セル生産方式とは?ライン生産方式との違いやそれぞれのメリットとデメリットも紹介
- #生産ライン
こんにちは!
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最近の工場設備ってハイテクですよね。
設備間で色々な情報をやり取りしたり。
そうですね。OPCサーバーの需要も増えています!
OPCサーバーは工場内の様々な設備と相互接続を提供するアプリケーションです。近年の工場設備では多くのIoTが利用され、見える化も進んできました。そこで、様々な情報をやり取りするために導入されているのがOPCサーバーです。
そこで、本記事ではOPCサーバーとはどのようなものかについて詳しく解説し、更にOPCサーバーの選定方法や主要メーカーについても紹介しました。
これから工場に設備を導入する際にはOPCサーバーの導入も検討が必要です。ぜひ記事を最後までご覧になり、OPCサーバーについての知識を深めてください。
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もくじ
OPCとはOLE for Process Controlの略です。つまり、プロセス制御のためのデータ通信規格を指しています。以前は工場内の様々な設備は製造メーカーが独自の通信規格を使用していました。したがって、メーカーの違う機器や設備で情報のやり取りを行うことは困難だったのです。
しかし、OPCの通信規格を使用することで、製造元が異なっても相互通信が可能となります。そして、工場内に導入された様々な設備でOPCを利用した相互通信を提供するアプリケーションがOPCサーバーです。
OPCサーバーに対し、各装置側のことをOPCクライアントと呼びます。
ところで、OLEとはどのようなものでしょうか。
OLEは、Object Linking and Embeddingの略となります。Windowsの機能の一つで、複数のソフトウェアが連携したり、データを共有したりするための仕組みのことです。
OLEには、次の2つの機能があります。
OLEのリンク機能は、あるアプリケーションから他のアプリケーションとの連携を行うためのものです。
また、埋め込み機能を利用してデータが静的に組み込まれます。OLEの埋め込み機能は動的にデータ変更が反映されないという特徴があります。
それでは、OLEを利用したOPCサーバーの原理について解説しましょう。
OPCサーバーが通信を行う対象は下記のようなものです。
もちろん、製造元によって制御プログラムは異なります。作り方だけでなく、使用しているプログラム言語やハードウェアも様々です。しかし、OPC規格に従って決められたプロトコルとコマンドを利用すれば相互通信が可能となります。
相互通信を行うためには、OPCサーバーは各装置と接続しなければなりません。その上で生産データなどの情報をやり取り(READ/WRITEを実施)します。
それでは、具体的にどのような流れで通信を行っているのでしょうか。具体的に製品の製造を行っている際のOPCサーバーとOPCクライアントの通信を考えてみましょう。
たとえば、装置で生産している品種データと生産計画を紐付けた場合、下記のような流れで相互通信を実施しています。
注意点としては、OPCサーバーはOPCクライアントである各装置のデータメモリを直接操作可能という点です。OPCサーバー側での操作が可能となるので、様々な利用方法が想定できます。
では、OPCサーバーは具体的にどのような用途で利用されているのでしょうか。
工場内には、多くのOPCクライアントが存在します。たとえば工作機械、PLC、各種制御機器などです。それぞれのOPCクライアントはOPCサーバーを設置することで様々な情報をやり取りできます。ここでは、もう少し具体的な使用用途について紹介しましょう。
具体的な使用用途として、次の3つの例を紹介します。
もう少し具体的に見ていきましょう。
工場内には多くのIoT機器が導入されています。今やIoTによってあらゆる機器がインターネットに接続され、様々な情報を得ることが可能です。もちろん、IoT機器を直接インターネットに接続することは可能ですが、OPCサーバーを利用することで、負荷が下がります。
OPCサーバーの利用で工場内全てIoT機器との通信も実現可能です。IoTに関しては別記事でも詳しく取り上げていますので、詳細は下記の記事を参考にしてください。
OPCサーバーをセル全体の制御として利用する方法は最も基本的な用途でしょう。
工場内の生産設備に利用されているPLCは統一されていることが望ましいと言えます。システムの発注時に、工場全体として統一した方がデータ通信などが容易となるからです。
しかし、必ずしも同じメーカーのPLCが利用されるとは限りません。また、制御にPLCではなく組込マイコンやPCが使用されている場合もあります。このように、制御方式が異なる装置間でのデータ通信が必要となったときに有効なのがOPCサーバーです。
OPCを利用した制御PCを1台設置するだけで、様々なメーカーのPLCや組み込みマイコン・PCとの通信が可能。機器に合わせた通信方式を考える必要はなくなります。
OPCサーバーを利用することで、トレーサビリティの取得が容易になります。
トレーサビリティは「その製品がいつ、どこで、誰によって作られたのか」を明確にすることです。したがって、材料の調達方法や製品の製造工程を記録しておかなければなりません。
前述した通り、工場内の設備は様々な制御方式の機器があるので、トレーサビリティを管理することは困難でした。
しかし、OPCサーバーを利用すれば、下記のような情報取得が容易となります。
また、上記の情報を取得し、データベース化することで品質改善への利用も可能。不良発生原因の追求にも役立ちます。
OPCサーバーがあれば装置や機器との通信が簡単になることがよくわかりました!しかし、具体的なOPCサーバーのイメージが湧きません。
では、OPCサーバーの選び方などを紹介しましょう。
きっと具体的なイメージが湧くと思いますよ!
OPCサーバーの導入を検討する際、重要となるのがOPCサーバーのスペックです。この章ではOPCサーバーを選ぶポイントを紹介します。OPCサーバーを選ぶ際には下記3点に注意して選定すると、大きな失敗はありません。
それぞれについて具体的に解説していきましょう。
OPCサーバーを選ぶ際に最も大事なのは動作環境です。OPCサーバーは基本的にパソコンを使用すると考えれば良いでしょう。ですから、OPCサーバーの動作環境で重要なのは次の2点となります。
中でもOSの選択は重要となります。パソコンのOSと言えば、Windows・Mac OS・Linuxなどが挙げられます。しかし、多くの生産ラインや生産設備ではWindowsを採用していることから、OPCサーバーのOSもWindowsを選択することが望ましいでしょう。
Windowsの次に推奨するのはLinuxです。一般的なIoT機器などではMac OSでも動作するものもあります。しかし、産業機器では対象外となることが多いのでMac OSは推奨できません。
また、OPCサーバーはOPCクライアントと通信するので、通信環境も重要です。
OPCサーバとクライアントの通信はイーサネットIPが一般的。したがって、イーサネットIPが利用可能なものを選択すれば問題ないでしょう。しかし、PLCによってはイーサネットIPに対応していない場合もあるのでOPCクライアントとの相性も重要となります。
OPCクライアントとなる生産設備や機器がイーサネットIPによる通信機能が備わってなかったり、OPC非対応であったりという場合にはOPCサーバーとの通信が困難です。
したがって、OPCサーバーを選定する際には、OPCクライアントとの相性も重要となります。
また、OPC対応の装置であっても、動作負荷が重くなると動作しない場合もあるので注意が必要です。したがって、OPCサーバー側のOPCクライアント使用実績などを調査したうえで選定することをおすすめします。
OPCサーバーを選定する際にはOPCクライアントとの相性も重要ですが、OPCサーバー側で実装したい機能によっても利用できない場合があります。
したがって、OPCサーバーの選定時にはスペックの確認が必要です。たとえば、下記のような開発環境がOPCサーバーで実現可能か否かということになります。
どのような機能を実装するのかという点をよく検討したうえで、適したOPCサーバーを選定しましょう。
OPCサーバーの選定ポイントは「動作環境」「相性」「スペック」という3点ですね。
しかし、OPCサーバーをどこで購入すれば良いのかイメージできません!
それでは、OPCサーバーの主要メーカーを紹介しましょう!
OPCサーバーのメーカーは数多くありますが、ここでは代表的な3社について紹介します。
各メーカーについて特徴などを詳しく見ていきましょう。
横河計測株式会社のExaopcはPA・FA業界向けのOPCサーバーです。
Exapopcは1999年のリリース以来40,000本以上の豊富な出荷実績があり、付加価値の高い拡張機能を提供しています。大規模システムにも対応可能で、高い信頼性が好評です。データ解析のニーズの高まりによるデータ量の増加にも対応しています。
株式会社関東エルエンジニアリングはKepwareの日本総括代理店。OPCサーバーのKEPServerEXを取り扱っています。
KEPServerEXの動作OSはWindowsのみです。KEPServerEXの最大の特長は、世界中のデータソース(機器、装置、データベース、プロトコル)約1000種をサポートしているという点でしょう。
KEPServerEXに関する短い紹介動画がありましたので、御覧ください。
『モノがうまく機能すれば、仕事は完了です。』というキャッチコピーがとても印象的。価格も1万円~と設定されているので、検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社ロボティクスウェアのFA-Server5は、三菱、オムロン、横河など計100機種に対応した OPC/DDE通信サーバーです。
FA-Server5の特長は高速性。たとえば、三菱QシリーズEthernetでは100ワード平均約3msという高速通信が可能となります。高速性能を追求する場合には検討してみてください。
本記事では、OPCサーバーについて詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
OPCサーバーは工場内に導入された様々な設備でOPCを利用した相互通信を提供するアプリケーションのことです。OPCサーバーは下記のような用途で使用されています。
ただし、OPCサーバーはどのようなものでも良いというわけではありません。OPCサーバーを選定する際には下記の3つのポイントに注意する必要があります。
また、記事内ではOPCサーバーの主要メーカーとして、下記の3社を紹介しました。
OPCサーバーを利用することで、生産ラインから多くの情報を得ることができます。メリットは計り知れません。ぜひOPCサーバーを導入し、利益向上を実現しましょう。
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