協働ロボットを安全に運用するポイントは?安全規格や規制について詳しく解説
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最近、ビッグデータという言葉をよく耳にするようになりました。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、実はビッグデータは工場を自動化するのには大変重要な役割があります。
そこで今回はビッグデータを工場自動化にどのように活用していけば良いのかということについて解説していきたいと思います。
まずはビッグデータとはどのようなデータなのかを簡単に解説し、その後に実際の活用方法や活用事例などについても解説していきましょう。
もくじ
ビッグデータとは?
そもそも、ビッグデータとは何のことでしょう?ビッグデータをIT用語辞典で調べてみると、以下のように書かれていました。
ビッグデータ 【big data】
ビッグデータとは、従来のデータベース管理システムなどでは記録や保管、解析が難しいような巨大なデータ群。明確な定義があるわけではなく、企業向け情報システムメーカーのマーケティング用語として多用されている。
また、総務省のホームページによると「事業に役立つ知見を導出するためのデータ」と書かれています。更に、「データベースソフトウェアが把握し、蓄積し、運用し、分析できる能力を超えたサイズのデータを指す。」とも書かれている通り、データ量についての明確な定義はありません。
要するに、「必要なデータを大量に詰め込んだ」というイメージでしょう。そして、そのデータ量が今まで扱っていたものと比較すると、かなり多く、簡単に処理できないくらいの量ということです。
近年ではスマートフォンやIoT(Internet of Things)、人工知能(AI)の発展により、リアルタイムで簡単に通信・解析ができるようになりました。そして、同様のことが工場内でもできるということになります。つまり、ビッグデータは工場の生産や顧客とのやりとり、マーケティングなどに活用することが真の目的です。
では、具体的にどのようなデータのことを指すのでしょうか。
ビッグデータの定義については理解して頂けたと思いますが、具体的な内容がわからないとイメージしづらいのではないでしょうか。そこで、もう少し身近な例で考えてみたいと思います。
ビッグデータの一例としては、下記のようなデータが考えられます。
もちろん、ここには書き切れないほどの様々なデータがありますが、共通している特徴があることに気付くのではないでしょうか。その特徴とは下記のとおりです。
つまり、このようなデータを利用し、AIを駆使して分析することで、精度の高い予測も可能になります。続いて、実際にどのような分野で利用されているのかということを具体的な2つの例を用いて解説していきましょう。
AIについては別記事で詳しく解説していますので、下記リンク記事を参考にしてください。
>>AIを駆使した工場自動化の本質とは?品質向上・生産性向上も可能!
下記2つの例は、実際にビッグデータを活用して売り上げや生産性が上がったという例です。
それぞれ、具体的に見ていきましょう。
農業と言えば自然が相手なので、アナログなイメージが強い産業の一つ。しかし、いつまでもアナログというわけではありません。ビッグデータの活用で、農作物の生産性が向上する時代に変わりつつあります。
最近では農業界でも情報化の流れがあり、気象データや様々な情報を得るためのIoTセンサーが活用されているという状況です。たとえば、気象データを確認することでリスク対策も可能になりました。また、ビッグデータを解析することによって、数値化・可視化することができるので生産計画にも活用できます。
それだけではありません。過去の蓄積された経験についてもデータ化することができるので、より生産性の向上が期待できるようになりました。
現在、農業界では自動化も進められています。ビッグデータを活用し、自動化が進むことで、人材不足という大きな悩みも解消されることでしょう。詳細は別記事に記載してありますので、下記の記事を参考にしてください。
>>農業の自動化”スマート農業”で使われてる技術とは?高齢化が深刻な農業に進化を!
近年は教育業界でも当たり前のようにビッグデータを活用しています。たとえば、通信教育業界では紙を使っての学習が当たり前でした。しかし、最近ではタブレットなどのデジタル端末が主流となっています。
デジタル端末を使用することで、生徒の学習履歴や行動履歴などのビッグデータを収集することが可能になりました。では、ビッグデータを使うとどのようなことが可能になるのでしょうか?
実は、ビッグデータを分析することで、生徒一人ひとりの思考・行動パターンを知ることができます。更に、AIを活用することで以下のようなことも可能です。
このように、教育業界では既に確立した技術となっていますが、今後は更にビッグデータが活用されることになるでしょう。
これまで、ビッグデータの概要とその一般的な利用方法について紹介してきました。ここからはビッグデータを活用した工場自動化について解説していきます。
工場にはビッグデータの素材が至る所に設置されています。たとえば次のような機器です。
特に、装置やワークの状態を知るためのセンサー情報やカメラによる検査結果は非常に重要なデータとなります。場合によっては数億個以上のビッグデータとなるでしょう。更に、これらのデータをインターネットを通じて取り込むことで、各々の情報が工場全体・事業所全体の状況を把握できるビッグデータとなります。
そして、工場から得たビッグデータにAIを加えることでより詳しい分析が可能。その結果として、生産効率と品質をより向上させることができるでしょう。
つまり、工場自動化にはビッグデータを活用することで、より大きなメリットを得ることができます。もしかすると、「インダストリアルIoT」や「スマートファクトリー」などの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。実は、これらは同じことを表しています。
スマートファクトリーに関しては、別記事にて詳細を記載していますので、参考にしてください。
>>スマートファクトリーとは?工場への必要性とは?徹底解説!
ビッグデータを活用し、工場自動化で成果を上げた企業は数多くあります。今回はその中から次の3社について取り上げてみましょう。
それでは、上記の企業ではどのような取り組みをしたのかについて詳しく解説します。
空調技術で有名なダイキン工業は日立製作所と共同でビッグデータを活用して技術者の熟練技術をデータ化することに成功しました。空調機を製造する工程の中で、自動化の難しい熟練技術としては主に次の4つの工程があります。
ダイキン工業では、その中の一つ「ろう付け」の技術をデータ化し、安定した品質と生産性の向上を実現しました。
また、ダイキン工業はRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入することで、年1万時間分の作業を自動化したという報告もあります。RPAについては別記事にて詳しく解説していますので、下記の記事を参考にしてください。
>>RPA活用のメリットと導入方法を詳しく!参考事例も紹介!
株式会社デンソーと言えば、スパークプラグやラジエーター、エアコン、カーナビなど多くの自動車部品を製造している会社です。デンソーでは独自にIT、IoTの技術でつなぐ「Factory-IoTプラットフォーム」を開発し、ビッグデータを活用して世界130工場の自動化に成功しています。
具体的には、世界の全130工場から生産時の工場データをデバイス接続インターフェースを通じて管理センターに集め、データ分析、品質管理、設備稼働管理などに利用するという方法です。
その時のソフトウェアがFactory-IoTプラットフォーム。Factory-IoTプラットフォームはオープンソースとして開発されたので、誰でも無料で利用が可能です。
デンソーではFactory-IoTプラットフォームの運用に際し、次の3つのことを重視したとのことでした。
デンソーは国内だけでなく、海外工場のビッグデータを活用することでグローバルな生産体制の強化やリアルタイムな分析ができるようになったという例です。
TOTO株式会社滋賀⼯場は衛生陶器を製造している工場です。実は、生産設備は既に自動化が進んでいるという状態でした。TOTOでは更に一歩踏み込み、ビッグデータを活用することで過去最高の歩留まりを達成しています。具体的に行われたことは以下の3点です。
その結果として過去最高の歩留まりを達成し、更に現在は衛生陶器以外の製品にも応用されています。
今回はビッグデータの概要と、ビッグデータを活用した工場自動化事例について紹介しました。ビッグデータには明確な定義がありませんが、具体的には以下のようなものが挙げられます。
工場自動化ということを考えた場合、センサーや検査データなどのIoTのデータをビッグデータとして取り込み、更にAIを駆使することで自動化に活用することが可能です。
今後はますますIoTやAIが発展していくことが予想されます。したがって、ビッグデータを活用した工場自動化についても急速に発展していくでしょう。
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