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こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
農業をすると言って会社を辞めた知り合いがいましたが・・・
かなり稀な人だったのかも。
かなり深刻な問題のようです。農業就業人口の減少と高齢化が急激に進んでいます。下記は農林水産省のデータです。1年毎の減少については緩やに見えますが、平成27年(2015年)の時点でかなり減っているのがわかります。
恐らく、今後農業就業人口が増えることはないでしょう。人口自体が減ることを考えると、高齢化を避けられないこともわかります。つまり、このような大きな課題を解決するには、農業というもの自体を変えていくしかありません。では、どのように農業を変えていくべきなのでしょうか。
それは、自動化です。ロボットを使用した自動化こそがこれからの農業を変えていくでしょう。そこで今回は、ロボット自動化が農業にもたらす効果ということについて詳しく解説しました。
農業にロボットを導入して自動化すれば、様々な効果が得られます。本記事を読むことで、ロボットを導入して自動化すべきか否かがわかります。実は『自動化こそが正義』とは言い切れません。なぜなら、自動化することで良い結果が得られることもあれば良くない結果となることもあるからです。
その見極めのためにも、ぜひ記事を最後まで御覧ください。
もくじ
農業におけるロボット自動化には多くの良い効果があります。農業と言っても作物は多くの種類があり、それぞれについて細かく分類すると書ききれないほどの効果です。ここでは、農業全体での自動化による良い効果について紹介しましょう。ロボット自動化で多くの効果が得られますが、ここでは主なものとして次の3つを取り上げました。
それでは、上記について詳しく見ていきましょう。
農業のロボット自動化によって「見える化」が可能です。具体的には、業務の進行状態や農場の情報が数値で認識できるようになります。
「見える化」で何が変わるの?
これまで、農業の作業は個人の経験と勘に頼る部分が多かったのが実情です。一方組織として取り組んでいる場合には、作業日誌や栽培履歴の資料などを作成しなければなりません。どちらもデメリットが多い方法でした。
しかし、ロボットを導入して自動化することで、農作業や圃場の情報が簡単に閲覧可能になります。各種センサやカメラなどを利用することで、数値データや画像データとして誰からもわかりやすい情報として伝えることが可能です。
つまり、農業の現場を「見える化」することができれば、作業効率を高めることもできます。それだけではありません。数値データなので比較・検討も容易です。
また、圃場管理についても電子地図を使うことで、誰でも感覚的に理解することが可能となります。
更に、農林水産省では農薬などの農業生産資材についても価格の比較ができるように「見える化」を推し進めています。
このように、農業経営の「見える化」で圃場や農作業、作物の情報を記録・管理することが可能。農業経営は生産性が飛躍的に向上することが期待できます。
「見える化」についてはIoTソリューションのメリットとして別記事で取り上げています。
>>製造業のIoTソリューション事例!3つのメリットと導入遅れの原因
農業における大きな問題は後継者問題です。農業人口の減少に伴い、後継者問題も大きな問題となっています。後継者は単純に農業を経営するだけではありません。最も難しいのが技術継承です。
しかし、技術継承問題はロボット自動化によって解決できます。
これまでの農業経営は家族による世襲継承が主でした。したがって、技術継承も親から子へと自然に伝わって行く部分も多かったと言えます。
しかも、農業の技術は一朝一夕に身に着くものではありません。一人前の農家として独り立ちするには、何年もの経験が必要となります。
しかし近年、AI(人工知能)と農業ロボットを活用することで、経験豊富な農家の「気づき」や「判断」などを自動化することができるようになりました。
「気づき」や「判断」などの経験と勘に頼っていた部分を「見える化」することで、農業は今後ますます発展していくでしょう。農作業の具体的な技術については、下記の記事に掲載しています。
>>農業の自動化”スマート農業”で使われてる技術とは?高齢化が深刻な農業に進化を!
農作業のロボット自動化のイメージはこちらの動画がわかりやすいでしょう。
このように、ロボット自動化により農作業は業務改善が可能です。主な改善内容としては下記の通り。
もう少し具体的に解説しましょう。
たとえば水稲の場合など、トラクター等の農業機械を自動化することで省力と大規模生産が同時に実現可能です。また、自動化することにより、長時間の収穫作業も可能になります。
人手作業は疲労という大きな問題がありますが、ロボットの場合は基本的に疲労はありません。極論を言えば24時間稼働も可能です。
他にも、ドローンを使った農薬散布なども省力化には欠かせません。今までは複数人が歩きながら行っていた作業も、今ではほとんど無人で可能な作業となっています。
3Kと呼ばれる「きつい」「汚い」「危険」な作業もロボットで自動化することが可能です。
たとえば収穫物の積み下ろしなどの場合、重量物を運ばなければなりません。高齢化の進む農業の現場ではかなりの危険を伴う作業と言えるでしょう。しかし、ロボットを利用することできつくて危険な作業は不要となります。
完全な無人ではなくアシストスーツなどを利用することで軽労化することもできます。
また、畦畔等の除草作業なども重労働です。除草作業もロボットによる自動化を導入することで、作業効率を大きく向上させられます。
農業というと、今まで携わっていない人にとっては敷居の高い世界と考える人も多いようです。その原因としては、前述したような技術の継承という部分が大きいでしょう。
しかし、農業もロボット自動化を取り入れることで、誰もが取り組みやすくなりました。
今までは親から子へと伝承され続けてきた技術も、栽培ノウハウのデータを蓄積することで経験が少ない労働者でも問題なく従事できます。
また、ロボットの操作についても、スマートフォンを操作する感覚で行えることも多く、感覚的に取り組むことが可能です。具体的にどのようなロボットが利用されているのかということに関しては、下記の記事を参考にしてください。
>>農業でもロボット活用が活発化!―農業危機を脱するため”スマート農業”
ただし、ロボットを導入することは良い効果ばかりというわけではありません。農業のロボット自動化にはまだまだ課題が多いと言えます。次章ではそれらの課題について考えてみましょう。
農業分野でのロボット自動化で想定しているような効果が得られない場合もあります。主に考えられるのは次の3点です。
それぞれについて詳しく解説しましょう。
一般的に農業機械を導入するには数百万円の費用が必要となります。たとえば収穫用のロボットの場合でも、同様。あるロボットメーカーでは600万円前後というこでした。
人件費の代わりと考えた場合には数年で元が取れる計算になるかもしれませんが、それでも大きな費用には違いありません。
したがって、ロボットを導入しても採算ベースに乗る場合にはおすすめです。では、採算ベースに乗らない場合にはおすすめできないのかと言われると、そういうわけでもありません。
実は、農業用ロボットは買い切りではなく、レンタルサービスもあります。中には収穫した量に応じて利用料を支払うという形態もあるので、費用面も安心です。
ロボット自動化することで、前述したような良い効果が得られることは確かです。しかし、実はシミュレーションにより、効果が得られない場合があるという報告があります。
その報告によると、下記のような場合には最適な作付け面積が減り、売上高が落ちてしまうとのこと。
したがって、農業の自動化は熟練者ではなく初心者こそ効果が得られるということになります。つまり、現段階ではロボットの技術が熟練者に追い付いていない場合があるということです。ロボット自動化を導入する場合にはその点を考慮する必要があるでしょう。
実はロボット自動化は万能というわけではなく、下記のような課題もあります。
ロボットには大きなものも小さなものもありますが、自動操舵トラクタなどの場合はどうしても大型になってしまいます。したがって、現状では小さな圃場が多い中山間地で使用できるものがありません。
今後、小回りの利くような自動機が開発される可能性もありますが、コスト面を考慮すると製造が難しいでしょう。
また、小回りという点では、現状のロボットでは外周部分で利用できるものは開発されていません。今後、開発される可能性はありますが、それまでは人手作業となります。
下町ロケットのドラマで利用されていたような自動操舵トラクタは全てGPSによって精密な位置制御を行っています。しかし、GPSが届きにくい場所があるのも確かです。
したがって山間部などの電波の届かない場所ではGPSが不安定になり、位置情報が把握できません。位置情報を必要とするロボットなどは利用できないことも大きな課題です。
本記事では農業においてロボット自動化を導入した際、どのような効果が得られるかということについて詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
農業は今、就業人口の減少と高齢化という大きな問題を抱えています。その問題解決の糸口となるのが、ロボット自動化です。農業におけるロボット自動化の主な効果としては次の3点でした。
しかし、自動化を導入したとして、必ずしも良い効果が得られるとは限りません。良い効果が得られない可能性があるのが、次のような場合です。
よって、ロボット自動化を導入するか否かは、現状と照らし合わせて効果が得られるか否かをよく検討する必要があるでしょう。
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