強度設計で注意することとは?ー考慮するのは断面強度だけで本当に大丈夫?

強度設計で注意することとは?ー考慮するのは断面強度だけで本当に大丈夫?
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こんにちは!ロボットに関係する機械設計の情報を発信する、製造DX.comです。

前回、前々回と続き、強度検討についてお話をしました。機械設計者が普段考えている一部が何となくわかったかと思います。

まだ前回のコラムをご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。

『 素材や部材の強度を確認するために必要なこととは?ー強度計算に必須な基礎知識! 』(内部リンク)

『 許容応力の具体的な考え方とは?ー弾性変形と塑性変形ってなんだろう 』(内部リンク)

今回は、前回のコラムの素材の変形についてもう少し掘り下げてお話していきます。

前回のコラムの説明だけでは、ある形状が”最強”という結論になってしまいますので、そちらの補足をしていきます。

座屈とは

柔らかい定規や下敷きを両端からグググ・・・と力を加えるとU字にぐにゃっと曲がりますよね。あの現象のことを材料力学では“座屈”と呼びます。

Wikipediaの言葉を借りると、”構造物に加える荷重を次第に増加すると、ある荷重で急に変形の模様が変化し、大きなたわみを生ずること”

椅子に人が“座”ったとき、重さに耐えられず、脚(支柱)が“屈”してしまう。なんて覚え方が頭に残りやすいかもしれません。

参考:座屈(wikipedia)※外部リンク

以前コラムで”断面二次モーメント”や”断面係数”というワードについて説明しました。

再度簡単に説明しますと、部材の断面形状の強さを表すもので、断面二次モーメントはたわみ量を求めるときに使用し、断面係数は、応力を求めるときに使用します。

例として断面二次モーメントの長方形の公式をあげますと『 (幅X高さ^3)/12 』と、高さに3乗されているので部材の高さが大きく影響しているのが理解できるかと思います。

つまり計算上、幅を狭めても許される限り高さを伸ばしていけば、断面強度を上げることができるため、軸方向にしか荷重がかからない場合においては、強い部材が作成できることになります。

しかしながら、感覚的に分かってしまいますが、全く同じ断面強度でも幅が広いもののほうが強そうですよね。その感覚は正しく、座屈は、圧縮強度に関係なくは発生します。

座屈が発生する応力のことを“座屈荷重”といい、座屈荷重が高ければ高いほど座屈に対して強いことを表します。

座屈の種類についてみていきましょう。

オイラー座屈

前述した「細い棒」のような形状に対しての座屈です。

比較的小さい荷重に対しては、非常に精度の高い計算ですが、荷重を加えたとき、部材の特性が変わらない(荷重を加える前のまま)という前提のもとでの計算であり、ゴムのような荷重を加えると硬化するものの計算には不向きといえます。

局所座屈

「薄い部材」に対して座屈で“板の座屈”とも呼ばれます。鋼材の板厚が部材幅に比べて小さいとき起き易い座屈です。

オイラー座屈は「細長い材」に関するものでした。しかし、座屈するのは細い材だけではありません。

例えば、高さ、幅が十分な中空パイプだったとしても板厚が薄かったら、部分的に見てしまうと”細長い形状”ということになってしまいます。こういった場合は、局所的に座屈が発生してしまい、部分的に凹んでしまったり割れてしまったりします。

なので一般的に流通している部材には、外径と板厚の比率(幅圧比)には制限があり、極端に薄い部材は使用できないようになっています。

横座屈

オイラー座屈、局所座屈は、部材を軸方向(縮める方向)に圧縮したとき発生する座屈ですが、横座屈は、曲げ応力が作用する部材に起きる座屈です。

実際に現象として起きることが少なく、学校でもオイラー座屈中心に展開されるため、設計者でも説明するのが嫌な人も多いのではないでしょうか…。(建築の領域では一般的なのかもしれません)

簡単に説明しますと、部材に曲げ応力が加わっているとき、部材の断面の表側では「引張」、裏側では「圧縮」の力が生じます。人間の二の腕の筋肉も力こぶを作っているとき、内側は縮み、外側は弛んでいるということと一緒ですね。

この曲げ応力により発生した圧縮によって生じる座屈が横座屈になります。表側の引張が生じている断面が邪魔で横にはらみだすように座屈します。

建築分野の設計では、地震等の通常時とは異なる方向の荷重に対しては、横座屈等の検討を行っているようです。

強度解析の運用

掲載しているコラムで頻繁に強度解析(CAE)の運用方法についてお話しております。

今回は、局所座屈についてピックアップしてお話しますと、「『 断面強度を検討する際に大きな一つの断面 』としてみると、計算は成り立つけど、本当に大丈夫なのか?」 といった場合、当たりを付けるために設計者CAEを行うことは、有効な手です。

CAEの結果は近似値の集合体でしかなく、エビデンスがない状態での数値そのものの信頼度は低いです。

しかし、荷重の入力条件と製品を固定する拘束条件が正しければ、変形モードは正しく表示され、製品の弱みを知ることができたり、不要な肉をカットすることが可能です。

いろんな形状、いろんなモードの計算が行えることは、もちろん強みですが、CAEを正しく運用していくのも実務では大きな強みです。

最後に

いかがだったでしょうか。荷重に対していろんな現象を理解していくことで、より最適な設計ができるようなります。

営業担当者様含め、チーム全体が強度に対して知識を持つことで、より安全な製品設計を行っていきましょう。

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