遠隔操作ロボット導入メリットとは?安全に配慮した省人化を!
こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
この前、PCを遠隔操作されてたのですが・・・
凄い時代になったものだと感心しながら第三者目線で見ていました。
リモートワークが増えてから、PCの遠隔操作は当たり前の技術になってきていますね!
実は、PCの遠隔操作と同じように、遠隔操作ロボットも急激に増えてますよ。
遠隔操作ロボットの技術は以前からありました。しかし、最近になってからより注目されるようになっています。その理由としては次の2点です。
- 第5世代移動通信システム(5G)の開通によって遠隔操作が発展
- COVID-19のパンデミック以降に人との接触をしない作業形態が増加
しかし、それだけではありません。実は省力化、省人化や生産性という悩みを解決できる可能性を秘めているのが遠隔操作ロボット。日本では労働人口の減少が大きな問題となっていまるので、その解決策としても注目を集めています。
DX時代の今、遠隔操作ロボットの導入を検討する必要性に迫られていると言っても過言ではありません。本記事では、遠隔操作ロボット導入によるメリット・デメリットの他、遠隔操作ロボットの種類についても詳しく解説しています。
まずは記事を読んで、遠隔操作ロボットについての理解を深めてください。
遠隔操作ロボットを導入することで、あなたの職場にも大きな変化をもたらすかもしれません。
もくじ
遠隔操作ロボット導入による3つのメリット
遠隔操作ロボットを導入すること主に下記のような3つのメリットが得られます。
- 省人化が可能
- 業務効率の向上
- 安全性の確保
もう少し詳しく見ていきましょう。
遠隔操作ロボットの導入で省人化が可能!
遠隔操作ロボットの導入によって一人で複数のロボットを操作できるため、劇的な省人化も期待できます。
現在の日本国内は少子高齢化。そして、今後ますます労働人口の減少は進むことがわかっています。したがって、全ての産業において深刻な人材不足です。特に人員不足が深刻となっているのが、危険な作業や過酷な肉体労働の職場です。
そのため、産業用ロボット、ドローン、AGVやAMRなどの導入により省人化への取り組みを行っている企業も増えてきました。しかし、より効率的な省人化を目指すなら、遠隔操作ロボットを導入すべきでしょう。
遠隔操作ロボットを導入することで、危険な作業や過酷な肉体労働をロボットに置き換えられます。ありがたいことに、ロボットは文句も言わずに働き続けることが可能。定期的なメンテナンスが必要かもしれませんが、遠隔操作ロボットは人間のように不平不満を口にしたり過労で倒れたりすることはありません。
よって、省人化・省力化に取り組む場合には遠隔操作ロボットの導入をおすすめします。
遠隔操作ロボットが業務効率を向上させる!
遠隔操作ロボットを導入することで下記4点が可能です。
- 複数の遠隔操作ロボットを操作・管理
- 複数の遠隔操作ロボットで役割分担
- 安定した品質によって歩留まりた向上
- 情報を素早く共有
結果として業務効率が大幅に向上します。
遠隔操作ロボットでは複数のロボットを操作・管理が可能です。前述した通り省人化というメリットもありますが、複数のロボットを一元管理することで業務効率が向上します。
たとえば、1つの工程を複数の人員で協力して進めなければならない作業があります。従来なら、他の人の作業状況を把握しながら作業をしなければなりません。場合によっては待ち状態が発生する可能性もありました。
しかし、同じ工程を複数の遠隔操作に置き換えることができれば、意思疎通を図ることなくスムーズに作業を進めることができるでしょう。今までは隣の人の作業に合わせる必要があった場合でも、ロボットのプログラムによって統率の取れた作業が可能となります。
一方、今までは一人で業務を行っていた工程を複数人に分担することで作業効率が向上する場合もあります。実は、複数の遠隔操作ロボットを使用することで、作業工程の役割分担も可能です。
つまり、今まで複数の人員が必要だった工程と一人でいくつもの作業を行っていた工程を遠隔操作ロボットに置き換えることで、作業効率は格段に向上することになります。
また、基本的にロボットはプログラム通りの決められた動きしかできません。したがって、作業品質も安定。歩留まり率も向上します。歩留まり率の向上は従業員のモチベーションの向上にもつながり、会社全体の士気を高めてくれることでしょう。
遠隔操作ロボットを導入することで品質が安定している場合でも、何らかのトラブルが発生するかもしれません。そんな場合にも遠隔操作ロボットのメリットが生かされます。遠隔操作なので、関係部署への迅速な情報伝達が可能です。
以上のことから、遠隔操作ロボットを導入することで作業効率は劇的に向上します。まずはどの工程に遠隔操作ロボットを導入するかをよく検討してみてください。
遠隔操作ロボットなら安全性の確保も簡単!
人体被害の可能性がある危険な場所での作業も誰かが実施しなければなりません。そのような場合も、できる限り安全性は確保したいものです。
しかし、危険な場所での作業も遠隔操作ロボットを導入すれば安全性の確保が可能。また、ロボットと人との接触の可能性についても、遠隔操作を導入することで避けることができるでしょう。
遠隔操作ロボットを導入することで、人は安全な場所からの操作が可能です。そのため、ロボットや機器が破損する可能性はありますが、人体に直接的な影響を与える確率は極めて低くなります。
たとえば、災害現場での救助作業。震災時に活躍したレスキューロボットも遠隔操作ロボットの一つです。
レスキューロボットは災害時の情報収集や瓦礫などの撤去を行う為の遠隔操作ロボット。当然、人が簡単に入れないような危険な場所に入ることができます。中には放射線などの目には見えない有害物質が発生している可能性も。
しかし、遠隔操作ロボットを利用することで、操作をしている人員の安全は確保されます。製造工場の中にも同様に危険な場所は多いので、遠隔操作ロボットを導入して作業者の安全を確保しましょう。
労働環境を整えることが、働きやすく離職率の低い職場への第一歩です。
遠隔操作ロボットには多くのメリットがありますが、実はデメリットもあります。
遠隔操作ロボット導入によるデメリット
遠隔操作ロボットの技術が発表されたのはかなり前の話ですが、技術自体はまだまだ発展途上の分野。そのため、日々進化していることは確かですが、いくつかのデメリットがあることも確かです。
主なデメリットとしては以下の3つ。
- 通信媒体によって制限される
- 設置スペースの確保が必要
- 遠隔操作の技術習得が困難
それぞれのデメリットについて、もう少し詳しく解説していきましょう。
遠隔操作ロボットは通信媒体によって制限される?
遠隔操作ロボットの多くは通信技術を利用して稼働させています。しかし、通信速度が遅かったり通信が不安定だったりする場合にはロボットの動作に影響を与える可能性があります。また、通信可能距離によってもロボットの動作が制限されるかもしれません。
たとえば、通信速度が遅い場合、ロボットに対するスタート指令が遅延するなどの不具合が発生するかもしれません。最近ではIoT機器を多く使用し、データのやり取りも発生することから、他の機器からの情報が遅延することでライン全体のサイクルタイムも遅延する可能性があります。
通信技術が発展し5Gが主流となってきたとは言え、工場の環境によっては通信障害が発生することも考えられます。通信環境の見直しという点においては、ローカル5Gの活用をおすすめします。ローカル5Gについては、下記の記事を参考にしてください。
通信技術が発展したことは、我々ユーザーにとっては大変うれしいことと言えます。しかし、実際は機器メーカー側の開発が追いついていない状況です。最新の通信技術に対応した関連機器が少ないので、機器選定が限定されることも見逃せません。
したがって、遠隔操作ロボットを導入する際には通信環境の見直しと機器選定が重要となります。
遠隔操作ロボットの設置スペースを確保しなければならない
遠隔操作ロボットは、実際に仕事をするロボット側と操作側の2箇所のスペースが必要となります。したがって、従来のロボットよりも大きな設置スペースが必要です。設置スペースの確保が難しい事業所の場合には大きなデメリットとなるでしょう。
特に建設現場で利用の多いコックピット型の遠隔操作ロボットでは、下記のような多くの情報をモニタリングしなければなりません。
- カメラ映像
- 各種センサ
- その他の機器
そのため、より広い設置スペースが必要です。したがって、遠隔操作ロボットの導入を検討する際には設置場所にも注意してください。
遠隔操作の技術習得には時間とコストが掛かる
遠隔操作ロボットを使用するには、技術習得が必要となります。しかし、遠隔操作の技術習得には時間とコストが掛かるので、大きなデメリットと言えます。また、遠隔操作ロボットの操作を実施する際にはロボットの操作技術以外にも知識が必要です。
したがって、総合的な知識と技術を習得しなければなりません。
たとえば、医療現場でも遠隔操作ロボットが多く用いられるようになってきました。近年では医療現場での遠隔操作ロボットの技術習得にはVRを用いたトレーニングが増えています。詳しくは下記の記事を参考にしてください。
ところで、遠隔操作にはどのような種類があるのでしょう?
遠隔操作ロボットの種類!導入前に知っておこう!
遠隔操作ロボットには下記のような2種類があります。
- マスタースレーブ型
- コックピット型
マスタースレーブ型は、マスター機を使用してスレーブ機を動かすタイプのロボット。マスター機は親機の役目を果たし、複数の機器(子機にあたるスレーブ機)を制御することができます。
例としては、医療現場で使用される手術支援ロボット。遠隔地に居る医師がマスター機を操作することで、離れた場所からの手術が可能です。また、危険を伴う作業などにも適しています。
コックピット型の遠隔操作ロボットは様々な情報をモニタリングしながら直接操作するロボットです。イメージ的には飛行機の操縦席。複数のロボットを操作できるので省人化には向いていますが、コックピットを設置するスペースが必要となるのがデメリットと言えます。
メリットの大きな遠隔操作ロボットの導入を!
本記事では、遠隔操作ロボットのメリットとデメリットについて詳しく解説しました。COVID-19のパンデミック以降、通信技術の進化も伴って急激に需要が増えてきた遠隔操作ロボットは、今後さらに需要が拡大していくでしょう。では、もう一度記事を振り返ってみましょう。
遠隔操作ロボットのメリットとデメリットは以下の通りです。
遠隔操作ロボットのメリット
- 省人化が可能
- 業務効率の向上
- 安全性の確保
遠隔操作ロボットのデメリット
- 通信媒体によって制限される
- 設置スペースの確保が必要
- 遠隔操作の技術習得が困難
また、遠隔操作ロボットの種類を分類すると、下記の2種類になります。
- マスタースレーブ型
- コックピット型
それぞれの特徴を知り、必要に応じたロボットの使用を検討してください。
今後、日本国内においては労働人口の減少が進むことは間違いありません。また、なるべく人との接触を避けるという風潮も残ることになるでしょう。したがって、今後ますます遠隔操作ロボットの需要は高まり、それに伴って技術もさらに進歩することが予測されます。将来を見越して、遠隔操作ロボットを導入してみてはいかがでしょうか。
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