国内スマートファクトリー5つの具体的事例!メリットも詳しく解説
- #スマートファクトリー
こんにちは。
「日本初!〇〇を導入!」という言葉に過剰反応してしまう今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
ロボットの情報を発信する、製造DX.comです。[◎△◎]
何かを導入するということはかなり勇気のいる選択。産業用ロボットの導入も同様です。
『産業用ロボットを導入したい。けど、何から始めれば良いの?』
そんな風に悩んでいませんか?実は、私もロボットの制御プログラムを作るときに最も悩むのが最初の一行。しかし、最初の一行さえ書ければ、あとは意外とスムーズに進められることが多いような気がしています。
産業用ロボットの導入プロセスも同様。実は、既に導入いただいている工場でも、導入プロセスがわかれば後はスムーズに設置、そして製品の生産まで順調に進められたという印象です。
そこで今回は、産業用ロボットの導入プロセスについて詳しく解説しましょう。記事は以下の3部構成となっています。
初めての産業用ロボットも導入プロセスを知り、しっかり計画していけば何も怖いことはありません。
産業用ロボットを使って、省人化と生産性・生産品質の向上を図りましょう!
もくじ
産業用ロボットを導入するにあたり、前準備として次の2点が必要です。
それでは、それぞれについてもう少し具体的に見ていきましょう。
まずは産業用ロボットを導入したときのイメージを掴みましょう。ここでは具体的なことを考えず、どの工程にどのような産業用ロボットが使えそうかというおぼろげなイメージを思い浮かべてください。
ロボットを導入した後の、従業員の喜ぶ姿もイメージできるとなお良いと思います。何となくイメージができたら、産業用ロボットを導入する目的などを明確にしていきましょう。
産業用ロボットを導入した場合、どのようなメリットが得られるのかということを明確にしておきましょう。また、どのようなデメリットがあるかという点についても知っておく必要があります。
産業用ロボットを導入することで得られるメリットはいくつも考えられますが、御社が改善させたい目的を達成できることが最も重要です。
一般的な産業用ロボット導入によるメリットに関しては別記事に記載しています。下記リンク記事を参考にしながら改善項目が実現できるか否かを具体的に検討してください。
しかし、産業用ロボットを導入し工場の自動化を図っても、実は全ての工程を自動化することは困難です。そのあたりを理解したうえで、導入の目的を再確認しましょう。
見逃しがちなのが、産業用ロボットを導入してもいくつかの課題が残るという点です。詳しくは『工場自動化で抱える4つの課題!』の記事を参考にして、それでもメリットの方が大きいと判断できれば産業用ロボットの導入を進めてください。
産業用ロボットの導入に際し下記の4点について検討していく必要があります。
それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
産業用ロボットを導入する際にどのようなロボットを選定するかということが問題になります。実際に生産するワークやどの工程をロボットに置き換えるのかということを検討しなければなりません。
また、産業用ロボットの動作環境などの制約条件についても検討が必要です。具体的には次のような項目となります。
産業用ロボットが扱う対象ワークについて、導入前には以下のような点についてよく検討する必要があります。
また、ワークだけではなく作業工程も踏まえて考えなければなりません。
基本的に産業用ロボットの導入は現在行っている作業の置き換えです。たとえば以下のような工程が挙げられます。
重要なことは、上記のような作業工程がロボットに置き換えても作業可能か否かということです。導入前に十分検討してください。
産業用ロボットは人間が作業できないような過酷な環境でも、ある程度の稼働が可能です。しかし、制約条件によって不可能な場合もあるので、導入前に確認しておきましょう。たとえば以下のような制約条件です。
産業用ロボットの導入を検討する際には、対象ワーク・作業の選定と制約条件を十分確認しましょう。そのうえで、導入のメリットが大きいと感じられなければ産業用ロボットを導入しても意味がありません。
また、制約という点においては設置スペースの問題が大きいので、具体的なレイアウトの確認も必要です。
産業用ロボットの設置には意外と広い場所が必要なので、導入前にはレイアウトをよく検討する必要があります。
ロボット本体だけを図面で見ると小さく見えるものでも、アームを伸ばすと意外と大きな設置面積が必要です。また、アームを旋回したときの安全領域を確保するには更に大きな場所が必要という点にも注意が必要でしょう。
それだけではありません。産業用ロボットを動作させるには、必ずコントローラーを設置しなければなりません。コントローラーの大きさは機種やメーカーによって大きく異なりますが、場合によってはロボットの架台面積以上の大きさの製品もあります。
したがって、産業用ロボットの導入前にレイアウトを作成し、壁や柱などと干渉しない場所の確保が必要です。
産業用ロボット導入に掛かる費用について考えてみましょう。産業用ロボットの購入費はロボットの種類やメーカーによって大きく異なりますが、目安としては下記のようになります。
ただし、上記の価格はロボット単体の価格です。したがって、上記以外にも付帯設備の設計・製造に掛かる費用も必要となります。また、別途システムインテグレーション費用も掛かるので、その点も注意が必要です。
費用については別記事にて詳しく掲載しています。詳細は下記リンクを参考にしてください。
SIer(エスアイヤー)とはシステムインテグレーターのことです。産業用ロボットSIerはロボットに関するシステム全体を構築する事業者で、産業用ロボットの導入に関する全ての業務を委託することも可能です。
SIerについての詳細は別記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
産業用ロボットSIerへの委託は必須ということではありませんが、導入スピードやコストパフォーマンスを考えると委託の検討を強くおすすめします。
では続いて、提案書作成から実際の導入までについて解説していきましょう。
産業用ロボットの提案依頼書作成から製作まで
それでは、産業用ロボット導入に関する検討がある程度進み、実際に導入する運びになった場合について考えてみましょう。実際に導入するまでには次のような段階を踏まなければなりません。
それでは、もう少し具体的に見ていきましょう。
これまで産業用ロボットの導入のために検討してきた内容を、提案依頼書(RFP:Request for Proposal)としてまとめましょう。提案依頼書を作成することで、SIerをはじめとした外部委託の際によりスムーズに進めることができます。ただし、提案依頼書はロボットシステム開発等の仕様書とは別のものになるので、その点だけ注意してください。
提案依頼書が完成したら、実際に制作依頼をしましょう。
制作依頼先としてはSIerまたはメーカーとなりますが、おすすめはSIer。その理由は、産業用ロボットだけでなく工場自動化に関するシステム全体を把握して設計・製造が可能だからです。
それでは続いて設計・製造について見ていきましょう。
上記の提案依頼書を元に依頼先のSIerまたはメーカーが仕様を満足するような設計を行います。設計は産業用ロボットと付帯装置の機械と電気(ソフトウェア)に関する部分です。
設計段階ではロボット本体はもちろんのこと、周辺機器や使用部品などのメーカー指定をすることもできます。メンテナンス等を考えた場合、同一ライン内で使用しているメーカーを統一した方が良いでしょう。特に電気部品の場合はメーカーによって使用するツールが異なるので、可能な限り同一メーカーの部品を使用することをおすすめします。
設計段階の途中または完了時点で依頼元の確認を経て、いよいよ製造段階です。製造段階になると、ある程度形になるまで特にできることはありません。数カ月間待つことになりますが、焦らず待ちましょう。この期間にロボットの制御プログラムを作成することになるので、要望などがあれば伝えておいてください。
部品製造を終え、装置全体が組み上がると電気配線です。電気配線が完了すると、いよいよ試運転ができます。
試運転はワークや工程によって大きく異るので、どれだけの期間が必要かということは明確に言えません。目安としては、短い場合は2週間、長い場合は3ヶ月というところでしょう。
産業用ロボットはティーチングが肝です。ワークの形状にバラつきがある場合や工程自体に微妙な調整が必要な場合、何度も繰り返して動作確認をしなければなりません。経験上、ネジ締め作業や検査などは特に時間が掛かる印象なので、ある程度時間の余裕を見ておくことをおすすめします。
試運転を何度も繰り返し、ようやく本稼働です。引き渡しが完了すると、基本的に社内でメンテナンスすることになるので、引き渡し時の最終確認は入念に行いましょう。
今回は産業用ロボットの導入プロセスについて詳しく解説しました。
産業用ロボットの導入プロセスは大きく分類すると次の3つのステップとなります。
導入に際しては分かる人に聞くことをおすすめします。その点では、まずはSIerに相談するのが良いでしょう。
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