セル生産方式とは?ライン生産方式との違いやそれぞれのメリットとデメリットも紹介
- #生産ライン
こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
上司からQCDを改善しろって言われるのですが、何をすれば良いのかわかりません。
QCDは生産や開発におけるプロセスの最適化には必要不可欠な考え方です!
生産管理や生産マネジメントに携わることがある場合、QCDという言葉を度々耳にするのではないでしょうか。製造業にとってQCDを改善することは最重要課題です。
そこで、本記事ではQCDの基礎知識とQCDの改善によるメリットなどについて詳しく解説しました。
QCDを改善することで期待できるのは品質と利益率の向上だけではありません。ぜひ記事を最後まで御覧になり、QCD改善の可能性を感じてください。
工場自動化・ロボット導入に関してお悩みがあれば、お気軽に製造DX.comまでお問い合わせください!
多数の企業が参加する弊社独自のコミュニティを駆使して、お悩みに沿った最適なご提案をさせて頂きます。
もくじ
QCDは次の3つの英単語からそれぞれの頭文字を取ったものです。
上記は企業における生産管理の3要素と呼ばれ、生産活動に必要不可欠なものと言えます。つまり、『より良いものを、より安く、タイミング良く欲しい』という顧客の要求に応えるためのものです。
上記の3つの要素を改善することで、利益率や業務改善につながります。その為には「人」「物」「設備」「作業方法」を適切に組み合わせなければなりません。
QCDのどれもが重要ですが、実は優先順位があります。意外に思われるかもしれませんが、顧客満足度を満たすのは品質・納期・コストの順です。
また、QCDの3つの要素はトレードオフの関係性になっています。つまり、相互に作用するので、重要だからと言って品質向上だけに取り組むことは得策ではありません。
したがって、それぞれの順位を念頭に起きつつバランスの取れた対策が必要となります。
それでは、Q・C・Dそれぞれの意味について詳しく解説していきましょう。
前述した通り、Quality(品質)はQCDの中でも最も重要な要素です。顧客が満足できるか否かは品質にかかっていると言っても過言ではありません。
ただし、品質には次のようなものがあり、多角的な視点で考えるべきでしょう。
上記の要求に対してどの程度満たしているのかが問題となります。また、製品そのものの品質だけではなく、コストも含めて評価される場合もあるという点も考慮しなければなりません。
では、品質はどのように改善すべきなのでしょうか。
品質に対する改善対策としては、製品の品質基準を定めることです。品質は製品・企業のイメージや顧客満足度に直結します。まずは品質を高める意識を持って生産プロセスの改善に取り掛かりましょう。
コストとは、業務遂行(製品やサービス提供)に必要な費用のことです。製品そのものの価格ではないので注意してください。具体的には下記のようなものになります。
したがって、人材を増やしたり設備投資をしたりすることで、より多くのコストが必要。品質向上のためにはある程度の設備投資や人件費が必要となりますが、過剰品質はコスト上昇と密接な関係があります。
重要なことは、コストを下げることだけを考えずに品質とコストのバランスを取ることです。
コストに対する改善方法の例としては、
などです。常にコストを意識して生産活動に取り組みましょう。
Delivery(納期)は製品を顧客に届けるまでの期間です。仕事には必ず納期があります。
また、QCDにおける納期には、
も含まれています。
基本的に、納期は早い方が良いのは言うまでもありませんが、品質・コストとのバランスが重要です。短納期に対応しても、品質が落ちてしまったり、コストがかかってしまったりということでは意味がありません。
納期の改善方法の例としては下記になります。
繰り返しますが、QCDはバランスが重要です。したがって、納期だけにこだわるのではなく、品質・コストとのバランスを吟味した上での納期設定を実施しましょう。
繰り返しますが、QCDの3要素はバランスが重要。いわゆるトレードオフの関係です。
たとえば下記のようなケース。
上記のように、QCDの中の一つの要素を優先することで、他の要素が犠牲となります。つまり、QCDの3要素は独立しているものではないということを意識しましょう。
したがって、QCDの3要素を網羅的に考えてバランスを取ることが重要です。
QCDは「品質」「コスト」「納期」を改善することですね。
トレードオフという点も納得です。
では、QCDを改善することで得られるメリットについて再確認しておきましょう!
QCDを改善した場合の主なメリットとしては次の4点です。
QCDの改善により、品質・コスト・納期に関するメリットが得られるのは当然でしょう。しかし、それに加えて労働環境の改善というメリットも得られます。
QCDが改善すると生産性が向上。すると、従業員が業務に携わる時間も短縮することになります。今まで残業していたという場合には残業時間が減るでしょう。
もし、時間が余るという場合には、新たな取り組みを行うことも可能です。
また、業務が改善されることで、作業員にも精神的な余裕が生まれることになります。労働環境の改善されると人為的ミスは減り、さらに生産性の向上につながるでしょう。
QCDの改善で労働環境も改善できる点は素晴らしいですね。
では、続いてQCDの改善ポイントについて考えてみましょう!
QCDを活用して生産プロセスを改善するポイントは次の3点です。
それぞれについて、もう少し詳しく解説しましょう。
QCDでは、最初に生産現場の現状把握を行い、その後に指標を設定する必要があります。ここでの重要ポイントは、定量的に把握するという点です。
品質に関しては定量化が難しいと考えがち。しかし、下記のような指標は定量的に捉えることが可能です。
また、生産現場の現状把握を行なう際には、現場でのヒアリング調査なども定量化するのがおすすめ。定量的に捉えることで、費用対効果もわかりやすいというメリットがあります。
QCDの第一歩は生産現場の現状や指標を定量的に表現することから始めましょう。
何度も繰り返しますが、QCDはトレードオフの関係となっています。したがって、品質・コスト・納期のバランスを考えながら取り組まなければなりません。
何か一つだけに特化する改善方法も戦略として考えられますが、片手落ちになる可能性が高いので注意が必要です。
また、大きな問題を改善するために偏った手法を取ることも避けましょう。できる限り俯瞰し、全体のバランスを考えなければ顧客の満足度は上がりません。
QCDの改善が失敗に終わるケースのほとんどが継続的に取り組まない場合です。生産活動は工場内の問題だけではなく、市場などの動向にも大きく影響を受けます。したがって、PDCAを回しながら継続的に取り組む必要があります。
常に改善と検証を繰り返すことが最善策です。「継続は力なり」という言葉の通り、QCDも継続的に取り組むことが最も重要。
しかしながら、継続が最も難しいかもしれません。その場合にはツールなどを使用し、継続しやすい環境を整えることも必要です。
QCDはバランスを考えながら定量的に捉え、継続することが大事ということですね!
実はQCDを更に発展させることも可能です。
近年、QCDによく似た言葉を見掛けることも増えてきました。これらはQCDに他の要素が付け加えられているQCDの派生型です。
たとえば下記のような用語です。
上記以外にも「M:Morale(士気)」や「R:Risk(リスク)」といった要素を付け加えている場合もあります。
それでは、上記の派生型について簡単に解説していきましょう。
EQCDまたはQCDEの「E」はEnvironmentの頭文字です。日本語では環境(または環境保証)となります。環境への配慮を取り沙汰される昨今は単なるQCDではなくEQCDに意識を変えることが重要となってきました。
つまり、環境保証活動と経済活動を同時に改善させるという考え方です。世界規模での環境対策が必要となってきました。
製造業においても環境保証活動を基準にした経済活動を行なう必要があります。SDGsへの取り組みなどもその一環でしょう。
SDGsに関しては別記事にて詳しく解説していますので、下記の記事を参考にしてください。
>>製造業が取り組むSDGsとは?主に4つの項目を重視しよう!
QCDに「S」を加えた「QCDS」または「SQCD」にはいくつかの意味があります。具体的な意味を見ていきましょう。
「S」には下記のような3つの意味がありました。
製造業の中でも、特に危険性の高い作業が多い業界では「Safety(安全性)」の改善に取り組まれます。
その他の販売やサービスを主とする企業では「Service」や「Support」の「S」が重要な改善要素です。
業界によってSの意味合いが異なるので注意してください。
QCDFの「F」はFlexibilityの頭文字を表しています。つまり、柔軟性の改善です。
顧客の要求に対して柔軟に対応する力や、急な変化に対応する力を改善する取り組みを表しています。
QCDSEはQCDに「S」と「E」の要素が付け加えられた用語です。この場合の「S」はSafety(安全性)を、「E」はEnvironment(環境)を表します。
つまり、品質・コスト・納期に加え、安全性と環境保証の要素を追加したもの。製造業においては、上記の5つの要素を改善することで業務全体が改善することになります。
基本はQCD。更に安全性や環境保証などの改善に取り組まれる企業も増えてきました。
本記事ではQCDの基本的なことやメリットなどについて詳しく解説しました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
QCDはそれぞれ下記3つの単語の頭文字を取ったものです。
つまり、生産プロセスにおいて品質・コスト・納期を改善し、『より良いものを、より安く、タイミング良く欲しい』という顧客の要望に応える活動です。
QCDの3要素はトレードオフの関係。したがって、3つの要素のバランスが重要です。QCDが改善されると労働環境の改善にもつながるので、精力的に取り組みましょう。
QCDの改善ポイントとしては下記の3点でした。
上記3点を意識しながら継続することが成功の鍵を握ります。また、QCDの派生型として「安全性」や「環境保証」などの要素を追加して改善に取り組まれている企業もあります。
自動化を行うにあたって知っておくべき事項をまとめた「工場自動化ガイド」を作成しました。これから自動化を行っていきたいと考えている企業様は是非参考にしてみてください。
https://spesill-local.studio.site
インターネット接続せず、セキュアに生成AI活用ができる環境を提供します。具体的には、ローカルLLMを使用して、専用アプリを50万円~提供します。買い切りになるのでランニングコストはかかりません。
DifyやMicrosoft CopilotなどのノーコードAIツールの活用方法がわからない、社内に導入したけど使用している社員が少ない、生成AIを活用した新事業を立ち上げたい、という企業様を徹底的にサポートします!
お気軽にお問い合わせください。
Word、Excelと親和性が高く、高度な文章生成、図表から文字・文字から図表の生成ができ、ナレッジ検索ができるAIアシスタントツールです。
専門文書の作成や社内外からのお問い合わせ対応などに課題を感じている、人手不足で業務が逼迫している、埋もれている有益なデータが大量にあるなどナレッジマネジメントのお悩みがあれば是非お気軽にお問い合わせください。
製造DX.comを運営する株式会社ファースト・オートメーションは製造業特化の生成AI活用支援会社です。製造DX.com内で研究成果の一部を投稿しています。また、製造業のデスクワークをAIで簡単にする「SPESILL(スぺシル)」を開発提供しており、特に反響をいただいております。ぜひご活用ください!
厳選した記事を定期配信
キャンペーン情報などをいち早く確認