産業用ロボットを導入する際に考えるべきこと、やるべきことは?具体的な例を紹介
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こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
産業用ロボットの多くはハンドリングロボットですよね?
確かに、製品の移動や整列などにロボットを使用することが増えてきました。
産業用ロボットは組み立てや溶接、塗装などの工程で使用されることが多いのですが、各工程間はハンドリングロボットが活用されています。しかし、ハンドリングロボットひとくちにと言っても多種多様です。
そこで本記事では、ハンドリングロボットとはどのようなものかについて詳しく解説しました。記事内では、ハンドリングロボットの種類や具体的な導入事例なども掲載しています。
もし、これからハンドリングロボットの導入を検討されているのなら、まずは記事を読んでハンドリングロボットについての知識を深めるのがおすすめです。ぜひ最後まで記事を御覧ください。
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もくじ
一般に「ハンドリング」という言葉には「物を手で掴んで移動させる」という意味があります。
つまり、ハンドリングロボットとは、製品や材料など掴んで搬送するためのロボットのこと。ハンドリングロボットは主に製造工場などの工程間に導入されています。
近年、ハンドリングロボットは労働人口減少による人手不足を補うためのロボットとして導入されることが増えてきました。
特に物流関係では人手不足が深刻です。よって、省人化や作業効率向上のために積極的に導入されています。詳しくは下記のマテハンについての記事を参考にしてください。
後述しますが、ハンドリングロボットを導入することで省人化以外にも多くのメリットが得られます。今後は更に多くのハンドリングロボットが導入されるでしょう。
やはりどの業界も人手不足は深刻な問題ですね。ハンドリングロボットの導入も頷けます。
それでは、具体的にどのようなハンドリングロボットがあるのか紹介しましょう。
製造工場などで利用されているハンドリングロボットは下記の3種類です。
それぞれについて詳しく解説していきましょう。
ピック&プレースとは下記の2つの動作を行なうロボットです。
具体的なイメージは下記の動画が参考になります。
上記の動画は直交ロボットを使用した例ですが、パラレルリンクロボットや水平多関節ロボット(スカラロボット)を使用する場合もあります。ピック&プレースロボットを導入する際には、ワークの形状や動作によって使用するロボットを選択してください。
ピック&プレースロボットは、製品の組み立て時や仕分け動作が必要な場合などのハンドリングロボットとして使用されるイメージです。
対象ワークとしては小さな物から大きな物まで対応可能。マイクロ単位で正確な位置精度が必要な場合や人が運べないような大きな物の移動にも利用されています。
ピック&プレースロボットは製造ラインで多く活躍しているハンドリングロボットです。しかし、位置精度の高さから、研究分野においても広く利用されています。
梱包ロボットは、出荷される製品をダンボール箱や発泡スチロールなどの容器への箱詰め作業を行うハンドリングロボットです。ただし、梱包ロボットは、前述したピック&プレースロボットも含んでいる場合があります。
梱包ロボットには様々なタイプがありますが、下記の動画イメージが参考になります。
梱包ロボットの主流は上の動画でも利用されている双腕型スカラロボットや人型ロボットです。特に双腕型スカラロボットは平面上での作業を得意としています。よって、梱包ロボットとしてのハンドリングロボットには最適です。
従来は人手作業を行っていた梱包作業も、ハンドリングロボットを導入することで自動化が進められてきました。今後は更に活用されることが期待されます。
パレタイジングロボットは、箱詰めされた商品などをパレットの上に積み上げていくハンドリングロボットのことを指します。
反対に、パレットから荷物を順次運び降ろす作業を行なうデパレタイジングロボットもハンドリングロボットの一種です。パレタイジングロボット・デパレタイジングロボット共に自由度の高い垂直多関節ロボットが多く用いられます。
パレタイジングで積み上げる商品は主に下記のような物です。
上記からもわかるように、ハンドリングの対象の多くは大きな物や重量物。人手作業では負担が大きくなるため、ハンドリングロボットを利用することで作業者の負担を軽減できます。
作業者の負担が軽減できるのはハンドリングロボットのメリットですね。他にはどのようなメリットがあるのでしょう?
ハンドリングロボットを導入するメリットとして考えられるのは主に下記の5点です。
もう少し詳しく見ていきましょう。
ハンドリングロボットでは重量物を扱うことがあります。
重量物を扱うには作業員の体力的な負担が大きくなりますが、ハンドリングロボットを導入することで負担の低減が可能です。
キツイ仕事は離職率とも深い関係があるので、ハンドリングロボットの導入によって離職率の低下も期待できます。
ロボットは人間の作業員とは異なり、24時間365日の連続稼働も可能。休憩もせずに働き続けることができます。しかも、動作速度も人が作業する何倍も速いので、作業効率は大きく向上することは間違いありません。
ただし、定期的なメンテナンスは必要となるので、その点は注意が必要です。
ハンドリングロボットに置き換えが可能な作業工程では、ピック&プレースロボットなどのように位置精度が要求される場合もあります。もちろん、ロボット化することで要求精度を満たすことが可能です。手作業よりも作業精度・作業速度共に向上します。
精度という点では、従来の人手作業においては積み間違いという問題もありました。しかし、ハンドリングロボットの導入で解決できます。
ハンドリングロボットを導入することで、人の作業エリアが不要となります。ロボットの導入ということで大きな設置面積が必要と思われがちですが、実際は省スペース化が可能。
工場内の限られたスペースを有効活用することもできます。
ハンドリングロボットを導入することで人件費の削減ができます。
しかも、前述した通り作業効率も向上するので、大きなコスト削減も可能。もちろんハンドリングロボットの導入費用は必要ですが、長期的にはコスト削減のメリットが得られます。
ハンドリングロボットを導入することで多くのメリットが得られることがよく理解できました。でも、具体的な導入のイメージが湧きません・・・
それでは、ハンドリングロボットの導入事例を一緒に見ていきましょう!
ハンドリングロボットを導入している製造工場の中から、次の3社の導入事例を紹介しましょう。
具体的な事例は次の通りです。
上記の動画はmicroSDカードをトレイから取り出し、別の容器に挿入するピック&プレイス動作です。ハンドリングロボットとしては小型のスカラロボットを採用しています。microSDカードを載せ替えるだけでなく、最終的に満杯になった容器は別の場所に移動するという動作です。
ワーク自体が比較的小さな部品なので、取り出し、挿入共に高い精度が要求されます。
上の動画は株式会社三協の包装専用工場(2020年竣工)での様子です。複数のハンドリングロボットが稼働している梱包ラインを御覧ください。一つ一つの動作が興味深い内容ではないでしょうか。
動画内に収められている工程は下記の7工程となります。
人手作業では時間の掛かる作業も、AIやビジョンセンサなどを用いて高精度・高効率での作業が可能。ハンドリングロボットを随所に導入し、省人化が進んでいる様子がよくわかります。
上の動画は大分みそ協業組合の工場の様子です。3台のハンドリングロボットを導入し、1時間あたり2200ケースの処理能力を実現しました。
この工場では122品種の味噌を生産しています。従来は1台のロボットと3人の作業員によるパレタイジングを行っていたので、積み間違いという問題も発生していました。しかし、ハンドリングロボットを導入することで、作業者の負担が減っただけでなく積み間違いという大きな問題もクリア。
なお、この工場ではハンドリングロボット導入に併せて上流の箱詰めラインも一新しています。
本記事では、ハンドリングロボットについて詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
ハンドリングロボットは製品や材料などを掴んで搬送するためのロボットのことです。ハンドリングロボットは労働人口減少による人手不足を補うためのロボットとして導入されることが増えてきました。
ハンドリングロボットには、主に次の3種類があります。
それぞれに用途は異なりますが、ハンドリングロボットを導入することで下記のような5つのメリットが得られます。
記事内では上記のメリットがよくわかる導入事例として、下記の3社を動画で紹介しました。
上記の具体的な導入事例を見ると、ハンドリングロボットの導入によって省人化が進んでいることがよくわかります。今後は多くの製造工場で、省人化・無人化が進むでしょう。
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