ロボットの本体質量と可搬重量やリーチは比例するのかー数字で見るロボットの傾向 Part.1

    こんにちは!ロボットに関係する機械設計の情報を発信する、ROBoIN2号です。

    今回は、現在FAMで取り組んでいる産業用ロボット分析の一部をお見せしていきたいと思います。

    いろんなサイトや情報を確認しましたが、革新をつく情報が見られなかったことや、興味を引く情報が見つけられなかったので作成しました。

    今まで掲載してきたコラムとは異なり、考察として掲載していきますので、ご注意ください。

    なぜ分析をするのか

    構想検討をしていくにあたって、機器の選定が欠かせません。

    しかしながら、現在のロボット業界には、これといって具体的な選定方法があげられていなくちょっと不親切に思いました。(一個人の感想です)

    にもかかわらず、機器選定の影響度は構想検討の中で最も大きく、架台の強度や、レイアウトに多く関わってきます。

    勿論、費用を見積るときにも関わってきますよね。

    これらは各メーカー様がスペックを展開しているため、情報が1つにまとまっていないことも大きな要因だと個人的に考えました。

    そこで各機種の情報を1つにまとめ、各ロボットの傾向を分析して機器選定、架台選定に役立てようと思いました。

     

    全データのリーチ傾向

    機種リストは、当サイトでダウンロードすることができますので、ぜひご参考にしてください。

    ロボット導入お役立ち資料ダウンロードページ (内部リンク)

    さて、データ分析を始めていきましょう。

    ダウンロード資料では、許可をいただいたメーカー様のデータに限りますが、今回は母数を増やすため、2社増やした全7社、計370台の産業用ロボットをまとめました。

    縦軸がロボット本体の質量で、横軸がリーチ(最大可動範囲)となります。

    いかがでしょうか?一部特異点はありますが、いい感じの二次曲線を描くことができました。リーチに対して質量の傾向は数値化することができそうですね。

    リーチに対しては物理的に部品を長くする必要があり、また、強度も必要になることから上記のような結果になったのではないかと思います。

     

    全データの可搬重量傾向

    可搬重量だけでロボットの本体質量がざっくりわかるのであれば、検討がよりスムーズになるのではないでしょうか

    と思い、こちらの傾向も散布図にした結果・・・

     

    縦軸は先ほどと同じくロボット本体の質量で、横軸が最大可搬重量となります。

    「うーん・・・」といった感じですね。全くではないですが、ほとんど傾向が見られません。

    今回グラフ化した機種は、ロボットの全タイプであり、用途に対しても分けずにグラフ化していることが影響している可能性が大きいです。

    正直なところを申し上げると、リーチに対しての本体質量が想像よりも綺麗な並びになっていて予想外な事態でした。

     

    特定の機種にリストを絞る

    弊社の知的財産でもあるため、具体的な絞り方は控えますが、特定の機種にリストを絞り傾向を確認していきます。

    理由としては因子を減らし、より確からしい結果を出します。

    先ほど同様、縦軸がロボット本体の質量で、横軸が最大可搬重量となります。(見やすさのため、グラフのスケールを変更しています)

    いかがでしょうか?それらしい近似線が見えてきました!

     

    同様にサンプルを絞ってリーチの傾向も確認していきます。

    全データから抽出していた結果に比べると、より精度が上がっていることが確認できました。

    近似線から大幅にずれているところに対しては、一部特殊仕様の機種であることが確認できました。

     

    具体的な運用方法

    まだ分析は途中段階ではありますが、条件を絞った状態での可搬重量の傾向であれば、一次関数の簡単な式で計算することができます。

    「一次関数ってなんだっけ」って方のために、例を出すと、『 本体質量[kg] = ( 可搬重量[kg] x 7 )+ 150 』※数字は仮の数字です

     こういった簡単な計算式で本体質量を求めることできます。

    この分析がうまくいった前提のフローは以下です。

    ① ロボットアームリーチ、可搬重量、用途を入力

    ② ロボットの本体質量算出(架台に必要強度がわかる)

    ③ 架台設計(必要強度から架台の材質等の情報を簡易割当て)

    ④ 概算見積り

    “②”の算出については具体的な機種を選定するのも1つの手ですが、革新的な材質やシステムの登場がない限り、新しい機種やデータ収集を行っていない機種でも運用可能な方式をとりました。

    勿論、リストに抽出している機種であれば、機器選定することが可能です。

     

    最後に

    いかがだったでしょうか。構想検討の段階であれば、今回のような分析結果が役に立ちそうなことがわかりました。

    今後も引き続き分析を進めていき、行く先は検討ツールの作成を行いたいと考えております。

    「自分で設計してみたけど、上手く進められない。」「レベルの高い集団に相談したいことがある。」そんなお悩みを抱えていらっしゃる方、ぜひ一度ROBoINにご相談ください。

    ロボットの性能や仕様検討、メンテナンス、その他気になることがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。