ダイカスト製品の検査工程を自動化して良品率を10%以上向上!ーロボット導入事例31
- #垂直多関節ロボット
製造DX.comでは工場自動化の事例を紹介しております。参考資料は経済産業省が展開しているロボット事例となりますが、見やすく、わかりやすく、をモットーに初めての方でも問題なくご覧いただける記事制作を行っております。
もくじ
今回のエンドユーザー様は、商品を入荷し、棚へ補充、その後、出荷作業員は棚から商品をピッキングして出荷を行っていました。倉庫管理は、出荷量の拡大や拠点を増やしたり、大きくすると比例して人員を配置する必要があります。それは、自動化が進んでいないほど、比例の傾きが大きくなります。今回の事例のエンドユーザー様は、大手企業ということもあり、最適化が進んでいたため、少人数でも効率のよい動きができるセル生産方式をもちいてピッキングを行っていました。
セル生産方式とは、作業台等(今回の場合は製品棚)をU字型やL字型に配置することで1人または少人数でも効率よく対応することができるようになる作業方式です。
トヨタ生産方式を学んだことがある方は、ご存知だと思いますが、トヨタ自動車の生産コンサルタントの方が発案しました。部品箱の入れ替えや作業員の作業順序を変えるだけで、生産品目(製品バリエーションなど)を容易に変更でき、多品種少量生産への対応に優れていることが一番のメリットとしてあげられます。
しかし、出荷においては効率が良いセル生産方式であっても、製品の補充は、他の生産方式同様の時間を要します。そこで今回の事例のエンドユーザー様は、夜間の空き時間にロボットが保管エリアから出荷エリアへの補充作業を行い、日中の作業員は出荷作業に専念できるよう考えました。
今回の事例では、倉庫内を自動で走行できるAGVと、他の作業員も常駐している現場であるため協働ロボットを採用しました。また、WMS(倉庫管理システム)と連携することで適切なタイミングで補充を行うため、ロボットの稼働率を向上しました。
本案件は、弊社が設計したものではないため、具体的な導入費用を掲載することができませんが、効果などとしては下記のようになっています。
※参考動画は本案件のロボットシステムではありません
これまでの物流業界は、産業用ロボットの延長線上で設備投資型でのロボット開発が行われてきました。しかしネット通販の拡大に伴い、各ユーザーに配送するための細かい仕事量が増え、人手が必要となっています。現状では、作業を全て自動化するのは非常にハードルが高いです。
ロボットのサポートで省人化を実現する、人間が苦手とする重たい荷物を運ぶ仕事を代替させることで、人間とロボットの役割を分担しながら導入し、コストと自動化のバランスを考えることが大切といえます。ロボットSier様はたくさんの知識を持っているため、協力してもらうことでロボットの領域と人の領域の最適化できます。
稼働率向上のためにはロボットが必要不可欠です。人間の手作業であると体調や精神状態によって精度にバラツキが発生します。作業者のモチベーション向上のためにも、ぜひロボット導入をしていただきたく思います。
また、工場自動化を行うにあたって知っておくべき事項をまとめた「工場自動化ガイド」を作成しました。これから自動化を行っていきたいと考えている企業様は是非参考にしてみてください。
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