良品・不良品を判定する画像処理用のカメラなどです。
また、タッチパネルやスイッチなどのユーザーインターフェースからの入力、外部装置からの入力信号もあります。
PLCには入力ユニットが備えられていて、さまざまな信号の入力が可能です。入力信号は大きく分類すると下記の2種類。
PLCにはそれぞれに対応した入力ユニットがあり、どのような信号にも対応できます。
PLCには入力ユニットと対比する出力ユニットがあります。また、入力ユニットと同様に下記2種類の出力への対応が可能です。
モーターや電磁弁(シリンダ)などの多くはデジタル出力を利用し、リレー・電磁接触器・SSRなどを介してアクチュエータを駆動します。ただし、モーターの速度制御やトルク制御、比例電磁弁などの出力にはアナログ出力が必要です。
また、タッチパネルやランプなどのユーザーインターフェースや外部装置への信号出力も行なわなければなりません。
入力信号から判断して信号を出力するには、計算やデータ処理が必要です。PLC内で作成したプログラムによって、複雑な計算や条件判断もできます。頭脳の役割を果たす部分といえるでしょう。
製造現場では単体の設備を制御するだけではなく、ライン全体の状況を把握しながら製造しなければならないことも多々あります。PLCにはイーサネット通信機能も装備されているため、設備間やライン管理システムとの通信も可能です。
それぞれの装置や設備はIoTの一部となっている場合もあり、生産状況や設備の状態などのビッグデータを管理部門とやり取りしなければなりません。ビッグデータを活用することで、工場の自動化にもつながります。
工場自動化については下記の記事を参考にしてください。
>> ビッグデータを活用した工場自動化とは?
まずは製造業全般でPLCがどのように活用されているのか考えてみましょう。
製造業全般に共通したPLCの活用方法は主に下記の3種類です。
それぞれについて、もう少し詳しく解説しましょう。
PLCの主な活用方法は自動組み立てラインの制御です。入出力機器を駆使し、組み立てライン全体を制御します。
また、組み立てラインの制御と同時に生産管理も行わなければなりません。生産設備全体を生産計画に基づいて制御します。
ただし、PLC1台のみで全ての自動組み立てラインを制御できるとは限りません。ときには複数のPLCと連携しながらラインの制御を行ないます。
PLCは自動組み立てラインの制御を行なうだけでなく、製造プロセスを監視して最適化しなければなりません。
たとえば、センサやモーターなどの故障検知です。PLCを活用してモーターのトルクや過負荷検知、動作時間の監視などを行なうことで、いち早く異常を察知できます。また、故障前に処置できる可能性も高いでしょう。
製品の良品/不良品を判定する際にPLCを用いることもあります。
多くのシステムはPLC以外の画像処理装置や専用検査装置が設置されており、検査装置からの信号によってPLCが合否判定を行なう仕組みです。
合否判定の後には、PLCの制御によって良品と不良品を別の搬送先へ搬送したり、ワーク自体に合否情報を付与して搬送したりします。
それでは、各産業ごとのPLC活用方法について見ていきましょう。
自動車産業においては、主に下記2点でPLCを活用しています。
もう少し詳しく見ていきましょう。
自動車製造ラインでは溶接ロボットや塗装ロボットなど、多くの工程でロボットを使用しています。ロボットの制御はロボットのコントローラーがあれば可能です。しかし、搬送・搬出コンベヤや部品供給部などの付帯装置の制御にはPLCが必要となります。
つまり、自動車製造ラインを自動化し、制御を司っている装置がPLCです。
生産現場では、実際の車両組み立てプロセスと、現状の生産数や生産予定数などの監視が必要です。PLCは製造途中のワークや生産数、不良数の数をカウントし、システムとやり取りをします。
加工食品の製造や食品用の容器製造などの食品産業でも多くのPLCが活用されています。主に活用されているのは、下記の2点です。
それぞれについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
食品産業では生産速度が速い製品も多く、製品自体も液体や柔らかいワークなどを取り扱うため、生産ラインの制御は複雑になります。近年ではIoTやAIを活用した制御が増え、PLCもそれぞれに対応しなければなりません。
IoTについては、下記の記事にて詳しく解説しています。
>> IoTを用いてスマート工場を実現!導入方法やメリット、導入事例などを紹介
また、食品産業の生産ラインにおいては温度や湿度、圧力などの計測が重要となります。PLCではさまざまな数値制御を行ない、生産に支障を来さないような監視が必要です。
食品産業では、液体や気体を扱う場合が多々あり、PLCを通じて液体の量や流量を制御しなければなりません。液体や気体を扱う場合には、単純にON/OFFするだけでなく、温度調整や圧力調整、流量調整などが必要な場合もあります。
したがって、アナログ入出力ユニットを利用してのPLC制御や温調器などの複雑な機器の取り扱いは必須です。
石油や天然ガス、電力などのエネルギー産業においても、PLCはさまざまな現場で活用されています。ここでは電力会社におけるPLCの活用について紹介しましょう。電力会社でPLCを利用している業務は下記の2点です。
それぞれについて詳しく解説します。
火力発電所ではPLCを活用し、給水ポンプや蒸気タービンなどの制御を行なっています。また、発電時には多くの計測器を利用しなければならず、測定値をモニタリングする際にもPLCは必要です。
また、発電所のシステムは何よりも安全性が保たれなければなりません。PLC制御も安全に配慮し、二重化された制御となっています。
発電所では27万5000V~50万Vの超高電圧を何度も変圧してから送電しなければなりません。したがって、送電においても多くの制御が必要となり、その一部をPLCが担っています。
近年増えている太陽光発電においても、PLCによって配電制御やシステムの監視を行なっています。
建築業とPLCは無関係に思われるかもしれません。しかし、意外と建築業界でもPLCが活用されています。主な例としては下記の3点です。
それぞれについて、もう少し詳しく解説しましょう。
近年、よく耳にするスマートビルディングとは、IoTやAIなどの技術を用いて、建物内の設備を制御したりデータを管理したりして最適化するシステムです。
スマートビルディングのオートメーション化においてもPLCが活用されています。特にIoTの領域で威力を発揮するのがPLCです。
ビルで近年増えているIoT機器といえば、空調機器や照明器具などです。じつは、空調機器や照明器具を外部から操作する際にもPLCが活用されています。
また、ビルといえばセキュリティが重要です。最近ではドアロックの自動化も進み、セキュリティ会社との連携も進んでいます。それに伴い、ビルのセキュリティに関する制御装置もPLC制御が増えてきました。
近年、ビルはエネルギー効率の向上を目指して設計されるようになってきました。すでに「ゼロ・エネルギー」を謳っているビルもあります。
エネルギー効率を向上させるには、発電、送電、モニターなどの多くの機器を制御しなければなりません。機器制御に活用できる、最適な機器がPLCです。したがって、ビルのエネルギー効率向上にPLCは欠かせない存在といえます。
産業現場において、PLCが無くてはならない存在ということがよく理解できました。
本記事では産業現場でどのようにPLCが活用されているのかについて、産業ごとに詳しく解説してきました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
PLCには入出力機能や通信機能が備えられており、生産設備を自動化するには最適の制御装置です。また、近年はIoTやAIを活用することも増え、PLCが活躍する場も増えてきました。さらに、通信機能を利用すればプロセス管理やビッグデータの活用も可能です。
本記事では一部の産業でのPLC活用事例を取り上げましたが、記事内で取り上げられなかった業界でもPLCは多く活用されています。
PLCのプログラムは基本がラダー図ですが、ラダー図がある程度読めるようになれば、小さなシステムの制御は簡単です。まだPLCを利用したことがない方は、ぜひラダー図の書き方からはじめてみてはいかがでしょうか。
ラダー図に関しては下記の記事が参考になります。
>> PLCの「ラダー図」とは?基本の記号や主要3メーカーを解説!
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