製造業の基礎知識スポット溶接とは?その特徴やメリットデメリットを紹介
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PLCラダー図とは、リレー回路を模した梯子状のシンボルでPLCの制御プログラムを記述する方式で、国際規格IEC 61131-3に定められた5つのPLCプログラミング言語(LD・FBD・SFC・ST・IL)のうちの「LD(Ladder Diagram)」にあたります。接点・コイル・タイマ/カウンタ・算術/論理演算・END命令の5系統の基本記号で構成され、電気回路図の知識があれば短時間で読み書きできるのが特徴です。本記事ではラダー図の基本記号、現場で頻出する回路パターン、三菱電機・キーエンス・オムロンの主要3社比較表、そして2026年最新の生成AIによるラダー自動生成の到達点までを実務目線で整理します。
こんにちは!
産業用ロボットの情報を発信している製造DX.comです。[◎△◎]
実は今まで隠していましたが、ロボイヌのロボット部分はPLCのラダー図で動いてます。
えっ!?PLC制御だったの?
丁度ラダー図の勉強をしようと思っていたところなので、ロボイヌのラダー図を見せてもらっていいですか?
PLCとは「Programmable Logic Controller」の略です。簡単に説明すると、社内の製造用設備などの制御を行なうための装置のこと。つまり、人間で言うと手足を動かすための頭脳の部分です。
PLCにあらかじめ書かれたプログラムによって、装置を動かしたり、周辺機器に動作指令を送ったりということをしています。
そして、ラダー図はPLC用のプログラムの一種です。もちろん、ラダー図以外にもあります。しかし、ラダー図は他のプログラミング言語とは異なり、基本的な部分が誰にでもわかるような仕組みになっているのが特徴的です。
そこで本記事では、PLCを制御する「ラダー図」の基本についてどこよりもわかりやすく解説しました。
「どうしてもPLC制御をしなければならない」「ラダー図を読まなければならない」という場合には、まずは記事を読んでください。
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もくじ
国際電気標準会議(IEC)でPLCを制御するプログラミング言語として定めているのが下記の5種類。
実はPLC制御用プログラム言語として最も多く使用されている方式が「LD(ラダーダイアグラム)」です。そして、このLDのことを一般的に「ラダー図」と呼んでいます。
ラダー図はグラフィック言語の一つで、言葉を読むというよりも図を見て理解することのできる言語です。
では、具体的にどのようなプログラミング言語なのかを見ていきましょう。
ラダー図の「ラダー」とはLadderを指します。つまり、ハシゴのこと。高いところに登る時に使用するハシゴです。どうしてハシゴなのかと言うと、ハシゴの形に良く似ているから。
たとえば下図のような形になります。

ラダー図がハシゴのような形をしていることが理解できたのではないでしょうか。では、どのようにプログラムが実行されていくのか解説していきましょう。
ラダー図の実行順序は基本的に
と決められています。ですから、ハシゴを登るのではなく、上から下へ降りていくイメージ。そして、一つ一つの命令は左から右に向かって実行されます。
つまり、一番右に書かれている命令が最終的な出力信号や実行命令です。
ハシゴの上から水を流した場合にオンのところを通過、最終的に出力まで辿り着くというイメージがわかりやすいかもしれません。
PLC制御に使用するラダー図はプログラミングの学習をしていない人にとってもわかりやすい言語です。
その理由は、プログラムというよりは図に近いので、視覚で理解ができるという点。そして、電気回路図によく似ているという点です。
実は、基本的なラダー図はハード的な回路図でも実現することが可能。一つ一つの記号をリレー(電気のオン・オフを切り替える部品)に置き換えてラダー図通りに接続することで、同じ動作を行なうことができます。
なぜなら、元々はリレーの回路図をソフトウェアとして実現する為に作ったものがラダー図だからです。
ところで、ラダー図に出てくる記号にはそれぞれどんな意味があるのでしょう?
実際にPLC制御をするには、様々な命令を使用しなければなりません。しかし、下記のような基本的な命令や記号を知っておくだけで、多くのラダー図を理解できるようになります。
今回、基本的な命令・記号として取り上げたのは下記の5つです。
それでは、順に解説していきましょう。
前述したように、元々はリレーのオン・オフをソフトウェアで表現し、PLC制御を行なうものがラダー図です。そして、リレーのオン・オフなどを表すものが接点記号。
接点信号には下図のように「a接点」と「b接点」があります。

記号の上に書かれている文字は接点番号(信号名)です。たとえば、センサーの信号をPLCのX001という端子に接続した場合、信号名は「X001」となります。
このように接点記号を使用することで、リレーだけではなく外部に接続されたセンサーや内部の状態などを入力として取り込むことが可能です。
a接点とb接点は何がどう違うのでしょう?
a接点は通常オフ状態、b接点は通常オン状態を表します。たとえば、光電センサを入力に取り込みたいという場合を考えてみましょう。
通常はオフ状態でワークが入ってきた時にセンサーがオンになるという場合にはa接点です。逆に、通常はセンサーがオン状態で、ワークがセンサーを遮った時に入力信号がオフになるという場合にはb接点を使用します。
ただし、安全性の問題やセンサーの型式などで決まってしまうこともあるので注意が必要です。
続いては出力の記号です。最も基本的な出力の記号は下図のコイルになります。

上のラダー図は、「M107」がオン状態、「M109」がオフ状態の時に「M108」のオンを出力するという制御プログラムです。出力に関しても接点と同様にオンを出力する場合とオフを出力する場合があるので、使い分けが必要となります。
また、コイルを接点として使用することも可能です。上記の例では、「M108」の状態を入力条件とし「M108」の接点を記入しています。出力コイルを入力に入れることで、「M107」がオフになった時でも出力の自己保持が可能です。
コイルと同様に出力として使用できるのが「タイマ」と「カウンタ」です。「タイマ」と「カウンタ」は出力の条件として使用します。

上の図では、入力信号「X11」のオン状態・タイマ「T2」がオフ状態が2秒間(20)続くとタイマ「T1」がオンするという回路です。
さらに、タイマ「T1」がオンすることでカウンタ「C1」に1回加算。カウンタの値が10回になると、「C1」がカウントアップして信号がオンになります。また、前述のコイルと同様に、タイマやカウンタの信号をそのまま接点信号として利用可能です。
タイマの使用は慣れるまで考え方が解りづらいかもしれませんが、入力信号がオンの時間をカウントしていると考えるとわかりやすいでしょう。一般的には100msec(0.1秒)タイマが標準ですが、より細かい時間設定のできる高速タイマも用意されています。
カウンタに関してもカウントアップとカウントダウンの2種類があるので、状況に応じて使い分けてください。
PLCの制御を行なう場合、接点と出力だけでは表現できない部分が出てきます。たとえば、ワークの個数計算やワークの状態監視などです。
そのような場合に利用できるのが、様々な算術命令や論理演算命令です。
基本的には最初に値を格納し、その値に四則演算や論理演算などの命令を使用して計算します。単なる演算だけではなく、2進数のシフト命令なども利用することでワークの状態管理などが容易になるので覚えておきましょう。
ただし、算術演算や論理演算はPLCメーカーや機種によって異なるので、使用するPLCのマニュアルで調べてから使用してください。
ラダー図の最後に必要となるのが、END命令です。多くのラダー作成ソフトではラダー図を新規作成する時にEND命令が書かれた状態となっているので、特に意識する必要はありません。
ただし、異常な編集をすることで記述エラーとなることもあるので注意してください。

ラダー図の基本についてはよく理解できましたが、PLCも多くの種類がありますよね?
ラダー図の記号を覚えたら、次に押さえるのは現場で頻出する回路パターンです。装置のスタート/ストップ、複数センサの組み合わせ、時間制御の3つは、業界・装置規模を問わず多用される基本中の基本で、これさえ理解しておけば既存ラダー図の8割は読めるようになります。
最も基本的な回路パターンです。スタートボタンを押すとコイルが励磁し、その状態を「コイル自身のa接点」を並列につなぐことで保持します。ボタンを離しても動作が継続するため、装置スタート信号や警報ラッチによく使われます。停止条件としてb接点(ストップボタンや非常停止スイッチ)を直列で挟むのが定石で、安全設計の基礎となる回路です。
センサ複数個の組み合わせで動作判定する回路です。直列接続がAND、並列接続がOR、b接点(常閉)の利用がNOTに相当します。装置のインターロック条件、安全条件、複数モードの切り替えはほぼこの組み合わせで表現できるため、AND/OR/NOTを組み合わせる感覚を養うことが、ラダー図設計の中核スキルになります。
入力ON後、設定時間が経過してから出力をONにする回路です。シリンダの吸着安定待ち、エアパージ時間、警報遅延など、現場で最も使用頻度の高いタイマ用途を担います。シリーズによってタイマの分解能(10ms/100ms/1s)が異なるため、装置のタクトタイム要求とあわせてタイマ種別を選びます。
主要3社の選定にあたって最初に押さえたいポイントを、一覧表で整理します。型番・編集ソフトはもちろんですが、装置選定では「保守部品の入手性」「立ち上げの速さ」「学習リソース」も実務上のクリティカルポイントです。
| 項目 | 三菱電機 | キーエンス | オムロン |
|---|---|---|---|
| 主要シリーズ | MELSEC iQ-R/iQ-F/Q/FX | KV-7000/KV-8000/KV Nano | NJ/NX/CP/CJ |
| ラダー編集ソフト | GX Works3 | KV STUDIO | Sysmac Studio |
| 一般的な強み | 国内製造現場での導入実績が広く、保全部品の入手性も高い。ライブラリ・サポート資料が豊富 | 立ち上げの速さと操作性。診断・トレース機能が標準で充実 | モーション制御・ロボット連携の親和性。食品・包装業界で採用例多数 |
| よく見られる用途 | 大型装置・ライン制御全般/自動車部品/工作機械周辺 | 中小ライン/検査装置/立上げ短縮重視の装置メーカー | モーション要求の高い装置/食品・医薬・包装機 |
| 学習リソースの傾向 | 公式トレーニング・書籍が国内で最多 | サポートサイト・動画教材が充実 | 公式e-learningと事例ライブラリが豊富 |
実は、日本国内だけでも多くのPLCメーカーがあります。しかも、PLCメーカーによってラダー図の書き方が異なったり、使えない命令があったりするので注意が必要です。
今回は国内の主要PLCメーカー3社とラダー図の特徴について紹介しましょう。取り上げたPLCメーカーは次の3社です。
それでは、それぞれについて詳しく解説しましょう。

FA制御と言えば三菱電機というイメージを抱いている方も多いかもしれません。三菱電機ではFAに関する様々な商品を取り揃えていて、PLCについても選択肢が最も多いのではないでしょうか。
三菱電機のPLCは簡易的な制御に使用できるPLCから多機能なものまで、必要に応じて機能や機種を選択できます。また、サーボモーターやインバーターなどの出力機器も取り揃えているので、ラダー図との相性も良いでしょう。
ただし、高機能ユニットを使用する場合には、ラダー図も複雑になるので注意しなければなりません。その要因となるのが、機器のマニュアルが難しいという点です。
ですから、初めてPLCを使用する方や特殊なユニットを使用する場合には、三菱電機が開催しているセミナーなどに参加されることをおすすめします。

PLCの処理速度という点で最もおすすめなのがキーエンスのPLCです。価格が高いというイメージがあるかもしれませんが、機能的な点を考慮すると適正価格と言えるでしょう。
キーエンスの素晴らしい点は、「わからないことは電話で直ぐに教えてもらえる」という点。キーエンスの担当者は「マニュアル代わりに電話してください」と言うほどの迅速な対応です。
キーエンス製のセンサー類やサーボモーターとの接続も容易なため、ハード設計も含めてキーエンスで統一するユーザーも増えています。
キーエンスは全般に機器のマニュアルもわかりやすく、ラダー編集ソフトも使いやすいという印象です。それだけでなく、高機能ユニットの設定も簡単で、他社メーカーの機器との接続も比較的容易な点もよく考えられていると感心せざるを得ません。

三菱電機・キーエンスと共にPLCの国内シェア率が高いのがオムロンです。機能的には上記の2社に少し劣っている印象を受けるかもしれません。しかし、装置に見合った機能・速度であればコストパフォーマンスも高いのでおすすめ。
また、オムロンのPLCはラダー編集ソフトが使いやすいので、初心者の方にもおすすめです。
2024年以降、自然言語の仕様から制御プログラム(特にラダー図・ST言語)のドラフトを生成する取り組みが、研究機関・PLCメーカー・装置メーカー双方で進んでいます。2026年時点の状況を、実務目線で整理します。
ラダー図は記号自体は単純ですが、装置安全・タクトタイム・障害復旧パターンといった「現場のお作法」が暗黙知として埋め込まれており、ベテラン技術者の頭の中にしか存在しない情報が大量にあります。生成AIは記号の組み合わせを提示する水準には到達しましたが、「お作法」を踏まえた完成品を出すには、過去プロジェクトの仕様書・ラダー図・障害履歴を構造化したデータベースが不可欠です。これは制御部門単体ではなく、設計・調達・品質・生産技術の業務基盤として整備する必要があります。
制御プログラムの自動生成は単独では完結しません。上流の装置仕様書(設計OS)、下流のFMEA・是正処置(品質OS)、現場の立ち上げ・保全データ(生産技術OS)と接続して初めて実用に近づきます。生成AIドラフトの品質は、これら業務基盤の構造化度合いに比例するというのが、2026年時点の共通認識です。詳細は生成AIで生成したPLCプログラムのクオリティは実用レベル?で実際の出力サンプルとあわせて検証しています。
本記事ではPLCを制御するラダー図について取り上げました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
ラダー図はプログラミング言語の一つですが、視覚的に捉えやすくプログラミングの知識が無い人にも理解しやすい言語です。ラダー図の最も基本的な記号や命令は下記の5つでした。
上記の記号が理解できると、基本的なラダー図も理解できるようになります。ただし、PLCの機種に依存する命令や特殊な命令に関しては、マニュアルを見て調べなければなりません。また、ラダー図はPLCメーカーによって異なる点もあります。
国内の主要PLCメーカーとして記事内で紹介したのは次の3社でした。
それぞれのメーカーに特徴があるので、実際に設計する装置に最適なメーカーやPLC機種を選定しましょう。
ラダー図はリレー回路を視覚化したグラフィカル言語で、IEC 61131-3で定義された5つのPLC言語(LD・FBD・SFC・ST・IL)のうちLDにあたります。C言語やPythonと違い、上から下/左から右へ毎周期スキャン実行されるのが特徴で、現場の電気技術者でも直感的に読み書きできます。
大きく分けて、入力(A接点・B接点)/出力(コイル)/タイマ・カウンタ/算術・論理演算/END命令の5系統です。装置制御の大半はこの5系統の組み合わせで記述でき、まずはこの5系統を確実に理解することが学習の出発点になります。
各社の編集ソフト(GX Works3/KV STUDIO/Sysmac Studio)は基本的に互換性がなく、プロジェクトファイルの直接相互変換はできません。ただしIEC 61131-3準拠の構造化テキスト(ST)部分はソース移植性が比較的高く、装置リプレース時の足がかりになります。装置仕様書を構造化して残しておけば、メーカー切替時の再開発コストを大きく圧縮できます。
2026年時点では、自然言語からラダー図のドラフトを生成する研究・実装事例が国内外で進んでいます。ただし完成品をそのまま装置に投入できる水準には届いておらず、ベテラン技術者によるレビューと修正が前提です。詳細は生成AIで生成したPLCプログラムのクオリティは実用レベル?を参照してください。
各メーカーが提供するシミュレータ(GX Works3 シミュレータ/KV STUDIO シミュレータ/Sysmac Studio シミュレータ)が無料または評価版で利用できます。実機を触らなくても自己保持回路・タイマ回路など基本パターンを試せるため、まずはシミュレータで5系統の基本記号と本記事で紹介した3つの基本回路パターンを覚えるのが近道です。
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