メタバースがもたらす製造業への影響!AR・VRとの違いは?
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こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
実は今まで隠していましたが、ロボイヌのロボット部分はPLCのラダー図で動いてます。
えっ!?PLC制御だったの?
丁度ラダー図の勉強をしようと思っていたところなので、ロボイヌのラダー図を見せてもらっていいですか?
PLCとは「Programmable Logic Controller」の略です。簡単に説明すると、社内の製造用設備などの制御を行なうための装置のこと。つまり、人間で言うと手足を動かすための頭脳の部分です。
PLCにあらかじめ書かれたプログラムによって、装置を動かしたり、周辺機器に動作指令を送ったりということをしています。
そして、ラダー図はPLC用のプログラムの一種です。もちろん、ラダー図以外にもあります。しかし、ラダー図は他のプログラミング言語とは異なり、基本的な部分が誰にでもわかるような仕組みになっているのが特徴的です。
そこで本記事では、PLCを制御する「ラダー図」の基本についてどこよりもわかりやすく解説しました。
「どうしてもPLC制御をしなければならない」「ラダー図を読まなければならない」という場合には、まずは記事を読んでください。
工場自動化・ロボット導入に関してお悩みがあれば、お気軽に製造DX.comまでお問い合わせください!
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もくじ
国際電気標準会議(IEC)でPLCを制御するプログラミング言語として定めているのが下記の5種類。
実はPLC制御用プログラム言語として最も多く使用されている方式が「LD(ラダーダイアグラム)」です。そして、このLDのことを一般的に「ラダー図」と呼んでいます。
ラダー図はグラフィック言語の一つで、言葉を読むというよりも図を見て理解することのできる言語です。
では、具体的にどのようなプログラミング言語なのかを見ていきましょう。
ラダー図の「ラダー」とはLadderを指します。つまり、ハシゴのこと。高いところに登る時に使用するハシゴです。どうしてハシゴなのかと言うと、ハシゴの形に良く似ているから。
たとえば下図のような形になります。
ラダー図がハシゴのような形をしていることが理解できたのではないでしょうか。では、どのようにプログラムが実行されていくのか解説していきましょう。
ラダー図の実行順序は基本的に
と決められています。ですから、ハシゴを登るのではなく、上から下へ降りていくイメージ。そして、一つ一つの命令は左から右に向かって実行されます。
つまり、一番右に書かれている命令が最終的な出力信号や実行命令です。
ハシゴの上から水を流した場合にオンのところを通過、最終的に出力まで辿り着くというイメージがわかりやすいかもしれません。
PLC制御に使用するラダー図はプログラミングの学習をしていない人にとってもわかりやすい言語です。
その理由は、プログラムというよりは図に近いので、視覚で理解ができるという点。そして、電気回路図によく似ているという点です。
実は、基本的なラダー図はハード的な回路図でも実現することが可能。一つ一つの記号をリレー(電気のオン・オフを切り替える部品)に置き換えてラダー図通りに接続することで、同じ動作を行なうことができます。
なぜなら、元々はリレーの回路図をソフトウェアとして実現する為に作ったものがラダー図だからです。
ところで、ラダー図に出てくる記号にはそれぞれどんな意味があるのでしょう?
実際にPLC制御をするには、様々な命令を使用しなければなりません。しかし、下記のような基本的な命令や記号を知っておくだけで、多くのラダー図を理解できるようになります。
今回、基本的な命令・記号として取り上げたのは下記の5つです。
それでは、順に解説していきましょう。
前述したように、元々はリレーのオン・オフをソフトウェアで表現し、PLC制御を行なうものがラダー図です。そして、リレーのオン・オフなどを表すものが接点記号。
接点信号には下図のように「a接点」と「b接点」があります。
記号の上に書かれている文字は接点番号(信号名)です。たとえば、センサーの信号をPLCのX001という端子に接続した場合、信号名は「X001」となります。
このように接点記号を使用することで、リレーだけではなく外部に接続されたセンサーや内部の状態などを入力として取り込むことが可能です。
a接点とb接点は何がどう違うのでしょう?
a接点は通常オフ状態、b接点は通常オン状態を表します。たとえば、光電センサを入力に取り込みたいという場合を考えてみましょう。
通常はオフ状態でワークが入ってきた時にセンサーがオンになるという場合にはa接点です。逆に、通常はセンサーがオン状態で、ワークがセンサーを遮った時に入力信号がオフになるという場合にはb接点を使用します。
ただし、安全性の問題やセンサーの型式などで決まってしまうこともあるので注意が必要です。
続いては出力の記号です。最も基本的な出力の記号は下図のコイルになります。
上のラダー図は、「M107」がオン状態、「M109」がオフ状態の時に「M108」のオンを出力するという制御プログラムです。出力に関しても接点と同様にオンを出力する場合とオフを出力する場合があるので、使い分けが必要となります。
また、コイルを接点として使用することも可能です。上記の例では、「M108」の状態を入力条件とし「M108」の接点を記入しています。出力コイルを入力に入れることで、「M107」がオフになった時でも出力の自己保持が可能です。
コイルと同様に出力として使用できるのが「タイマ」と「カウンタ」です。「タイマ」と「カウンタ」は出力の条件として使用します。
上の図では、入力信号「X11」のオン状態・タイマ「T2」がオフ状態が2秒間(20)続くとタイマ「T1」がオンするという回路です。
さらに、タイマ「T1」がオンすることでカウンタ「C1」に1回加算。カウンタの値が10回になると、「C1」がカウントアップして信号がオンになります。また、前述のコイルと同様に、タイマやカウンタの信号をそのまま接点信号として利用可能です。
タイマの使用は慣れるまで考え方が解りづらいかもしれませんが、入力信号がオンの時間をカウントしていると考えるとわかりやすいでしょう。一般的には100msec(0.1秒)タイマが標準ですが、より細かい時間設定のできる高速タイマも用意されています。
カウンタに関してもカウントアップとカウントダウンの2種類があるので、状況に応じて使い分けてください。
PLCの制御を行なう場合、接点と出力だけでは表現できない部分が出てきます。たとえば、ワークの個数計算やワークの状態監視などです。
そのような場合に利用できるのが、様々な算術命令や論理演算命令です。
基本的には最初に値を格納し、その値に四則演算や論理演算などの命令を使用して計算します。単なる演算だけではなく、2進数のシフト命令なども利用することでワークの状態管理などが容易になるので覚えておきましょう。
ただし、算術演算や論理演算はPLCメーカーや機種によって異なるので、使用するPLCのマニュアルで調べてから使用してください。
ラダー図の最後に必要となるのが、END命令です。多くのラダー作成ソフトではラダー図を新規作成する時にEND命令が書かれた状態となっているので、特に意識する必要はありません。
ただし、異常な編集をすることで記述エラーとなることもあるので注意してください。
ラダー図の基本についてはよく理解できましたが、PLCも多くの種類がありますよね?
実は、日本国内だけでも多くのPLCメーカーがあります。しかも、PLCメーカーによってラダー図の書き方が異なったり、使えない命令があったりするので注意が必要です。
今回は国内の主要PLCメーカー3社とラダー図の特徴について紹介しましょう。取り上げたPLCメーカーは次の3社です。
それでは、それぞれについて詳しく解説しましょう。
FA制御と言えば三菱電機というイメージを抱いている方も多いかもしれません。三菱電機ではFAに関する様々な商品を取り揃えていて、PLCについても選択肢が最も多いのではないでしょうか。
三菱電機のPLCは簡易的な制御に使用できるPLCから多機能なものまで、必要に応じて機能や機種を選択できます。また、サーボモーターやインバーターなどの出力機器も取り揃えているので、ラダー図との相性も良いでしょう。
ただし、高機能ユニットを使用する場合には、ラダー図も複雑になるので注意しなければなりません。その要因となるのが、機器のマニュアルが難しいという点です。
ですから、初めてPLCを使用する方や特殊なユニットを使用する場合には、三菱電機が開催しているセミナーなどに参加されることをおすすめします。
PLCの処理速度という点で最もおすすめなのがキーエンスのPLCです。価格が高いというイメージがあるかもしれませんが、機能的な点を考慮すると適正価格と言えるでしょう。
キーエンスの素晴らしい点は、「わからないことは電話で直ぐに教えてもらえる」という点。キーエンスの担当者は「マニュアル代わりに電話してください」と言うほどの迅速な対応です。
キーエンス製のセンサー類やサーボモーターとの接続も容易なため、ハード設計も含めてキーエンスで統一するユーザーも増えています。
キーエンスは全般に機器のマニュアルもわかりやすく、ラダー編集ソフトも使いやすいという印象です。それだけでなく、高機能ユニットの設定も簡単で、他社メーカーの機器との接続も比較的容易な点もよく考えられていると感心せざるを得ません。
三菱電機・キーエンスと共にPLCの国内シェア率が高いのがオムロンです。機能的には上記の2社に少し劣っている印象を受けるかもしれません。しかし、装置に見合った機能・速度であればコストパフォーマンスも高いのでおすすめ。
また、オムロンのPLCはラダー編集ソフトが使いやすいので、初心者の方にもおすすめです。
本記事ではPLCを制御するラダー図について取り上げました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
ラダー図はプログラミング言語の一つですが、視覚的に捉えやすくプログラミングの知識が無い人にも理解しやすい言語です。ラダー図の最も基本的な記号や命令は下記の5つでした。
上記の記号が理解できると、基本的なラダー図も理解できるようになります。ただし、PLCの機種に依存する命令や特殊な命令に関しては、マニュアルを見て調べなければなりません。また、ラダー図はPLCメーカーによって異なる点もあります。
国内の主要PLCメーカーとして記事内で紹介したのは次の3社でした。
それぞれのメーカーに特徴があるので、実際に設計する装置に最適なメーカーやPLC機種を選定しましょう。
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